薬王堂気まぐれ通信使bQ08   2003・6・15
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

皆さん!こんばんわ・・・
私は今やっとパソコンに向かいましてキーボードを叩き始めたところです。
ただ今、夜中の11時です。
30分ほど昨日の植物観察会のことを思い出しながら通信使を綴ってみましょう!

土曜日(14日)と日曜日、広島大学医学部・薬用植物園の神田博史助教授がプロデュースし吉和村(今年から廿日市市吉和町)が協力するシンポジュームに参加しました。
日本全国から医薬学・生薬学・植物学関係のエキスパートが集うと聞きます。
今回で9回目ということですが私は始めての参加です。

土曜日は午後6時まで仕事をし、それから車を飛ばし県北の吉和に着いたのが7時半でした。
講演会はすでに終了し会場の『魅惑の里・ふれあいの館』では懇親会に入っておりました。
その会場でビール瓶と大きな顔を二人で比較しているのは関太郎先生と気まぐれ広島人です。

地域の伝統神楽が上演される中、私は夕食と地酒に満足して早々に宿屋に帰り眠りにつきました。
次の日、朝5時半に目が覚め早朝の村をうろつくことにしました。
宿は中津谷という田植えの終わったばかりの田園が広がる集落(↓)に有ります。
画像正面の霧に霞む中津谷渓谷は熊が多く住む場所でもあります。
日曜日はこの谷で植物観察が行われました。

植物の指導に当たる面々はその道のプロばかり、その中に我が友、万年青年も含まれていました。
私は有名な植物学者であり広大名誉教授でもある関太郎先生と行動を共にしました。
一木一草、眼に入る全ての植物に和名とラテン名を書いて解説を加える学者には、ただただ驚嘆するばかりです。
その関先生もフシグロセンノウの表示を間違え側近の気まぐれ広島人が指摘した時には微かな喜びを感じました。
吉和で確認した植物の中から印象に残ったものを画像で紹介してみましょう。
まず、珍しいものでガガイモ科のツクシガシワ↓の花が咲いていました。
何度か見たことがありますが小さいながら綺麗な花です。

ランの仲間ではショウキランが咲いていました。
花の形が鐘馗=ショウキさんの帽子に似ていることから名付けられました。
木本ではホオノキ↓に花が咲いています。
ホオノキの樹皮は咳止めなどの漢方薬=厚朴として用いられます。

ハスノハイチゴは白い実をつけています。
この実は食べる気になりませんね〜
食べて美味しいのはたわわに実るナガバモミジイチゴの実。
斜面にはウワバミソウ↓が群生しています。
私はこのウワバミソウを片手で握れるほど採取して帰りました。
イラクサ科の植物ですが食用になるんですよ。

ウワバミとは大蛇のこと!この植物が生育するところには蛇がいるからと覚えていましたがそうではない事を関太郎先生から教わりました。
上方落語に『そば清』と言う演目があり、その話の中で大蛇が飲み込んだ人間を消化するのに薬にしていたのがウワバミソウであった!というような内容です。
家に持ち帰ったウワバミソウのごま油炒め↓を紹介して208号気まぐれ通信使とさせていただきます。

そのほかの植物ではオオナルコユリツルアジサイサンカヨウオオモミジガサキハダの花ヤグルマソウハンショウズルなどがありました。

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