薬王堂気まぐれ通信使bR34   2006・2・5
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

2月5日・日曜日、気まぐれ広島人はあまり行ったことのない場所に行ってこようと大竹市に足を伸ばしました。
この地区は平地のない岩だらけの山が続いています。
宮島の山もよく似ていますので同じ地層が東西に横切っているものと思います。
広島県・大竹市は小瀬川を境に山口県と接しています。
対岸は山口県・岩国市です。
A地点の小方港に着いたのが11時半頃でしたでしょう。
この時間から船に乗って離島に行くには遅すぎます。
地点に自然観察に行くことにしました。
何しろ山が迫り花崗岩の岩ばかりですから肥沃な土地とは言えないようです。
その中で見つけたものは、ツルグミの実タブノキの新芽ヘクソカズラの実シロモジの花芽ツルリンドウの実シリブカガシのどんぐりサルトリイバラの実などでした。
樹肌がやや黄色(バクテリアの色?)に染まったシリブカガシの樹はたくさんあるようです。
小川の支流に沿って登ってみました。
川の水はありますが下流は砂に吸い込まれて根無し川がありました。
水の中をじっと見ていましたら魚がいるようです。
あとで魚に詳しい方に質問しましたところタカハヤというコイ科の魚だそうです。
別名、ドロバエとも言われて釣りではよくかかる外道?だそうです。
流水ながら少ない水でこの寒さの中、生き抜いていくタカハヤに脱帽しました。


タカハヤ

それから少し後戻りしまして玖波(クバ)という場所から渡ノ瀬貯水池の方面C地点に登ってみました。
そこの道路標識に左山手に7キロ進むと谷和(ダニワ)と出ていました。
ずいぶん曲がりくねった高い場所に行く道のようです。
初めての道ですので行ってみましょう!
車で20〜30分くらい登りましたでしょうか?
標高で言いますと450メートルくらいの狭い場所に稲作耕地がありました。
水田は今、捕縄整備が施され機械類が導入しやすくなるようです。
民家も少なく辺鄙なところですが道路などの整備もされています。
D地点、民家の畑を見ますとある樹木が植えられていました。
シキミです。


農家の畑に植えられたシキミの樹↑


Illicium religiosum 、シーボルトが命名した学名です。
シーボルトは日本で見つけたシキミの学名に、religion=宗教でよく使われている樹と名づけたんですね。
これと同時に↓リンネも命名したことで学名が二つになっているへんな植物です。
Illicium anisatum L 、
これはアニスに似た香りのする樹という意味のようです。
19世紀の終わりにこの樹の実からシキミ酸が抽出されました。
Sikimic acid (=シキミ酸)は日本のシキミという樹名から名づけられました。
またシキミの実にはアニサチンという猛毒が含まれています。
宮島にはシキミの樹がたくさんありますが鹿や猿は枝葉を決して食べません。
モクレン科と覚えているんですが本によりますとシキミ科に当てているものがあり混同します。
これによく似た近い植物にトウシキミという樹があります。
トウシキミ=Illicium verum の実は八角茴香として中華料理の香辛料として用いられます。
実の形が非常によく似ていますのでかつてドイツに日本のシキミの実が八角茴香として流れ中毒した例があると言います。
トウシキミの花は赤く咲くようですが日本のシキミの花は黄色です。
今、トウシキミの実=八角茴香を原料にインフルエンザの特効薬とされるタミフルが生成されています。


E地点の流れ

その谷和からの帰り道、山道の各所で崩れ通行が難しくなっていました。
E地点では谷川に緩やかな水の流れが瀬戸内海を目指していました。

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