薬王堂気まぐれ通信使�ｂS０１　　　２００６・１１・１２
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

１１月１２日の日曜日、気まぐれ広島人は県北の吉和町・もみのき森林公園に行ってきました。
何があったのかって？
ヒコビア植物観察会の４５０回記念の集いがあったんです。
ヒコビア会を知らない人のために少し説明しましょうね。
今から５０年前、当時広島大学理学部教授だった堀川芳雄先生が民間の植物好きの方々と始めた植物観察会でした。
民間からは三上幸三氏(今年８５歳になる万年青年)、故･畑村氏などが創始者として含まれていたそうです。
三上氏によれば、広島県を中心に月一度の観察会をする！会費を取らない！その他などが発会の約束事だったようです。
それで今回も万年青年出席の知らせを聞いていたので電話してみました。

気まぐれ広島人：「万年青年！参加するそうだけど車で迎えに行こうか？」

万年青年：「昨日、体調が悪いので行かんと関先生に言った！」と・・・

関先生とは堀川教授の後を受け継いでヒコビア植物観察会を継続した関太郎名誉教授のことです。
万年青年＝８５歳になる身には秋の吉和は寒すぎたようでした。
私一人で出かけることにしました。
広島東インターから高速に入り中国縦貫道の長いトンネルを通って戸河内インター経由で吉和に向かいました。
乗用車で約１時間の道程です。
もみのき森林公園内には約７０名の参加者が集まっていました。
ヒコビア会において関太郎先生の後を継いだ豊原源太郎先生、それに関太郎先生が今日の講師です。
山は秋の装いでした。

森林公園になる前はブナとモミノキの大木が茂った森だったそうです。
辺りのブナの大木を切ってもみのき森林公園を造り上げたと説明がありました。
公園後は外来の植物なども入り込んで本来の自然とは言いにくい場所もあるとか･･･
参加者は関太郎先生の話しを聞きながら約６キロの山林を歩きました。
カバノキ科の樹木(クマシデ属)ではクマシデ・イヌシデ・アカシデがあります。
その他にはツノハシバミ(ハシバミ属)・ミズメ(カバノキ属=ヨグソミネバリ・アズサの別名。実、葉)がありました。
ミズメにはサリチル酸メチルが含まれサロンパスの臭いがします。
漢字では「梓」と書き「あずさ」と読みます。
腰が強いので昔は弓を作るときにこの木を使ったと言われています。
カバノキ属ですのでこの地方にある唯一のシラカンバの仲間だと教えてもらいました。
その他にはミカン科のキハダがありました。
関先生は傍にいた私を指名してキハダを説明することになります。
「え〜と！あう！あう！」とまでは行きませんでしたが・・・
生薬では、Phellodendri Cortexという樹皮を薬用にする黄柏(オウバク)だとということ！
主成分はベルベリンという苦味成分で日本では昔から胃の薬として用いられてきたこと！
皆さんが胃腸薬としてよく知る陀羅尼助(だらすけ)錠はこのキハダの煮詰めたものでリンドウとアオキが少し入っていること！
ミカン科の樹木だということ！
その他に植物ラテン名を、Phellodendron amurense といい、phelloはyellowの語源ラテン名だというようなことは場違いと思って喋りませんでした！ウフフ！
まあ、大学時代に植物化学や生薬学で習ったことを受け売りしたまでなんですが・・・
キハダは帰ってから実を切ってみました。
多分、ミカン科の果皮には油室があるはずだと思ったからです。
何とか油室らしいものが写っていました。
その他にはクスノキ科のアブラチャン・ダンコウバイ
ユキノシタ科のノリウツギ
ウルシ科のヤマウルシ
クマツヅラ科のムラサキシキブ
マツブサ科のマツブサ
ツツジ科のコバノミツバツツジ・ヤマツツジ
ブドウ科のサンカクヅル
ヤドリギ科のヤドリギ
カエデ科のコハウチワカエデ？
ブナ科のコナラ・ミズナラの樹皮の違いなどを教えてもらいます。
草本ではキンポウゲ科のサラシナショウマ
ゴマノハグサ科のミヤジマママコナとママ(種子)の意味
色々な事を教わりながら歩きました。
実は私は３０年前からのヒコビア会会員なんです。
関太郎先生の植物のお話しと人柄に魅了され会員になりました。
午後からの記念講演（会場の様子）でもプロジェクターに私の画像が何枚か映し出されました。
１９７７年１１月、極楽寺山での観察会(右側に高校の恩師=越智氏の横)

１９７８年１月、能美島で親友と共に
１９７８年１０月、三次の岩屋寺での観察会(画面左に４歳になる長男と)
このことは１１月１４日の中国新聞朝刊にも掲載されました。
取材を受けた私のことが新聞に載りました。

記事に間違いはありませんでしたが一つだけ気になる記載がありました。
「気まぐれ広島人・５１歳！」
私の希望掲載年齢は４５歳なんです。

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