薬王堂気まぐれ通信使bS21   2007・4・8
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

4月8日は第2日曜日でした。
気まぐれ広島人は毎月、広島漢方研究会のお世話をしています。
午後2時過ぎから近くの山に行くことにします。

右方面の赤い線から左方面に移動しました。


広島市の西、三滝付近からトンネルが出来ています。
出口は五日市の修道大学付近、そこを直進して西風新都に行くことができます。
広島市内からわずか20分で新住宅地区に着くことが出来ました。
周りは静かな山林が広がりますが、このあたりに生息していた熊は驚いたでしょうね。
十数年前、熊が市内に出てきたことがありますがここらあたりの熊では無かったのか?と・・・
神原のシダレヤナギとあったので行ってみましたが人が多いのと時期遅れだったこともありその場を離れました。
窓ガ山付近に車を進めます。
何度か来たことがある地区ですが川がコンクリで三面張りされ様子が変わっています。
集中豪雨で川が崩れたのでしょう。
これでは川の生き物も生息できません。
山も川も野も・・・だんだん変わってきています。
自然が少し残った奥畑川に下りてみました。
ナガバモミジイチゴミツマタミヤマカタバミセキショウが花を咲かせていました。
畑地ではゲンゲカキドオシキケマンなどに混じりオランダガラシが花を咲かせています。
オランダガラシ=クレソンがあるという事は人の手が加わっているという事でしょう。
湯来地区へと分かれる三叉路のあたりで山道に入ってみます。
杉林に数株のヒガンマムシグサを見つけます。
花を咲かせていました。

ヒガンマムシグサの雄株(苞の下に小さな穴が開いてるのがわかりますか?)
サトイモ科は雌雄異株で花時期、苞を作ります。
実際の花は苞の中にありますが容が仏像の後ろにある炎と似ていますので仏炎苞と呼ばれます。
ヒガンマムシグサの特徴は芽立ち時期、葉を出す前に苞を立ち上げる!
立ち上がった苞軸は長く中間あたりに葉柄が出る!
なかなかマクシグサの仲間は判定が難しいですね。
先日、「自然人」という北陸の春を紹介する本の中で本多邦夫さんのマムシグサの記事がありました。
花=苞の構造、雄株・雌株があること、受粉を助ける苞の構造など興味深いことが書かれてあります。
私もヒガンマムシグサを観察してみました。
立ち上がった苞にはクモが巣を作っています。
花=苞に誘き寄せられる小さな虫がいるという事です。
サトイモ科の植物は虫媒花のものが多いようです。
同じ科のコンニャクも特殊な臭いを出して虫を誘うと聞きました。
筒状の苞の中に花があります。
私が解剖した個体は雄株でした。
雄株にはオシベのある雄花が咲いています。
花の軸の先端には丸くなった突起がありそこから虫をひきつける臭いが出ているようです。
自然人にはキノコバエをひきつけるようだと書かれてあります。
雄株の苞は花粉をつけたハエが苞から出やすい様に底に小さな穴が開いています(自然人の記事から!)。
雌株に引き寄せられたハエは筒状の苞の中に落ち込んでメシベに受粉させるそうです。
しかし雌株にはハエが出られる苞の底穴が閉じられていることなどの仕組みを画像を添えて紹介していました。
不思議なものですね。

窓ガ山の頂上には行かず峠を越えて魚きりダムに通じる林道を走ります。
道は各所で雨に削られています。
アセビシハイスミレ?、タムシバの白い花が目に付きます。
西斜面の山肌はタムシバで白くなっています。

タムシバの花

タムシバはモクレン科の植物ですが3枚のガク片と6枚の花びらで構成されています。
コバノミツバツツジヤマアイショウジョウバカマの白い花、キジムシロコガネネコノメソウイヌナズナなど冬を過ごした植物は一斉に花を咲かせていました。

サツマイナモリ

アカネ科のサツマイナモリ花盛りでした。
純白の花にはシベに色違いがあったり雌雄の違いもあるようです。
今日はこれくらいにしておきましょう。
ホーム   一覧に戻る