薬王堂気まぐれ通信使bT75   2010・5・27
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

5月27日の午前中、安田女子大学薬学部に行ってきました。
9号館薬学部は6階建ての最新建造物で吹き抜けのある立派な構造をしています。
屋上から歴史のある安田女子大学キャンパスを見渡してみました。


薬学部屋上からの大学キャンパス



今日の役目は薬学4年生3年生に漢方薬の講義をすること・・・
対象は21歳〜22歳の麗しい女性ばかりです。
うちにも22歳になるフーテンの寅次郎(次男)が一人、
ここに座る皆さんは学業習得で大変ですね。
22歳といえば人生の春、寅次郎を誉めるわけではありませんが好きなことをして楽しんで下さいね!

講義は始まりました。


気まぐれ講師:「皆さん、おはようございます。今日は薬剤師として活用できる漢方薬のことをお話いたしましょう・・・」

6年生になった薬学生の職種は様々で病院内薬剤師・調剤薬局・行政機関・製薬会社・研究機関・・・など選択肢は多くなりました。
その中で本来の業務である開局薬剤師の立場を理解している学生はあまり多くなさそうです。
その点から説明しました。

気まぐれ講師:「私が漢方を志すきっかけは小学生の時、我家に集まる漢方愛好家の話からだった!云云・・・」

そうなんです。
私は親の友人が語らう漢方薬投与例を聞いてこの世界に魅了されます。
先ずは興味を持つこと!魅せられる事!
好きこそ、ものの上手なり!
最近は薬業界での漢方熱も下火傾向ですが、武士は食わねど高楊枝の精神で頑張っております。

葛根湯の話から切り出します。
葛根湯という名前を知る学生は8割を占めましたが、じゃあ〜葛根湯には何種類の生薬が配剤されているか?の質問に答えられた学生は1名しかいませんでした。
主薬の葛根
実際のクズを採取して持ち込みます。
クズの根が葛根という生薬の原料であること、
マメ科の植物で古くから根のデンプンを集めてくず湯にしていること、
根は肥大化して採集に手間取り、真っ黒な灰汁を流水で洗い流すことなど・・
多くの学生にとっては初めて聞くことばかりだったでしょう。


麻黄

桂枝

芍薬

甘草

大棗

生姜

私の薬局で実際に調剤に使用している現物を持ち込んで話ます
国が定める薬価ではとうてい使用できないこだわりの上品で勝負します。

担当教授から学生の感想が届けられました。

A学生:実際に生薬を手に取り、匂ったり、味わったり印象的だった!

B学生:今回の講義で漢方がすごいなと感じた。気まぐれ講師も感じがよくて素敵な薬剤師さんだなと思った!

C学生:薬剤師は色々なところで活躍できるのだなと感じた。

D学生:シナモンの香りをかいで、ラテン名 Cinnamomum cassia を覚えた。

E学生:講義を聴いて漢方に親近感が持てた。身近なものも漢方に利用されている事がわかった。

云云・・・

という内容の感想文でした。
特にB学生の意見は非常にいいところをついている!
皆さん!立派な薬剤師となって私の後に続いて下さい。

※この報告は担当教授の許可を得てアップしています。
ホーム   一覧に戻る