薬王堂気まぐれ通信使bQ03   2003・5・5
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

皆様!ゴールデンウィーク如何お過ごしでしたでしょうか?
私?
気まぐれ広島人は一人ぶらりと旅に出かけてきました。
せっかくの大型連休です。
家庭を忘れ、仕事を忘れ、愛する妻を時々思い出しながらの気ままなドライブでした。
行き先は四国・高知県・横倉山・牧野富太郎植物公園・石鎚山系 瓶ケ森(かめがもり)↓です。

宿?全く予約せず。2泊3日の行き当たりばったり珍道中!
何とかなるでしょう!宿が無ければコンビニで食事して車中で寝ればいい!
第一日目は横倉山に登りました。
夏に来たことはありますが春の横倉山は初めてです。
なぜこの山にこだわるかは今から説明してゆきますからね。
今回は少々長くなるので読みたくない人はここらで寝てください(^o^)。

つまり、横倉山をこよなく愛した土佐出身の植物学者・牧野富太郎博士に会いに行っ
たんです。
私にとりまして牧野植物園は聖地のような憧れの場所なんです。
横倉山でヨコグラツクバネナンカイサラサドウダンの花を見て喜んで下山したのはいいけれど当地(越知町)の宿屋は連休とあって予約で一杯。
仕方なく数十キロ離れた高知市に行くことにしました。
JR高知駅に着いたときにはもう辺りは真っ暗、旅行案内サービスセンターの前は一夜の宿を求める人達で行列が出来ていました。
私も並んで、数十分後やっと受付に到着、寝れればどこでもいい!という条件を言いましたら高知駅から更に10キロくらい先、南国市に一軒民宿が空いている言います。
食事なし!トイレ共同!共同風呂付で一泊四千円と言います。
迷わず、『そこに決めた!』と一言・・・
第一日目は何とか畳の上で寝れましたよ!
次の朝は7時に宿を出発して桂浜が見える黒潮ラインの砂浜に行ってみました。
流石は太平洋ですね。
背後に四国山脈、眼前に広がる大海原、土佐人気質はこうゆう環境で育ったのかと!
少し納得しました。
大きな波の寄せる砂浜にはハマヒルガオ↓が咲いていました。

そこから念願の牧野植物園に行きました。
午前9時に開館です。
正門から会館入り口までの約30メートル、両側に色々な珍しい植物が植えられています。
その植え込み植物に気を取られ30メートル進むのに一時間半も費やしてしまいました。
結局、牧野植物園に午後1時までいたんですが全園の半分も見られませんでした。
会館内には牧野富太郎先生も居られました。
館内撮影禁止と言われていましたが監視員の目を盗んで何とか後姿だけ撮影させていただきました。
牧野先生に声をかけましたが植物観察に熱中してたのか返事はありませんでした。

ここに来た目的はもう一つあるんです。
そう、この五台山・牧野植物園にはもう一人憧れの人の記念碑が有ったんです。
私の漢方の師匠であり同郷の好から牧野富太郎先生と親交のあった↓大塚敬節先生の記念碑です。

今から30年以上も前、私は漢方に対する情熱だけを頼りに大塚医院に入門をお願いし許可していただきました。
当時から異端の気まぐれ広島人でしたので師匠も迷惑したことだろうと想像できます。
それでもずいぶん可愛がっていただきました。
矢数道明先生※の文章で綴られた大塚敬節先生の石碑は園内、土佐の田園を見下ろす薬草園の中腹にありました。
横に敬節先生が詠んだ歌碑もありました。

『術ありて 後に学あり 術なくて 咲きたる学の 花のはかなさ  大塚敬節』

◎(東洋)医学は理論も大切だが、古くから受け継がれた経験や、説明の難しい術の医学でもある!と私は解釈しています。
大塚敬節先生のおかげで現在の私が在ります!ほんとうにお世話になりました。

牧野富太郎先生と大塚敬節先生にお別れをして石鎚連山・瓶が森(標高1896メートル)の山小屋に到着したのは夕方の7時すぎ、
予約もしないでひょっこり現れた気まぐれ広島人に山小屋のばあさんも呆れ顔!

一夜の宿を懇願したという次第です。
山菜料理がメインの食事ですがこれが美味しいんです。
しかしここの冷え込みは半端じゃあありません。
布団一式は貸してもらえるんですが冷えるときには持ってきた衣類全部を着て寝ても体の芯から冷えてくる・・・そんな場所なんです。
ここ瓶が森ヒュッテの主人は6年前に89歳で亡くなり、年をとった奥さんが一人で切り盛りしています。
私は東京から帰って登山したこの山の魅力にとりつかれ25年間通い詰めています。
今までいろんな人と登りました。
誰と登ったか?少し思い出してみましょう。
初めは同年輩の小島育郎(株=小島漢方)と登ったのがきっかけです。
その後、広島漢方研究会の山本京三先生、現薬剤師会会長の前田、沖縄の玉城君や徳元君、親戚の洲崎理君、妹夫婦と甥、私の家族とも何度か登りました。その他、甄さん、ジュリアン、デブィト、その他大勢・・・・
30回以上は来ています。
頂上には可憐なヒメイチゲが人目を避けるように咲いています。
途中、私だけが知っている場所に今年もクマガイソウが咲いていました。
そんな瓶が森、今日5日、下山途中ではアケボノツツジが満開でした。

※大塚敬節先生と共に昭和の漢方復活に力を注がれた医師

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