薬王堂気まぐれ通信使bR97  2006・10・15
Yakuoudo Capricious Communications Satellite


有留地区

10月15日の日曜日午前中、依頼によりまして地元府中町の自然を見て薬草に親しむ会に行ってきました。
毎年2回のペースで3年も続けているイベントです。
参加された皆さん美しい方ばかりでしたのドキドキしました。

午後から鷹ノ巣山方面に行くことにしました。
標高922メートルもありますが広島市内で我が家から車で1時間もかからない距離にあるのが嬉しいですね。
時期的に遅いかな?と思いましたが掲示板に九州のハナカズラ(トリカブトの一種で絶滅危惧種)の画像を入れてくれた方がいましたので広島県のトリカブトを見たくなりました。
広島県には二種類のトリカブトがあるとされています。
サンヨウブシとタンナトリカブトです。

タンナトリカブト

レイジンソウがあるとも言われていますがはっきりとは分かりません。
鷹ノ巣山でのタンナトリカブトは20年位前に初めて見ましたがその後、山が荒れて生育環境が悪くなっているようです。
途中、ママコナの群落やハッカノダケヒガンマムシグサと思われる赤い実・畑ではハブソウが栽培されていました。
ハブソウは近縁のエビスグサと間違いやすいので気をつけてください。
エビスグサの実を決明子(ケツメイシ)と呼び実の形はひし形でハブソウ茶とかハブ茶として市販しています。
植物名としてハブソウ()と呼ばれるものは中国名=望江南(ボウコウナン)で実の形が丸いのが特徴です。
エビスグサの葉の先は丸く、ハブソウの葉の先は尖っています。
側で動物の動く音がします。
なんだろうと音の方に行きますと捕獲用の罠に鹿がかかっていました。
これも運命だろうとそっとその場を離れました。
最近は鹿の姿をあちこちで見かけます。
数が増えているのでしょう!
昔、タンナトリカブトを確認した場所よりも少し手前で青い花を見つけます。
タンナトリカブト↓のようです。

タンナトリカブトの花

それから藪漕ぎをして昔、群生していた場所に行って見ましたが時期が遅かったようです。
それに周りの木々が大きくなって日が射さなくなっていますので数は減っているでしょう。
じっと目を凝らして地面を見ていますと枯れた葉がわずかについたトリカブトの茎があるのに気がつきます。
一株、掘らせてもらいました。
今年の茎を付けた母根の烏頭(ウズ)と、側根を伝って大きくなった附子(ブシ)がありました。
附子とは来年に芽を出すために準備された子根です。

タンナトリカブトを掘ってみたところ

皆さんもよく知っているようにトリカブトにはアコニチンやメサコニチン・ヒゲナミンなど毒性の強いアルカロイドが含まれています。
しかし生体反応の低下した身体の冷える症状に少量使うと血管が拡張されたり心臓の働きが盛んになって痛みが軽減され身体が温かくなります。
量を多く用いますと運動麻痺や知覚麻痺、痺れ、吐き気、涎が出るなどの中毒症状が現れます。
素人の取り扱いは厳禁されています。
昔、四国でトリカブトの葉の汁を少しなめたことがありましたが舌に強い痛みを覚え、汁のついた場所がしびれたことを思い出しました。
その前にも薬用のトリカブト(附子)を少量煎じて服用したことがありますが胸がバクバクしたこと、人には勧められません。
標高・500mくらいから生育可能なのでしょう、我が家に最も近い場所でのトリカブトでしたが美しい花が咲くものですね!
山頂に近い側道にはセンブリが白い花をつけていました。
福富町・竹仁に降り志和堀盆地の見える高台から夕日を見ました。
明日もきっといい日になるでしょう
(壁紙に使っていただけるように大きくしています。画素数は少ないですからよろしければ取り込んで壁紙にお使い下さい!)

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