PEN-F series
Lens 標準・特殊


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38mm F3.5 MACRO
このレンズはeBay(アメリカのオークションサイト)で送料込み約330$で落札しました。国内価格よりは安価に購入できたと思っていますが、自分としては当時かなりの強気の入札しましたお気に入りの1品です。 
マクロとしてはもう少し長めのレンズがほしいところですが、それでもこのレンズを装着してファインダーを覗くと何だかすごく楽しいです。 
標準レンズの最短距離も約35cmとかなり短いですが、このマクロは16cmと更に近くまで寄れるため、アングルファインダーと組み合わせると更に撮影が楽しいですね。
また風景・スナップ撮影ではピント合わせの必要がほとんどなく、使い回しの良さも光ります。
描写も鋭く持っておくと重宝な1本ですが、玉数は比較的少ないようです。
もし
見掛けたら即入手をお勧めします。 責任はもてませんが… (^^ゞ

●EズイコーオートMacro
●35ミリ版換算≒55mm
●画角:43度
●絞り形式:完全自動絞り
●TTLaF0〜4
●最短撮影距離:16cm
●フィルター径:43mm
●重量:175g
●当時の定価:19,000円
OLYMPUS Photographyに掲載された解説をご紹介
38mmF3.5のこのマクロレンズは、接写を目的として設計した高解像カレンズです。 明るさをおさえて収差を最大限に補正したこのレンズは、接写、複写などの近接撮影には非常に高い解像カを示します。 マクロレンズとはいえ、標準レンズとして一般撮影に使っても、また付属品を使った拡大撮影でも、そのすぐれた性能を十分に発揮します。 35ミリ判用のマクロレンズは一般的に像倍率1/2倍、つまり7.2×4.8センチまで写せますが、このレンズは無限遠のものから1/1.58倍、3.8×2.8センチ(35ミリ判の約等倍の大きさ)のものまで連続的に近接撮影ができます。 35ミリ判より接写能力が2倍もあるわけです。 
またマクロレンズといえば望遠レンズと間違うほど鏡筒が長くなっているのが普通です。 しかし、このレンズは標準レンズと同じくらいコンパクトな設計で、使いやすくなっています。
◆レンズ◆
4群5枚構成のこのレンズは画角43度標準レンズと同じです。 明るきをF3.5と中口径におさえてありながら、レンズの構成はビオメータータイプを採用した、ややぜいたくな設計の本格的マクロレンズです。 設計基準像倍率を1/10倍にとってありますから、接写や複写、なかでも精密描写の必要なマイクロ・フィルムを使う専門的な複写などでは、その高い解像カを十分に発揮してくれます。またリバースリングを併用した拡大撮影でも、マクロとしての性能を十分示してくれます。 一般撮影においても、収差が小さく高い解像カを持っており、よい結果が得られるように設計されています。
◆機 構◆
 
マクロレンズは、そのままで近接撮影ができるようになっているため、レンズの繰り出し量が大きく、ヘリコイドねじをうんと長くしてあります。 この長いへリコイドを組み込むために、一見望遠レンズと見違えるほど、レンズ鏡筒が長くなって使いにくくなるのが普通です。 このマクロレンズは、ヘリコイドを繰り出せばわかりますが、距離環の前側鏡筒部が2段伸縮します。 2段目のリングはフリースライディングなので、手で動かすとややゆるいですが、これがために標準レンズ並みのコンパクトな鏡筒に設計できたのです。 距離環には距離目盛と併記して1/20から1/1.58までの像倍率目盛がついています。 それより小さい被写体にはベローズとリバースリングを併用すると3.8×2.8センチから0.7×0.5センチ(像倍率=3.4倍)までの拡大撮影が出来ます。 即ち無限の風景から6ミリほどの小さいものまで、切れ目なく連続して写せます。 TTLナンバーは0から4、Fナンバーは3.5から16。 フィルターは43ミリねじ込み式、フードは不用です。



38mm F2.8 Pancake

パンケーキレンズ(E.ZUIKO 38mm2.8)です。
大都市圏ではどうかわかりませんが、私の住んでいる地方都市では、まず店頭でお目にかかることはないと思います。
以前、「さまよえるHALF菌患者」のコーナーにも書きこみましたが、私の好きな詩人写真家である沼田元氣さんの愛用されている、BlackペンFT+パンケーキの写真を本で見て以来、ずっと気になって探していたものです。
このレンズ、オークション等にはたまに出品されるようですが、私の場合は海外から購入しました。
操作してみての印象ですが、余りの薄さのために、ピントリングと絞りリングに同時に指がかかってしまうことがあります。 ただ、この点は、慣れてくるとあまり問題ではなくなりました。
また、意外な良さとして「ピント合わせのし易さ」を感じています。 何故かピタッと決まるんですね、これが!
試写結果は、改めてご紹介をするつもりではいますが、ちょっとやみつきになりそうです。

なんとレンズ長は約14.5mm
 

OLYMPUS Photography掲載の、当時の製品レポート出ッパリなしのペンFTをご紹介

コンパクトにかえる
35ミリカメラは少々大きくなりすぎましたね。 その昔のライカ、それも沈胴レンズのエルマー50ミリF3.5付がなつかしい…という人も、ライカの真髄はVFかGまでで、M型になって別のカメラになったようで…となげく人もいます。そこで35ミリカメラはいつから大きくなってきたのかなあ、と考えてみました。
●EズイコーオートS
●35ミリ版換算≒55mm
●画角:43度
●絞り形式:完全自動絞り
●TTLaF0〜5
●最短撮影距離:80cm
●フィルター径:43mm
●重量:70g
●当時の定価:7,300円

