薬王堂気まぐれ通信使bS16  2007・2・23
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

ニュージーランド5日目 2月23日・金曜日・ミルフォードトラック・ショートトレッキング
先日はダウトフルサウンドのフィヨルドの景観に圧倒されましたが今日はミルフォードトラック(拡大画像)に行くことにします。
テ・アナウのユースホステルに9時10分に迎えに来ると予約レシートには書いてあります。
日本人ですね。8時50分にはユースホステルの前で、未だか!未だか!と思いながら迎えのバスを待ちます。
9時10分、20分、未だ来ない・・・
9時30分過ぎ・・・何とか大型バスが迎えに来ました。
ニュージーランド時間だと次男は平然としていました。
それに乗り込みますが直ぐに旅行センターに到着、そこでミルフォードトラックをガイドしてもらうという一日コース・チケットを渡されます。
更に数人の予約者を前にミルフォードトラックのコース説明に入りました。
日本人は私たち家族の3人だけ、英語圏の人達が対象でしょうが早口の英語には全く付いて行けませんでした。
10時前、15人程度のグループとアメリカ人夫婦、それに私達3人を乗せたバスはダウンズの乗船地点に向かいます。
グループの言葉は英語でもなさそう?ドイツ語でもない?後で聞いたのですがデンマークからの人たちでした。
ミルフォードトラックで歩きながらグループの一人に質問しました。

Are you a German?

すると3〜4人のメンバーが一斉に・・・

No!、No!、No! ・・・

国が近いと色々大変そうです。
そんなわけでダウンズの乗船場に着いたのが10時半頃、いよいよミルフォードトラックに向けて出発です。
先着組みもいて船には約50名が乗り込みました。
ミルフォードトラックへの入場は一方通行で全て予約制、一日100人程度しか許可されません。
テ・アナウ湖の入り江の手前にある小島にクルスが立ててありました
何でも墓標ではなく、この地を訪れた先駆者が立てた標識と言っていました。
そのうちこんもりとした島が見えてきます。
そこで船長が船を停めてなにやら説明をしますが何が何やら?チンプンカンプン?
たまたま日本人の女性がガイドをしていたので聞きますと、この島に先住民マオリの人たちの暮らしの痕跡が残っているとか・・・
両側に切り立った山が迫るテ・アナウ湖を抜けて船はミルフォードへと進んでゆきました。
上陸地点に近づくにつれて自然は雄大さを益し岬を越すたびにパノラマ画像を見開いているような感覚になります。
1時間と少々経過したでしょうか!
上陸地点に到着です。

下船と同時に靴を消毒液に浸す!
ここでは下船する時に消毒液に靴を浸さなければなりません。
外部からの病原菌や種子などの持込を阻止する目的でしょう。
50名の乗船客は3班に分かれてそれぞれにトレッキングを開始します。
には一人のガイドがつきますがニュージーランド人の姉ちゃんの早口には全く付いて行けません。
それでも、これがクラウン・ファーンでこれがアンブレラ・モスだ!なんてのは何とか分かりました。
アンブレラとは傘のことですがそれによく似たコケという意味、つい私も知ったかぶりで傘のことを英語で言おうとしてレインボー・モスか?なんて言ったらレインボーは虹だから大きすぎると笑われてしまいました。
ミズゴケの仲間で蟹の手に似たクラブ・モスという種類、ドクウツギ科の有毒なトゥリー・トゥトゥの果実、シキミの葉に似たブロ−ド・リーフ、ランでは樹上のイースタ・オーキッド、(A)竹の葉に似たバンブー・オーキッド、それに地上に植わるグリーン・フッディッド・オーキッドサルノコシカケのある株など・・・
岩陰には日本でよく見るアカバナらしい植物やキク科の名前の判らない植物もあります。
花のアップをよく見るとアザミによく似ている事からキク科だろうと想像しました。
沢を登りきったところで昼食にします。
サンドイッチや果物を食べる中で我々は握り飯を食べました。

近くには地衣類の仲間、シダとコケの中間のようなファーン・モス?、シダではフェザー・ファーンボタン・ファーンチキン・ファーン?というもの、ヘラシダに似たもの、オオキジノオシダに似たものがありました。
湿度の高い森を抜ける手前に馬の蹄鉄が捨ててあります。
かなり古いもののようで錆びて朽ちかかっていました。
おそらくミルフォードトラックを発見し整備する時に資材などを運び入れた時に使われたものでしょう。
それにやや古い電話線の跡も確認しました。


吊り橋を過ぎますと右に川、左に樹林がある道を歩きます。
足元に見慣れた植物がありました。
日本のものより小型ですがウツボグサカゴソウのようです。
道のそばには、マーブルリーフ)、ブッシュ・スノーベリーペッパー・トゥリートゥイッギー・コプロズマの赤い実があります。
川の水は透き通るように透明で樹の陰に魚がいます。
途中、レッド・ビーチの大木のある茂みに入ります。
根元の周りは人が数人手を回さないといけないほどの大きさです。
樹齢約600年と聞きました。
そのうち視界が開けます。
太陽の光が差し込む低木地帯からウエットランドと呼ばれる湿地帯に入り込む木道があります。
沢山の湿地植物が目に入ります。

イヌドクサに似た植物、低木マツの種類、刺となった葉のモウンテイン・トウタラサルオガセの着いたセロリ・パインの樹、赤いモウセンゴケ小さなコケや植物たち・・・
ウェットランドは減少傾向にあると言われています。
これらの湿地は次第に乾燥して周りの低い樹が進入しています。
是非この湿地を守り続けようとニュージーランド政府は力を入れていました。
いくつかの説明板@ABCDが強い紫外線に色あせていました。
それからしばらく歩くとクリントン小屋があります。
そこで休憩をして今日のショートトレッキングは修了しました。
ここから先は4泊5日・約50キロメートルのミルフォードトラックコースが続いています。
将来、又来てみたくなりました。
樹上にはタカの種類でしょう、我々を見つめる鳥がいましたね!
人の存在を感じさせない世界!是非、守り続けたいものです。
空には一条の飛行機雲が・・・あそこにだけ人がいる!

ガイドを務めてくれた3人が仕事を終えた安堵感からか、船上からテ・アナウ湖に飛び込みます
さようなら、ミルフォードトラック・トレッキングコース
船から後ろを振り返るとここにもオッパイ山がありました。
ニュージーのそれはなんとなく尖っています。

テ・アナウのユースホステルに帰り今日の充実をワインを添えたビールで乾杯したというわけです。
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