薬王堂気まぐれ通信使№775   2017-9-18
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

9月18日に「薬草に親しむ会」が開催されました。
主催は広島県、及び広島県薬剤師会で今回は東広島市が協力し広島大学・東広島キャンパス横の鏡山公園で行われました。
今回で52回目を迎える「薬草に親しむ会」ですが私は協力団体の広島漢方研究会の代表として講師を務めました。
私を含め7人の講師が居ましたので、一チーム=20~30名になり約150名の参加者を案内いたしました。


鏡山公園とは戦国の世(1500年前後)に鏡山城がここにあったということから名前となったようです。
1500年当時、日本各地では領地の奪い合が繰り返され、現在の山口県を勢力源とする大内氏が鏡山山頂に出城を建てたと言われます。
大内氏の敵対勢力は島根県を勢力源とする尼子一族だったそうで地域の有力者はどちらに加担するかで家運が左右されていたらしい。
有力者の一つに毛利家があって尼子側にたって戦ったらしいのですが最終的には反旗をひるがえしたとか・・
大内氏は1551年、家臣の陶晴賢(すえはるかた)に裏切られ滅びます。
陶晴賢はその後の1555年、厳島において毛利元就軍に破れ自害します。
その後、毛利家は勢力を伸ばし太田川下流に広島城を建立するまでになりますが1600年の関ヶ原の戦いで負け組となり領地を没収されます。
その時代に生まれてこなくて良かった!!


会に先立って鏡山城跡に登ってみました。
先日の台風一過もあり山道には落葉が目立ちました。
クリを拾いながら登山します。
標高400メートルを切る小高い山ですが勾配はきつい山でした。
下のダバ中のダバ馬のダバと頂上にある天守(御殿場)の周りに人工的な平地があります。
平地には5か所の井戸跡があります。
覗いてみると周囲に丸い石を積み重ねた井戸で7~8メートル下は枯葉で覆われているようでした。
落ちたら自力では這い上がれそうもありませんでした。


頂上付近から東広島中央部が見渡せます。


落葉を観察し道すがら気が付いた植物は・・

アオハダ
タカノツメ
コシアブラ
クロキ
ヒサカキ
サカキ
アラカシ
シラカシ
コナラ
サワフタギ
クロモジ
ネズミサシ
アベマキ
ヤブツバキ
ソヨゴ
アカマツ
イヌザンショウ
オオバヤシャブシ
ヒメヤシャブシ
ネムノキ
ヤマグワ
クリ
アカメガシワ
ヤマウルシ
ヌルデ
ウリカエデ
ウツギ
エゴノキ
クロモジ
ナツハゼ
コバノミツバツツジ
ミヤマガマズミ
タラノキ
カクレミノ
ネズミモチ
ミツバアケビ
アオツヅラフジ
ウラジロノキ
カマツカ
ヤマガキ
ネジキ
ツクシハギ
など・・

草本系では

サルトリイバラ
ヒカゲイノコヅチ
ノビル
サンヨウアオイ
ニッポンイヌノヒゲ
ジュンサイ
オオバコ
ヒシ
ミズヒキ
キンミズヒキ
ヨウシュヤマゴボウ
ガマ
ヤマノイモ
カエデドコロ
ヒヨドリバナ
ススキ
ササクサ
ヒトツバ(シダ植物)
・・・
などが目につきます。

鏡山公園で見られる薬に関係する植物の一覧表を作成してみました。


※ 漢名・別名にはあいまいな点もありますのでご容赦ください。

効用も突き詰めればいい加減な箇所がありますのでそのつもりで見てください。
2時間の薬草観察の後、広島大学の校舎に移動して各講師からの説明がなされました。
私は一覧表を利用して話しました


壇上で話をする筆者!


空いた時間に広島大学の校内を歩いてみました。
昨日の台風の影響でしょう、池は濁っていました。


広島大学校内


敷地は広くマツタケの生える松林を抜けてキセルアザミサワシロギクの咲く沼を見て楽しみました。
そうそう、ヌルデにたくさんの虫こぶが出来ていました。


ヌルデの葉に出来たヌルデシロアブラムシの虫癭


乾燥させると五倍子ができます。
タンニンを主成分とする虫こぶは五倍子という名前で市場に出回りお歯黒や皮なめし、インクづくりに利用してきたそうです。
かつては薬用にも利用された五倍子です。
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