薬王堂気まぐれ通信使bT16  2009・3・15
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

3月15日・日曜日、朝から妻は「今日はどこに行くの?」と聞きます。
私は「まだ決めてない!」と答えます。
そして、こんな言葉が返ってきます。
「幸せな人だね〜!羨ましい!」と・・・
何処に行こうかと迷っているのに羨ましいかね?
私は地図帳をかかえて車に乗ってから行き先を決めます。
方向だけ見当をつけ今までに行ったことの無い場所にと車を走らせます。
これが結構、難しいんですね。
行ったことの無い場所というのは頭の中に行程が無いわけですから予定として方向付けが出来ないんです。
だから「まだ決めてない!」となるわけですね。
広島市内を横切り己斐のトンネルを抜けるとビックアーチのある西風新都に出てきます。
家から約20分かかりました。
そこから奥畑地区を目指し・・・ここらまでの行程は頭の中にあるのですが、さて今日はどんな新天地に足が向くことやら・・!
「そうだ!窓ヶ山に登ってみよう!」
ここで予定が決まるわけですね。

大昔、この辺りの山に来たことがありますがすっかり遠い記憶となって脳裏から忘れ去られています。
見事な紅白の梅のある上奥畑を通り広島市憩いの森とある駐車場に車を停めます。


そこから一気に登る山道に入り窓ヶ山(711m)山頂を目指しました。
杉林の人工林を抜けると自然林の尾根筋に出てきます。
自然林では色々なものが見えていいですね。
美味しそうなキノコの仲間、キクラゲがあります。
山道を登ると岩陰にオオイワカガミが出てきます。
ヤマシグレが新芽をのぞかせています。
頂上近くになるとベニドウダンの木が目立ちます。
花は今からでしょう。
花芽を含む新芽が赤く色づいていました。
種を散らした果皮片が木からたくさん垂れ下がっています。

ベニドウダン

登り始めて約1時間、頂上にたどり着きます。
正面遠く瀬戸の島々、手前には鈴峯や五日市の町並み、左に広島市、右手前に魚切ダムとパノラマ風景が広がります。
風は早春の花粉の臭いを含み、それでも温かみのある希望を感じさせるものでした。


岩の上にはヒオドシチョウが縄張りを張っていました。
花らしいものは未だ無い時期ですがアセビの白い花だけがまぶしく風に揺れていました。


アセビの花


頂上付近は下界にない別天地です。
ゆっくりと風景を楽しんで辺りを見渡しますとイワタケ=岩茸が目に入ります。
イワタケ、四国辺りの面河地区ではこれを食べるという!
岩から剥ぎ落とし鍋裏の煤のような真っ黒い部分をタワシでこすって酢の物にして客に出すのだそうです。
ペラペラのアクリル板のような岩茸(菌類と藻類の共生体・地衣類)がそんなに美味しいんだろうか?
想像をたくましくしながら約20分頂上に留まります。
さ〜下山しましょう。
2組の初老夫婦ハイカーと挨拶を交わします。
帰りは南側の谷筋を下ります。
この山は水量が豊かのようです。
オオサンショウソウや苔の仲間数種()が見られます。


スギゴケ


ヤマザクラの古木にカヤラン(マツラン?)らしき着生ランが着いていました。


バイカオウレンの群生

帰り道、桜ヶ峠から戸山方面に向かいバイカオウレンが自生する杉林に入ってみました。
バイカオウレンは今が盛りと白い花を咲かせていました。
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