薬王堂気まぐれ通信使bU13  2011・4・3
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

今、我家の近く、北側の斜面にあたる山肌は白く染まっています。
毎年繰り広げられる数日間の出来事です。
タムシバの花が咲いて冬の終わりを告げます。
モクレン科(Magnoliaceae)・モクレン属にはタムシバをはじめ、コブシ・ハクモクレン・ホオノキ・オオヤマレンゲ・タイサンボクと美しい花を咲かせる樹木が含まれます。
花粉症の私ですが、じっとしておれなくなって山に行くことにしました。
ふぁっクション!ずるずるズ〜〜
北の地方ではこの時期、コブシが見られるといいます。
コブシの花との違いはどこにあるのでしょう?
タムシバの花(花弁)の長さは約4〜5センチと随分小さなものです。
内に3枚、外に3枚と6枚で構成されています。
花弁の外側に約3センチ(花弁の半分くらいの長さ)のがく片が3枚あります。


花弁とがく片を合わせて9枚の白い花被片が開きます。
しかしながら美しい時期も極僅か、受粉を済ませると花被片は反り返りじきに落下します。


雄しべは数十本、雌しべ柱頭の外側を取り巻きます。
子房は複数あって伸び上がった雌しべの先にはらせん状に配列された柱頭が突出します。
雌しべが全盛の時、雄しべの葯室は硬く閉ざされているようですから自家受粉を避けて他の花からの花粉を受け入れているのかもしれません。


夏になると子房は種を宿し赤い縦長の拳塊となり、秋にはじけて黒い種子を放出します。
タムシバはこの営みを長い年月、繰り返してきたのでしょう。

コブシの花はタムシバの花よりも大きく、がく片が極端に短いのが特徴のようです。
漢方の世界ではコブシやモクレンの仲間の開花前、苞に包まれた蕾の状態のものを摘み取り乾燥させて鼻の薬(蓄膿や鼻炎による鼻詰まり)として用います。
日本ではタムシバの花蕾も用いられてきました。
辛夷(しんい)といい鼻粘膜の充血を和らげ空気の流通をよくします。
そのほか頭痛を治す薬としても用いられます。

タムシバ咲く〜♪ あの丘広島の〜♪ ああ広島の〜春♪

芸備線を北上してみます



アマナ
スハマソウ(しべの赤いものアップ)
カタクリ
ミツマタ(赤い花黄色い花)
ユキワリイチゲ
セキショウ


アマナ


春はそこまでやってきていました
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