薬王堂気まぐれ通信使404  2006・12・10
Yakuoudo Capricious Communications Satellite


今日は厳島(宮島)の自然を紹介しましょう!
10日の午後3時過ぎ、宮島の玄関・小浦港から広島植物実験所まで太線の数キロをたどってみました
大鳥居を横目に見ながら↑真言宗大聖院を通って駒ケ林〜弥山への近道のある大元公園に出ます。
ここから南の路には観光客は入りません。
自動車が通れるように舗装はされていますがガードレールもない路です。
去年来た時より植物の名前を表示するプレートがずいぶん整備されていました。
管理者の熱意が伝わってきます。
先ず目に付きますのはイタビカズラ、クワ科イチジク属・雌雄異株の常緑蔓性の樹です。
実が切られていたので覗いてみました。
この樹は雌果(雌花嚢)のつく雌株でしょう。
この路のヒサカキやヤブツバキにはヒノキバヤドリギが寄生しています。

ヒノキバヤドリギ

日本のヤドリギ科にはオオバヤドリギ・マツグミ・ホザキノヤドリギ・ヤドリギ・ヒノキバヤドリギの5属がありますが広島県ではホザキノヤドリギ以外を見ることが出来ます。
ヒノキバヤドリギ(雌雄同株)をよ〜く見ますと節に果実があるのが分かります。
果実は熟すと中に粘着性の種子が出来ます。
何かの理由(他のヤドリギの実を参考にすると小動物が実を食べて移動させる?)で種は他の場所に移動して芽を出します。
環境がよければ発芽して成長するようですがほとんどは枯れてしまいます。
たまたまヒサカキの樹皮に付着して発芽しかけている種を見つけました。
種の大きさは一ミリほどですのでルーペがなければ見つけることができません。
宮島の自然林はジャケツイバラ・サルトリイバラタマミズキ・サカキ・クロバイ・トサムラサキイヌガシ・ヤブツバキ・シキミ・ウリハダカエデ・リョウブ・ネジキ・アセビ・カナメモチ・ヒサカキ・ミミズバイ・ヤブムラサキ・ハゼノキ・カゴノキ・ネズ・コウヤミズキ・ハネミイヌエンジュ・カンコノキ・クロキなどで構成され乾燥した頂上付近はコシダ群落にアカマツが多く生えています↓

雑木の茂る路を抜けると砂浜に出ました。
テリハノイバラハスノハカズラハマゴウ・それにレモンエゴマに囲まれてベニバナボロギクが咲いています。
鹿が食べない植物ばかりです。
広島大学理学部の宮島実験所まで足を伸ばして海岸から山に入ってみました。
林の路は落ち葉が積もった自然のままです。
峠から大野の瀬戸を見下ろします。
日も傾き海辺も暗くなりました
観光客とともに宮島を後にしました。


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