薬王堂気まぐれ通信使bU16  2011・4・24
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

24日(日曜日)早朝、気まぐれ広島人は県北の三段峡に行ってみました。


ここには10年前まで広島駅から加計を経由しての鉄道がひかれていました。
なぜこんな山奥に鉄道が?
計画では山陰と三陽を結ぶ鉄道輸送が目的だったとか!
その計画は第二次世界大戦中に中断されたと聞きます。
今でも三段峡から中国山地を掘りぬいたトンネルの入口があると言われています。



すこし歩いてみましょう。
誰もいない谷筋に小さな遊歩道がついているだけです。
長い年月に両側の岩は削られ変化に富んだ渓谷美が続きます。


途中で人影らしきを確認したのは釣り人の二人だけ。
早春と言っても陰には雪溜まりが残ります。
この辺りはまだ冬のようです。
モミの木の樹皮に黄色いものを見つけました。
この時期、なんだろう?
去年の実が熟して綿毛のような種も出来ています。


カヤランは未だ花は咲かないようですが・・・
どうもマツラン(ベニカヤラン)のようです。
ベニカヤランと言った方がふさわしいようですのでそう呼ぶことにしましょう。


ベニカヤラン、光沢と厚みのある葉には朱色の斑点が散らばります。
一般的な花にも朱色の斑点がありますがこの個体は淡色系のものらしい・・・
傍にはカヤランも着生していました。
カラヤンでは有りませんよ!
誰もいない谷道、身を乗り出してじっくり観察してみます。
朝の太陽光が花を照らしていましたので近接撮影に挑戦してみました。
花を見るのは初めてです。
アップして自分流に各部位を示してみました。


花は逆さまですが蘭特有の容姿をしています。
唇弁の元は袋状に膨らんだ「距」となっているようです。
花粉は蕊柱の下方先端の黄色く膨れた箇所に内蔵されているのでしょう。
粘着体が花粉塊とつながり蜜を求めて訪花した昆虫の背中に付着するようにセットされています。
受粉を期待するベニカヤランの巧みな戦略です。
高所に希にある植物ですから小さな昆虫が飛来するのでしょう。
今日はベニカヤランの花が見れただけでも満足でした。
黒渕まで行ってみます。
何時もはここから渡舟が運んでくれるのですが流石に運休でした。
昼食を済ませて路を引き返します。
スミレサイシン
イチリンソウ
エイザンスミレの出たばかり
ミヤマカタバミ
ケスハマソウ
オオイワカガミ
ツチグリ
名前不肖のスミレ
等を見ながら谷を下ります。
近々又来ます。
人のいない時に・・・
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