薬王堂気まぐれ通信使bT69  2010・4・13
Yakuoudo Capricious Communications Satellite


2008年5月6日撮影 杉林のイカリソウ

2008年5月6日、県北で採取した一株のイカリソウに花が咲きました。


蜜の匂いに誘われて虫が来ています。


イカリソウには種類がありますが、この株はなんという名前なのか?
図鑑で調べますと昨年の葉が残ったままで新芽が伸びるトキワイカリソウだと思われます。
鉢植えですが花を咲かせてくれました。
花は船の碇(イカリ)に似た4本の距を持ち合わせています。
花の構造を調べてみました。

メギ科 イカリソウ属(Epimedium L)  トキワイカリソウ

葉は2回3出、花弁に距がある、葉は冬に枯れずやや堅く

・・・とあります。

花枝を持った茎の上に葉(柄)が3本伸びる。1つの葉は3枚の小葉から出来ている。
中国(中葯大辞典)ではこれを「三枝九葉草」と表現しています。



漢薬名を「淫羊=インヨウカク」と表わし強壮・補陽(腎気を益し身体を温める)・去風湿(身体の湿気を取る)を目標に、インポテンツや性的な衰弱、勃起不能などの改善、足腰膝の弱り、リウマチ、半身不随、老化防止に使っています。
そう言えば、30年前に庄原というところの老人会に話をしに行った時、一人の男性・恐らく72〜73歳でしたでしょうが「イカリソウを煎じて飲むとよう効くんじゃ!」と言う方がおられました。
何がよう効くのか?想像の域ですがとにかくよく効くらしいんです。
花を見てみましょう。(裏側)

花弁は4枚あり長い距を持ち合わせています。
距の先には蜜が蓄えられそれを吸うには長い触口を持ったアブやチョウなどの昆虫が有利のようです。

もっと詳しく花を見る為には分解するしかないようです。
花弁を取り去ってみます。
花弁の一枚を取り去ります
二枚目も取り去ります。
三枚目・・・
とうとう裸にしてしまいます。
これはもう性分ですね!
花弁4枚、雄しべ4本、雌しべ1本、がく片4枚(内がく片4枚と外がく片4枚の8枚だそうですが小型の外がく片は開花後直ぐに脱落するようです)、葯は2室に分かれていました。

小さな花にも色々な工夫と秘密が隠されているようです。
試しに三枝九葉草の葉茎を煎じて飲んでみました。
ホーム   一覧に戻る