薬王堂気まぐれ通信使bQ86   2005・1・30
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

山口県大畠瀬戸に架かる大島大橋↑
月曜日から土曜日まで部屋で仕事をしていますと休日は外出したくなります。
予定はないのですがどこに行こうか週末くらいから考えはじめます。
昨日は山口県周防大島(すおうおおしま)に足が向きました。
大島の中を移動しないといけませんので自家用車で出かけることにしました。
廿日市インターから山陽自動車道に入り玖珂インターで下車します。
自宅から大島大橋まで約1時間半かかりました。
満潮前の大畠瀬戸では広島湾に注ぐ激流が橋げたにぶつかって轟音を発していました。

目的は特にありませんでしたが大島から出る前島や浮島に行けたらと思いました。
最近は離島づいているんです。
沖でナマコを引く底引き船を見ながらのんびりと橘町・土居(どい=★)に入りました。

のんびりとナマコを引く底引き船・土居の前辺りで↑
午前11時50分、離島に行く数少ない便船には遅すぎました。
この浜(白鳥ヶ浜)には何度か来たことがあります。
土居神社周辺の植物を見た後、土居の日良居漁港に立ち寄ることにします。
そこでナマコの加工場を見せてもらいました。

捕ってすぐナマコの卵巣(コノワタ)を採集しているとこと↑
今年はナマコ(海鼠or海参)の収穫量が例年の半分以下だそうです。
加工場の河本水産女主人は海水温度のせいか環境異変のせいではないかと心配していました。
それでもナマコの一杯入った生簀の前では海鼠腸(コノワタ)を取り出す作業が行われていました。
ナマコは中国では強壮的に!美肌効果!にと珍重されます。
卵巣のコノワタは日本で消費され塩辛にして出荷されています。
どちらも高価に取引されるとのこと・・・
あつかましくも仕事場を見せてもらいました。

手前は生ナマコを袋詰めにしているところ、奥ではコノワタをきれいにしている↑
取り出されたコノワタは先ず塩水で洗われます
それから団子状にされ水分を除きます
これからが大変でした。
室内の職人さん数名がコノワタに付着するゴミや不要な部分を取り除くんです。
コノワタの美味しいこの時期は寒く蛍光灯の下で大変な作業です。
ナマコの一部は切られて袋詰めにされ出荷されていました。
で、その他の内臓を取られたナマコは熱湯に入れられてゆでられるんです。
『これはどうするの?』と聞きましたら半分は外国に、残りは国内の中華街に出回るんだと言います。
ゆでられたナマコは近くで天日で乾燥され海鼠・海参として出荷されるのだそうです。

干しナマコを作る前に熱湯でゆでる↑
熱々のナマコを取り出して見せてもらいました。

熱々のゆでられたナマコ↑
しかし人はこうまでしてナマコを食べないといけないんですね〜
私がご幼少の頃、ナマコが海岸の砂浜に打ち上げられ犬のウンコのように転がっていたのを思い出します。
あれから50年、瀬戸内海の砂浜でナマコを見るようなことはありません。
自然が壊れているような気がします。
湾内でも、岩陰でも、藻の中でさえ海の生物が少なくなっています。

近くではキク科のオオジシバリツワブキが咲いていました。
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