 当時、大口径レンズ合戦時代がありました。 レンズはデッカイほどイイ、ゴテゴテ飾りのついたカメラほど貴重感がある。…といった時代です。 ちょうど一昔のモールで飾りつけた無骨な国産車みたいなものでした。 それがナレッコになってその後35ミリカメラの主流になった一眼レフでさえ、そう大型と感じなくなったんでしょうか? これはサッカクだと思うんです。 ずい分大きな一眼レフですもの…。

そこをついて登場したのがハーフ判のペンシリーズカメラ。 うまいところに出たもんで、そのチビッコぶりは、サブカメラとか、もう1台のお遊びカメラとかもてはやされて、ついにはペンタのトンガリ帽子をぬいだペンならではの高級機ペンFTにまでに至ったわけです。 まあ、最近のオリンパスの歴史はこのチビッコに挑戦の連続でした。

そして今日のコンパクト35カメラばやり。 好評ペンEESのまんま35ミリになったようなトリップ35、より通人用の35SPも大口径F1.7レンズをつけながらポケットに入るカメラサイズを誇っています。 どこに行くにもカメラ専門、カメラなしては昼も夜もいられない人は、その万能性をとって大型カメラもいいでしょうが、こんな人とてたまには「……ながら写真術」で気を抜きたい人でしょうな。 交換レンズがなくては…と、ペンFT1台をさげてフラッと出掛けるんですが、たとえば旅行しながらのペンFTにしてもズームレンズと一緒では相当カサ張ります。 たまに使うズームあたりはカバンにしまっておいて、いつもは標準専門にしても、やっぱり出っぱりはあります。

コンパクトが売りもののペンFTにしても、ボデー側にいくら高級機をつめ込んだところで、レンズの出っぱりはどうにもならなかったようで、オリンパスの設計陣はその本来の小型化に帰って再出発したのでしょう。 遅まきながらペッタンコの標準レンズ、しかも沈胴もヘチマもない、そのままで厚さ14ミリの新標準レンズ、Eズイコー・オートS・35ミリ・F2.8が誕生しました。 ペンタがない…とはいうもの、ミラーボックス分だけ厚いペンFTがこれで本来のコンパクト・ペンFTに立ち帰ったと思います。

「肩かけ」から「ポケットのFT」へ
肩にかけて歩くカメラなら、多少のところは50歩100歩ではありませんか? 別に持ってもキャリーケースの中あたりでしょう。それがこのコンパクトレンズの登場でポケットに住家を変えたんですから大したもんです。 そしてポケットは体の一部だと思うんですが、いかがでしょうかしら? そのニギリぐあい、持ちぐあいご覧に入れたとおりです。

焦点距離はF1.8標準レンズと同じ38ミリです。 往年の35ミリ判オリンパスワイドが広角35ミリレンズ専用にしてコンパクト35ミリカメラの元祖になったのとは少々事情が違います。 別にワイドにしてペッタンコに逃げたわけではないんです。 立派な標準の写角43度は確保した上でのレンズの厚み14ミリです。

F2.8と標準にしては…といわれるのもごもっともですが、明るい室内までをふくめて屋外用にしては十分すぎる明るさです。 薄くするためのぜいたくはこのエルノスタータイプの4群5枚のレンズ構成にも見られます。 バックの長きが一眼レフなるがゆえにある程度必要で、レンズ間隔をつめて小型にすると、前群のパワーが強くなって
球面収差がでやすくなります。 そこで前玉を2分割して球面収差をとり、コマ収差も補正したスナオなレンズにするための4群5枚でした。

普通には標準のF2.8なら3群4枚のテッサータイプが常識なんですがね。 あまりに薄くした関係で、ヘリコイドの伸びが至近距離0.8メートルと、一眼レフにしては…になりましたが、一般カメラにくらべればむしろ近い方だし、中間リングも使える一眼レフのことです。 立派にしのべるんじゃないでしょうかね。 45×33センチのものが画面一杯に撮れるんですから…。

ところで作品には仕上りの美しさ以外に、写真の「質」の問題があると思うんです。 いかに美しい大型カメラの仕上りでも、カメラを三脚にしばりつけた大型と、ポケットからツマミ出す小型との間には、携行、連続速写性の差に原因した写真の「質」が違うということです。 とくに小型カメラの報道、スナップ写真にそんな差がはっきりでていると、あなたも思いませんか? それに大きいカメラではどうしても撮る「構え」がでるようです。 気やすくいえばペンFTなら…でパチパチ撮るところに、この構えがなくなつて、あなたの「ペース」がでるのではないでしょうか? スナップ写真はとくに小型が強く、それも気やすさがプラスした小型が絶対強いということなんです。 この薄いEズイコーF2.8標準レンズをつけたペンFTは、そんな、気やすさを生み、構えをなくすレンズだと思いました。

その描写カは…神経質なオリンパスのレンズだからとは思っていましたが、そのとおりの高コントラスト、高解像カのレンズでした。 手の多分に大きい私にとって、両ツマミ式のへリコイド繰り出しはちょっとこまりましたが、いい加減? でもピントのあう短焦点38ミリのこと、ピンポケはできませんでした。
最近は一眼レフ時代、それも交換レンズばやりです。 標準をぬかして超広角に超望遠、内容のへタクソはレンズ効果にオンブしようの面もあるようです。 でも標準は標準…です。 少々ウェイトの軽くなった作画上の標準レンズでも、実用写真ではやはり第一人者の標準です。 何でも作例?になる私の仕事の関係上、車のポケットに年中入れているペンなんですが、最近はレンズ2本を加えたペンFTに置きかえました。 安直に持ち出す、いつものペンに、望遠、広角がつくんですから…。


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