薬王堂気まぐれ通信使№776  2017-11-5
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

11月5日(日曜日)今日は広島県と島根県の県境に行くことにしました。
一週間後にある東京での講演(東京漢方教育研究センター)のために資料を採集しておこうと思ったからです。
朝、8時前に自宅を出発し中国自動車道に入ります。
戸河内インターまで1時間、そこから三段峡の交差点を右に行き朝日を見ながら松原を過ぎ深入山の見える道路から恐羅漢山に通じる道に入ります。


朝もやに包まれた広葉樹の山肌は荘厳で奇麗なものでした。


奥三段峡の山並み

50年前、この辺りに来たことがあります。
当時は荒れた道ながら農家が所々あったことを覚えています。
道を引き返し人造湖ではありますが聖湖(ひじりこ)周辺を通ってみました。
ここも綺麗でした。


聖湖湖畔


丁度、紅葉の真っ盛りで走る車の後ろに落ち葉が舞います。
湖面は穏やかで鏡のようでした。
聖湖から芸北町(北広島町)に入ります。
戦前から戦後にかけ、この辺りは交通の不便な地域で、広島駅からバスで半日以上をかけてやっと来れる場所だったそうです。
今は2時間もあれば来ることができます。
牧野富太郎博士が絶賛した芸北町の山々と平原、そして尾崎沼の周りは晩秋の気配が漂っていました。


尾崎沼


沼の周囲を昨日、数人で草刈りをしたから音では山奥に入っただろう!と地域の人が教えてくれます。
コウホネ(川骨・河骨)の茎が湖面に漂っていました。


ミヤマガマズミ


ミヤマガマズミ
ウメモドキ
キセルアザミ
ビッチュウフウロ(紅葉)
などなど・・
もう冬支度のようです。
臥竜山のふもとにも行ってみます。
ヤドリギ
マムシグサ(実)
キハダ
エゾユズリハ
ナナカマド(実)
ツルウメモドキ
コマユミ
シオデ
オトコヨウゾメ
サワフタギ(青い実)
マタタビの実が何とか下がっています。
サルナシの蔓と交差してどちらのものか判断しかねます。
茎を割って比較してみました。


サルナシの実は食べられたのか無くなっています。
アカトンボが羽を休めていました。
この民家の屋根も12月になると雪で覆われることでしょう。
芸北を離れ県境の大佐山まで行ってみました。
40年前、8年間、この峠を越えて浜田市まで通ったことがあります。
広島バスセンターから約4時間かかっていました。
そこから引き返し才乙(さいおと)地区に行ってみます。
才乙村はスキー場が出来てにぎわっているようです。
温井ダムを目指しますが交通止めがあり迂回路を通りました。
温井ダム下流で以前見たことのあるトチバニンジンを探しました。
7月23日に見たときには実がついた株でしたが3か月以上経った今、発見するのは無理と思われました。
確かこのあたりだったような?と見回すと木の枝にもたれかかる枯葉を見つけます。
ゆっくり掘り進みます。
10年根のトチバニンジンでした。


トチバニンジンの根


左端に肥大根(貯蔵部)があります。
露頭部(竹節部)と肥大した根は細いながら繋がっています。
オオツヅラフジも採集します。
加計の町を過ぎ広島に向かいます。
カギカズラを採集しようと湯来地区を目指します。
途中、コーヒーの美味しい喫茶店に立ち寄ります。
30年以上続いたこの店は5日前に閉店していました。
もう少し通いつめれば良かったかもしれません。
天井から数々のハーブを吊り下げた洒落たお店だってのですが残念です。
湯来町・麦谷を越して魚切ダムあたりでカギカズラを採ります。


カギカズラ


カギカズラも資料といたしましょう!
帰路、漢薬の木通として使われるムベの実を採りました。
いろいろ採集しましたね。
11月12日の講義では植物を見ていただくことで皆様に喜んでいただけると思います!

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