薬王堂気まぐれ通信使№762  2016-11-6
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

久し振りに妻とドライブに出かけます。
場所は島根県雲南市の海潮温泉、


数年前に尾道から松江に通じる松江自動車道が開通し時間が短縮されました。
山陽自動車道を三次まで走り三次東インターで松江自動車道に入ります。
高野町インターで途中下車しけんちん汁で体を温めて一本200円の大根を買って島根県に入ります。
この辺りは高所で山は紅葉していました。


運転は交代でするので楽です。
目的場所に到着します。
ここの温泉旅館は日本秘湯を守る会のメンバーのようです。
源泉かけ流しの湯を求めて時々出かけるようにしています。
露天風呂は広く、いい湯加減でした。
湯の中にどんぐりが落ちています。
よく見ますとどんぐりを支えるキャップの先端部分が三つに割れています。
これはスダジイでしょう。
その他にもムクノキらしい木がありました。
ゆっくりと温泉を楽しみました。
午後2時前まで旅館で過ごし、近くのそば屋に入ります
先ずは温かい出雲そばをいただきます。
次に割り子そばを注文します。
これは冷たいそばなんですがつなぎをほとんど感じなく美味しく思いました。
思っていたより量が多く満腹になりました。
道すがらにリンドウが咲きが生っていました。
アキチョウジが満開です。


アキチョウジ

シシウド


シシウドが種をつけていました。
少し本で調べたことを含め記述してみましょう!
シシウドはセリ科植物のシシウド属=Angelica の植物です。
ラテン名は、Angelica pubescens とされています。
Angelica とはエンジェル(天使)の、という意味。
ラテン名の、pubescensは、pubes=陰毛・陰部という意味があり、pubescensで思春期になった!という意味があるようです。
牧野冨太郎植物図鑑にはシシウドのことを、Angelica polyclada(多くの小枝)と表記していて花や実の付く状態を見ると意味がよく分かります。
Angelica pubescens を直訳すると天使の陰毛となって意味不明ですが細いものが多いとすれば理解できるかもしれません。
漢方ではシシウドを含む近縁種の根を唐独活(シシウドの根)として局外生規の医薬品としています。
江戸時代には中国からの独活に相当する植物が無かったのでウコギ科のウドを用品として独活に当ててきました。
日本薬局方ではウドを独活(和独活)として医薬品扱いにしています。
Angelica の仲間には、ノダケ(前胡)、トウキ(当帰)、イヌトウキ、ミヤマトウキ、ヨロイグサ(白芷)、トサボウフウ(土佐防風)、シラネセンキュウ、アシタバ・・など、薬用に関係がある植物がたくさんあります。
独活の配剤される漢方処方では、荊防敗毒散、清上蠲痛湯、独活葛根湯、独活湯などの一般漢方製剤に加え第2類医薬品の独活寄生湯などが製品化されています。
それにしてもウドとシシウドは全く違う科の植物です。
それを同じ名前の薬用植物に割り当てるのは少し無理がありようにも思います。


帰路、日が暮れてきました。
帰りはのんびりと一般道(JR芸備線沿線)を広島に向かいました。
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