薬王堂気まぐれ通信使 311   2005・8・2
Yakuoudo Capricious Communications Satellite


深江地区南方に位置する釣附海岸↑

かつて、そう、50年も前のことでしょうか、気まぐれ広島人はこの海岸を訪れたことがあります。
誰と一緒だったかは覚えていないんですが歩いて渉れる島の上に数本の松があったこと、そして海流があって足の下は真っ白い砂で覆われていたことを覚えているんです。
そんな場所に先日友人と行ってきました
去年の台風のせいでこの浜に通じる道は寸断され人は誰もいませんでした。
途中、たくさんの生き物を確認します。

それはそうと、何故今回この場所に来たかと云いますと先日の中国新聞でカブトガニが久しぶりに見つかった!という記事を見たからです。
そのカブトガニは旧深江小学校にある大柿自然環境館に保護させていると聞きました。
8月になると見つかった場所に放すと聞きましたので是非その前に見せていただきたい!と申し出たわけです。
私が十代の頃、友人が猿候川の下流でカブトガニを見つけて学校に持ってきたことがあります。
地域の古老によれば昔はいたるところで見ることができたと言います。
海底にいるカブトガニは底引き網を絡ませ食用にならないことから漁師に嫌われたと聞きます。
それでも地区によれば産卵をまじかに控えたカブトガニの腹から卵を取り出してキャビア風に食べたとも聞きました。
タイ辺りでは食用にする地域もあるそうです。

捕獲され調査のためにマークをつけられたカブトガニ↑
環境館にいたカブトガニは大きな個体でした。
15年生の最終脱皮を済ませた雌だそうです。
これからどれくらい生きるのか分からないそうですが長生きのもので30年くらい生きるらしいです。
最終の脱皮をするまでは雌雄の特徴が甲羅に両方あって判別が困難だそうです。
最終脱皮後では頭部の湾曲があまり認められないのが雌、U字型に湾曲するのが雄だそうです。
それにエラの付く下の甲羅に3本の長い突起があるのが雌、6本の突起が満遍なくあるのが雄と聞きました。
甲羅を観察しますと3箇所、4つの目があるのが分かります。

4つの目
これらの目は複眼で出来てると聞きました。
@とAの目は分かりましたがBとCの目は非常に小さくて拡大しないとわかりません。
おそらくBとCの目は明暗を識別するくらいしか出来ないだろうと言われています。
それにしても原始的な節足動物です。
新化の過程では少し前にクモ(蜘蛛)類が枝分かれしています。
裏返しにして見せてもらいました。
丸かったり尖ったりするばかりで、ほとんど食べれるところは無いようです!
口に物を運ぶものも合わせて足は6対あるのでしょうか?

カブトガニの腹側↑
8月に入ってから江田島湾の生息地に放流したとニュースで聞きました。
長生きしてくださいよ!

そうそう、自然豊富な釣附海岸付近に戻りますが数種類めずらしい生き物がいましたので紹介してみます。
先ずはメダカラガイの貝殻がありました。
これはタカラガイの仲間で瀬戸内では珍しいと聞きました。
昔、中国では貨幣の代わりをしていた種類です。
メダカラガイの内側↑
それにウニの仲間のカシパンが多くありました。
カメノテヒザラガイ、カキ、ケガキもあります。
砂浜ではアマモ、コアマモが見られます。
ホソウミニナが無数に生息しています。
植物はソクズ(クサニワトコ)があったのが印象的でした。
こんな自然が何時までもあり続けてほしい・・・そんな気持ちで浜辺を後にしましたが、気まぐれ広島人は昼過ぎから人の前でお話しするという難題も抱えていたのです。

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