薬王堂気まぐれ通信使 bQ87  2005・2・6
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

50フィート級の前島行き定期船・遠くに見えるのが前島↑
気まぐれ広島人は日曜日(2月6日)に前島に行ってきました
どこの前島かって?
周防大島の前にある前島なんです。
大島の対岸だからそう名前がついたんでしょうかね〜?
瀬戸内海に浮かぶ小さな島でした。

前島のメインストリート↑
かつては200人ほどの人口があり2つの小学校があったと聞きます。
明治から大正期、島ではイワシ漁が盛んでカタクチイワシから出汁イリコを生産していました。
しかし味の素などの合成調味料が出来ますとイワシ漁は廃れてきました。
戦後にかけ底引き漁で島の人口は維持されましたが近年になって漁ができないほど漁獲量と魚種が減ってきたのです。
今、島の人口は20人を切るほどでした。
超過疎化が進んでいるんですね。
そんな島に久賀港から乗船しました。

一言言っておかなければいけませんが中国縦貫道の玖珂インターの手前でパンクしました。
冷や汗ものですね!
予備タイヤで走行し帰りに農協で修理してもらいます。

前島に行く定期船は一日3往復です。
乗務員は2名、11時20分の定期便に乗る客は私一人でした。
片道270円でどうやって燃料費や人件費が出るんでしょう?
船長助手によりますと現在島には産業が無く、たまに乗船する釣り客も島を汚すばかりだと言います。
15分で前島漁港に到着しました。
民家は島の中央、少し低くなった箇所に30戸ばかり建てられていました。
物音一つしない静かな島です。
後で聞いたんですがこの島での騒音は、よその家から聞こえる昼寝のいびきだそうです。
島での唯一の車は原動付きのトラクターでした。
帰りの大島行き最終便は午後4時半です。
それまで島を歩くことにしました。

海岸植物がありました。
特にハマウドがたくさんあります。
そのほかにはセトノジギクオニノゲシツルナ・ハマエンドウが目に付きます。
特に驚きましたのはフウトウカズラが多いことでした。
それに赤い実がなっていたんです。
瀬戸内海で実がなるのはこの島以南ではないかと思います。
雌雄の株があるんですね。
コショウ科のこの植物は私の憧れでもあります。
たくさん実を集めました。
ここで後日、フウトウカズラの実を調整してラーメンに入れるまでを記録してみました。→ ラーメンに入れて食べるまで!

フウトウカズラの赤い実↑
それを過ぎ山手に登りますと大きな岩を祭った大判神社があります。
これも後で聞いたことですがご神体はシロヘビだそうです。
なんだか岩国のシロヘビと関係がありそうですね。
先日の2月3日節分にはトベラの木に葉を巻きつけた供え物をするそうです。
それに巳さんですから生卵を供えるとか・・・
厄払いと聞きましたがこの辺での風習だそうです。
境内に見慣れぬ大きな木が数本立っていました。
これは珍しい!バクチノキです。
こんなにたくさんあるのをはじめて見ました。
木の肌が博打で負けて身包みはがされたように赤剥けになっていることからつけられたと聞きます。

バクチノキ↑
山にはヒメユズリハアリドオシ・キズタ・クロガネモチ・ヤマモモ・ヒサカキの木が茂っています。
この島には筍を食べるイノシシもタヌキもいないそうです。
そのせいか竹(モウソウチク)が繁茂しています。
ダンチク以外にもヤダケや笹の仲間も多く見えます。
島の中央部にある非常用のヘリポート、山頂までの荒れた山道、そして墓所を過ぎて反対側の海岸に下りてきます。
明治・大正以降の墓碑が目立ち太平洋戦争で亡くなった軍属が多い島でした。
旧小学校校舎、前島神社、小さな祠や猫の額ほどに作られた畑、いたるところを歩きました。
動物や植物を見つけるとじっと見ることにしています。
海岸にコアマモでしょう、小さな海草があります。
その周りには昔よく見た巻貝がたくさん動いています。
海草の間からはメバルがこちらを見ています。

外来のアレチボロギクの咲く旧小学校の高台から遠く大島大橋が見えましたね。
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