薬王堂気まぐれ通信使bS70   2008・3・30
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

この時期、春の息吹きを感じに県北に行きたくなります。
好きですね〜
妻に言わせると毎年同じ事を繰り返していると言います。
鼻をグスグス言わせて、同じ場所に、同じ花を見に、同じ画像を撮影して・・・
帰って来たら 「あ〜よかった!」 と言うそうです。

そんな3月末の日曜日、高速道路を走り戸河内町まで行きます。
町の川面はまだ冬のようでした。
近くにあるアズマイチゲを見に行きますが雨で花は閉じたままでした。

雨にぬれたアズマイチゲ

雨にぬれて閉じた花も綺麗ですね。
車から降りてしばらく歩きました
フキノトウが花盛りです。
立岩ダムを通り吉和に通ずる道路を走ってみました。
この辺りにも人は住んでいました。
不思議だったのは川沿いにある道路ミラーの上部から笹が生えていたことです。
冬には2メートル近くも雪が積もる地域でしょうが道路面から3メートルは充分にあるミラーです。
茎はミラーの管の中を伝わって3メートル下の地上部に達しているのでしょうか?
那須集落への入口を過ぎ坂根集落の上にある打梨(うつなし)小学校跡まで行きます。
校庭には未だ雪が残っています。
大正12年に開校し昭和46年に戸河内小学校に統合され閉校しています。
当時は学童も多かったのでしょう。
目に入った植物を紹介してみましょう。
多分、アブラチャン(クスノキ科)の花だと思います。
ダンコウバイとよく見間違います。

アブラチャンの花 1〜6が総苞片 @〜Hまでは雄蕊(オシベ) ◎は何でしょう?

アブラチャンは小枝に皮目があるとされます。
花には柄があるとされますので花柄のないダンコウバイと区別されます。
6枚の花びらに見える総苞片は薄く広くどちらの花もよく似ています。
キブシの花も咲いていました。
山では区別のつきにくい植物が多く有ります。
先ずチャルメルソウですがこの辺りではコチャルメルソウとチャルメルソウの区別が難しい!
図鑑(日本の野生植物・平凡社)によりますとチャルメルソウの花の雄蕊(オシベ)は5本で花弁の基部に付くとあります。
コチャルメルソウの花ではやはり雄蕊は5本で花弁の基部から離れた場所の花盤上から出るとあります。
花弁というのは魚の骨のように裂けており、とうてい綺麗とは思えない形です。
それからエンゴサクの仲間、ジロボウエンゴサクとヤマエンゴサクの違い。
ヤマエンゴサクのほうが圧倒的に多く生育していますが花数の少ないジロボウエンゴサクがちらほらと見られます。
ケシ科の植物で根を延胡索として薬用(鎮痛剤)に用います。
植物には気の毒でしたが根を掘ってみました。
ジロボウエンゴサクは塊根から葉や花の茎が数本伸び上がっていますがヤマエンゴサクは塊根から一茎が伸び途中から分岐しています。
生憎、画像のヤマエンゴサクの塊根は失してしまいました。
植物を同定するのは困難な作業です。
ホソバナコバイモの群落を見ながら帰路についたという気まぐれ広島人の休日でした。

ホソバナコバイモ
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