薬王堂気まぐれ通信使bT22  2009・4・26
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

先週、ウラシマソウらしきテンナンショウ属の植物を観察しました。
正式な名前が分からないままでしたが我家の近くに釣り糸のような付属体を持つ個体があったのを思い出して確認に行きました。
好きと言うか?わざわざよく行きますね〜!
渓筋を登るとあちこちにマムシグサが目に付きます。
これは花柄が長く伸びるヒガンマムシグサという種類だと思います。
確か!この辺りで見たと坂道を登りますと・・・・有りました!


ナンゴクウラシマソウ


仏炎苞から糸状のものが出る株が群生していました。
結局、一箇所だけでした。
本によりますと雄花がほとんどで種子が出来る雌花は非常に少ないとあります。
根の横から子球が大きくなり、それが分かれて増える栄養繁殖が行われるため一箇所に群生しやすいと言われます。
小さな株も含めると20株くらい有ったでしょうか?
仏炎苞を割れば内部が見やすくなります。
しかし植物を傷つけることは好ましくありません。
出来るだけ近寄って内部を観察してみました。


仏炎苞の内部にある付属体にはヒダ状のしわがたくさん有りました
このしわはナンゴクウラシマソウの特徴です。
但し「広島県植物誌」によると付属体(付属物)の基部のしわが弱い、ウラシマソウに近い種類が山間部には有ると記載されています。
種子が風で運ばれたり動物の運搬にかかわらない植物ですから地域の変異が多いのでしょう。
しわの部分を大きくしてみました
なるほどね〜!
通りがかりの人が、薄暗い谷でナンゴクウラシマソウをじっと覗き込んでいる姿を見たとしたら奇妙に思うでしょう!
仏炎苞下部の虫が這い出る穴も空いていました。
それにしても奇妙な植物です。

その場を離れ近くの植物に目をやりました。
薄暗い湿岩にはサツマイナモリが咲いています。


サツマイナモリ


アブラナ科のこの植物はマルバコンロンソウか!
明るい場所まで登ってみました。
オシベが5本のヤマツツジが咲いていました。
その側にはムベの花が咲いています。
ムベ、別名トキワアケビ、大きな花は内部に3つのメシベを持つ雌花です。
その他の小さい花は全てオシベのある雄花です。
ムベは秋に赤く熟しますが口を開きません。
アケビの種類ですがムベが一番甘みが強く食用に適しています。
ムベなるかな!ですね。


ムベの花・右上の少し大きな花が雌花、その他は雄花、

目に青葉・・・
午後からは新大阪で会議が行われます。
さ〜帰りましょう。
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