薬王堂気まぐれ通信使bR94   2006・9月23日・24日
Yakuoudo Capricious Communications Satellite


ミヤマガマズミ

いよいよ日本の秋ですね〜
ミヤマガマズミの赤い実が季節を感じさせてくれます。
9月23日24日は広島県薬務室と広島県薬剤師会が主催し広島漢方研究会が共催する秋の薬用植物観察会が行われました。
私も薬草指導者の一人として参加します。
今年は三次と庄原の中間点=東の七塚で23日、西では24日に佐伯高校裏山で観察会が行われました。
七塚には150名が佐伯には120名の一般参加者が訪れました。
季節が同じですから双方とも似たような薬草を観察することが出来ます。
先ず、ゲンノショウコ
白い花やピンクの花もありました。
薬草観察会と銘打っていますがそのうち薬草か一般植物か区別はつかなくなってきます。
赤いミズヒキ、この花が咲いているのを確認するにはルーペが必要です。
早朝の露をまとったイヌトウバナ(シソ科)とキツネノマゴ(キツネノマゴ科)!
側にはシソ科のアキノタムラソウヒメジソがあります。
イネ科のチジミザサにも小さな花が咲いていました。
キク科のガンクビソウヒヨドリバナ、それに花頭を下げたキセルアザミ、花びらがまばらなシラヤマギク
ツルリンドウの花も今が一番美しい時期でした。
フユノハナワラビが胞子をつけていましたがシダ植物のこの植物は正確な鑑定が難しいですね。
近くの沼にはコウホネガガブタヘラオモダカが咲いています。
秋は果実けでなく、たくさんの花が咲きますね。

沼に咲くコウホネの黄色い花

観察会説明の時間に一人の質問者がありました。
その方が差し出した植物はタカサブロウでした。
タカサブロウにも外来種も含め数種類あります。
正確な同定は出来ませんでしたがキク科のタカサブロウには間違いありませんでした。

それで質問者が言うには
『田舎でこの植物を煎じて服用したら中耳炎でも扁桃腺炎でも何でもよく効くんで使っている!』・・・と、
田舎が何処だかわかりませんが広島近郊でしょう!
実際タカサブロウは中国でかなり有名な薬草です。
旱蓮草(カンレンソウ)とか墨旱蓮と言います。
中薬大辞典を見てみましたらこう書かれてありました。
余談ながら1980年頃に上海科学技術出版社で発刊された原版の中薬(葯)大辞典は一万円もしなかったのに1985年に小学館が日本語訳にしたら二十五万円の値になりました。
旱蓮草についてこの本ではこのように書かれてありました→
昔、日本では皮膚や目のただれをタタラビとか言ったそうでそれを治す草と言う事でタビラコとかタカサブロウと言う名前が出来たとされています。
タカサブロウは薬に用いられていたのでしょう。
特に止血作用に有効と記されています。
血尿にはタカサブロウとオオバコの青汁を服用するとか、結膜炎には煎じた汁で洗えばいいとか記されています。
インドでも軽い下剤や強壮作用のある民間薬として利用されているようです。
ホーム   一覧に戻る