薬王堂気まぐれ通信使bS09   2007・1・21
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

1月21日日曜日、早くも月末が近づいてきました。
気まぐれ広島人は去年のヒコビア450回記念大会からヒコビア付きまして集会に参加してみました。
今月は岩国の城山周辺です。

錦川に囲まれた岩国城

今回は吉野先生が担当です。
10時に錦帯橋の橋げた付近に集合し城山の植物について案内をしてもらいます。
岩国城は1608年に初代岩国城藩主・吉川氏によって築城されますが7年後には幕府の命令(一国一城制度)で壊されています。
徳川の世は厳しかったんですね!
近年になって城跡は復元され昭和30年代に天守閣は再建されました。
城山周辺は古生層で形成されていますが頂上付近には石灰岩地層があり城壁にも石灰岩が使われていました。
古生層は水を蓄える能力に秀でた地層だそうで様々な植物が生育するようです。
豊原先生からツバキの葉柄には毛が無くてサザンカの葉柄には毛があるという事を教わります。
山に入ってみますと先ず目についたのがシイモチというモチノキ科の樹木でした。
シイモチは神社や伐採されない樹林で見かけることがあります。
シイの葉に似たモチノキと言う意味でしょう。
よく似たツブラジイの葉(左)とシイモチの葉(右)を比べてみますと火を近づけた右のシイモチの葉が酵素分解を受けて変色しているのが解ります。
愛煙家の豊原先生のタバコの火で確認してもらいました。
同じ科のタラヨウに熱や傷で字が書けるのと同じ原理です。
シイモチには見事な実(♀樹)がなっていました。

シイモチの♀樹

その他にはミミズバイヤマモガシ・アラカシ・ヤマモモ・ツブラジイ(実)スダジイ(実)・リョウブ・アセビ・ソヨゴ・コバノミツバツツジ・ツクバネガシ()・コバンモチ・マンリョウ・クスノキ・タブノキ・カギカズラウラジロガシシラカシ・ヤブツバキ・カンザブロウノキクロキなどの樹木が見られました。
山頂付近では珍しいキミノタマミズキを見ることも出来ました。
タマミズキの実は赤い色をしていますがキミノタマミズキは赤の色素が抜けて実が黄色に見えます。

タマミズキ(左)  キミノタマミズキ(右)

親しい友人が何人が来ておりました。
シダ植物に詳しい松村さん
呉地区にお住まいの太刀掛先生、久藤先生など・・・
昔、シダを勉強しようと思い奮起したことがありましたが鑑別が難解なのにあきらめました。
今日も色々教わりましたが後で確認できたのは紹介するものだけで名前の分からないシダが数種類ありました。
特にナガサキシダは珍しかったですね。
私も今までに2度しか見たことがありません。
ホラシノブ・岩や屋根に生えるトキワトラノオ・前者によく似たコバノヒノキシダ・翼のあるイノモトソウ・翼のないオオバノイノモトソウ・葉に艶のないサイゴクイノデ・葉に艶のあるイノデ・ハカタシダよりも葉が軟らで根が匍匐するホソバカナワラビ・時に白い麩が入るハカタシダ・よく見かけるフモトシダ・大きな葉のオオバノハチジョウシダ・葉の先に子が出来るヌリトラノオ・大きな葉のクリハラン・小さな葉のヘラシダ・細い葉のシシラン・三枚の葉が三角に見えるオオハナワラビなど・・・広島にシダ植物は350くらいしかないから簡単に覚えられるという!
どうしてどうして!
20年前、仏通寺に行き名前の分からないシダを手に持って帰る途中、偶然にも竹田孝雄先生にお会いして見せたところ、そのシダが広島県では二番目に発見されたカミガモシダだったことにびっくりされていた顔が思い出されます。
その後、病に冒され私に相談に来られたことを昨日のように思い起こされます。
竹田先生は「広島県のシダ植物」という560ページの本を博新館から昭和61年に出版されました。
いい先生でした。
松村さんは竹田先生の第一弟子に当たります。
岩国城下ではツユクサ科のヤブミョウガが綺麗な青い実をつけていました。
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