薬王堂気まぐれ通信使bS18  2007・2・25
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

ニュージーランド7日目 2月25日・日曜日・マウントクック周辺高山植物とフッカー氷河

朝日を浴びる氷壁
朝はハーミテージホテルのモーテルでの目覚めでした。
ここの設備は完璧でした。
大きな寝室が別にあって庭の見える広間、キッチンには調理器具レンジなど、スプーンも整然と並べられています。
お湯の出る余裕のシャワー室、それにトイレも気持ちよく使えるようになっています。
ただし、我々が不注意だった点が一つあったのです!
それは部屋の使用規約を十分に確認していなかったことでした。
私たちがニュージーランド旅行から帰って一息ついた四〜五日後、ハーミテージホテルから一通の英文の手紙が届きます。
内容は概略、下記のとおりでした。

「部屋を掃除したスタッフによると、あなた方の使用した室内にはタバコを吸った強い臭いが残っていました!云々・・・よってニュージーランド政府の法律に則り、部屋でタバコを吸ったペナルティ=200ドルを義務として請求します。あなたのクレジットカードから引き落としました・・・云々と・・・!」

ちょっと!ちょっと!  ちょっと〜!

せっかく楽しい外国旅行に汚点が残ったじゃあ〜ありませんか!
妻は憤慨します。

確かに部屋では臭いがのこるようなことをしたのですがタバコではなかったのです。
妻と次男はニュージーの害虫の被害にあっていました。
ここ、アーミテージホテルも自然保護の観点からでしょうか、殺虫策を施していませんでした。
窓は大きく開き網戸もありませんでした。
妻は日本からキンチョウの蚊取線香を持参して部屋で使用したのです。
外国人スタッフにとっては部屋に残った蚊取線香の臭いが異臭に思えたのでしょう。
早速、クレジットカードを停止しますが、時すでに遅く200ドルは引き落とされることになっていました。
妻は手紙を書きます。
それも堂々と日本語で・・・
内容は、タバコは吸っていないこと!タバコのペナルティは間違いだという事!臭いの原因はキンチョウの蚊取線香で人害は無いという事!法律だからといって勝手にクレジットカードから引き落とすのは心外だという事!などでした。
それから10日してハーミテージホテルのフロントから日本人の声で電話がかかってきます。
内容は、私たちの手紙を受け取り読んだという事、その内容を十分に理解できたという事、臭いの原因がタバコではなかったことで200ドルのペナルティは解除しますという事、早急に私たちのクレジットカードに返金するということでした。
手紙で意見をちゃんと述べてみるものですね!
日本人は英語の文書に弱い点もありあすが相手の言いなりになるのはよくないことです。
一件落着、その素晴らしい理解力を示してくれたハーミテージホテルを出発したのが9時頃、私は一人フッカー氷河に向かいました。

ホテルから赤い線を歩く↑

早朝には山に虹がかかっていました。
植物を見るにはタスマン氷河に向かうよりフッカー氷河のほうが良いと言われています。
人の通らないブッシュを越え動物道を進みます。
そのうち人道に差し掛かりますが人の通らない場所を選んで自然観察をしてみました。
ここで奇妙な鳴き声に出くわします。
よく見ると大きな鳥が5〜6羽、草の根を掘り返しているではありませんか!
オオムの仲間、ケア(KEA)でした。
約10分間、じっと見とれていました。
私はかつてオオムを飼ったことがあります。
20年連れ添いましたが5年前に亡くなっています。
その他に草むらからテン?らしき動物がこちらを見ています。
ウサギはあちこちで見ることが出来ます。
ニュージーの植物、特に花は単調で白とか黄色の色のもの多いようです。
在来の花は花筒の短いものがほとんどで蝶のように花の筒奥深く蜜を吸うものは少ないと言われています。
それでも数種類の蝶がお花畑に乱舞しています。
@A種類くらいを追っかけて撮影するのがやっとでした。

マウントクックを見ながらお花畑を歩く

植物を見てみましょう。
ここのノコギリソウはピンク色をしています。
イチイの仲間でしょう、赤い実はかじると少し甘く美味しいものです。
アカネ科のナーテラという実に似た植物、シラタマノキ属=マウンテン・スノーベリーと思われる樹、ゴマノハグサ科のはげしい作用のあるジギタリス、ドクウツギ科のフェザリー・トゥトゥ、アカネ科=コブロズマの仲間、ツツジ科の草本=シラタマノキに似た種類@A、ナデシコ科=ハコベに似た花、花弁が5枚の名前の判らない植物、サルオガセの仲間(オールド・マンズ・ビヤード?)、その他分からない植物の花や実の類@ABCなどがあります。
マウントクックを見ながらお花畑を過ぎますと川に吊り橋がかかっていました。

最初の吊り橋

吊り橋は一人が通るのがやっと!
氷河湖から流れる水は濁流となり灰色をしています。
バラ科アカエナ属=ビディビット、花の落ちたキンポウゲ科=マウント・クック・リリー、キク科ケルミシア属=ラージ・マウンテン・デイジーとその花のアップ、キキョウ科クーレンベルギア属=ニュージーランド・ブルーベル、キク科のブタナに似た黄色い花、リンドウ科=マウンテン・ジュンシャン、同じくリンドウの小さな種類=花や葉が白いものヒカゲノカズラに似たもの、レンプクソウに似たもの、名前の判らない白や黄色の花など@ABCDE、・・
極めつけは岩に生えるキク科ウスユキソウの仲間=サウス・アイランド・エーデルワイス、これは綺麗でしたね〜!

サウス・アイランド・エーデルワイス

まだまだ分からない樹木や草本が沢山ありました。@ABC・・
私は本職ではありませんのでこれくらいにしておきましょう。
湿地帯の木道を抜け、フッカー氷河に向けて早足で歩きます。
午後2時までに家族の待つホテルに帰らなければなりません。

もう少し先に行くとフッカー氷河が見える

時計を見ながらようやく正午過ぎにフッカー湖に到着しました。
氷河の端は湖の向こう約一キロ先に見えました。
雪が降り、雪崩となって氷河の源に落ちたものは約500年して氷河の端で崩れ落ちると言われています。

氷河は1キロ先、望遠で撮影していますが人物との比較で大きさが分かります

あそこに浮かぶ青い氷塊は500年前に山頂に降りそそいだ雪が固まったて出来たものです。
氷河の上を降りてきた強烈な風が身体を圧す中で10分ほどスケッチしました。
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