薬王堂気まぐれ通信使bQ60  2004・7・21
Yakuoudo Capricious Communications Satellite


ハクサンシャジンの咲く7月の摩周湖↑

18日から20日まで北海道の旅に出かけていました。
18日午前8時過ぎ広島空港から羽田に飛び、飛行機を乗り継いで女満別空港(A)に正午前に到着しました。
妻と次男を伴った気まぐれ広島人=誕生日割引での小旅行です。
場所は知床半島を中心とした7月の北海道東北地域です。
実は30年前、私は一人でこの地区に旅行に来ています。
その時は鍼灸学校を卒業し、お世話になった医院を退職した1975年の4月上旬でした。
札幌まで飛行機で飛びそこから一晩かけ夜行で斜里町に行きました。
宿泊は斜里町からバスで知床半島のウトロという小さな町でした。
雪の残るウトロの民宿で3日すごしました。
一日だけ私以外の宿泊客がいたように覚えています。
当時はまだ知床半島がいまのようににぎやかな時期ではありませんでした。
私が初めて患者を診たのはここの民宿の主人でした。
足と腰を治療し、お礼は軒先に吊るされた二匹の新巻シャケだったことを思い出します。
私はその時にスケッチブックを持っていました。
3日間、近くを歩き回ってスケッチをしたんです。
オロンコ岩、ウトロ漁港、知床の山並み、三角岩、雪の木々などをスケッチしました。
一日は知床五湖の近くまで雪の中を走破し目の前に見える知床の山々を画きました。
雪は深く誰も来ない知床の山中でヒグマに遇わなかったのが不思議なくらいです。

30年前の記憶はほとんどなくなっています。
民宿の名も主人の顔も忘れました。
でも主人がオロンコ岩がきれいに見える場所があると教えてくれました。
その場所に今回行ってみることにしたんです。
スケッチするために登った小さな岩山は誰も来ない荒れた場所でした。
山の上でどこの場所だったかも忘れていました。
息を切らしながら眺めの利く2〜3箇所からオロンコ岩を撮影してみました。
その一箇所がスケッチと照らし合わせてみて判明したんです。
ここでした。
30年前のオロンコ岩と今のオロンコ岩
港から見えるオロンコ岩と三角岩も画いていました。
岩山の場所はあまり変わりませんが付近の状況は一変していました。
三角岩の頂上は少し滑落して削られています。
有ったはずの岩や灯台も消失していました。
海水が侵入していた場所は埋め立てられ無い筈の防波堤が造られています。
近くには大きなホテルが出来ていますし知床半島を回る遊覧船の出発基地にもなっていました。
30年の年月はこんなにも変化をもたらしているんだな〜と感じつつ今日の通信使といたしましょう。
30年前のウトロ港と今のウトロ港
あちこちの植物は面白かったんですが今度また紹介することにします。
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