薬王堂気まぐれ通信使№758  2016-8-21
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

8月21日・日曜日、広島大学理学部関係機関とヒコビア会の共催する植物観察会に参加してきました。
今回の担当指導者は吉野由紀夫先生!
場所は島根県仁多郡奥出雲町にある鬼の舌震(おにのしたぶるい)という渓谷です。

遠かったですね~!
午前10時30分、現地集合とあって8時半に広島を出発します。
広島市内を横切りビックアーチのある西風新都インターから中国自動車道に入ります。
庄原で下りて一般道を走ります。
備後落合を経由して島根県に入ります。
途中、オミナエシ(女郎花)を見てみたり、稲刈り風景に驚いたり!


オミナエシ


おろちルートを経由して横田町の手前で鬼の舌震方面に左折します。
10時45分にようやく宇根駐車場(P1)に到着しました。
グループはすでに出発しているようです。
茶屋から数分歩くと大きな吊り橋にさしかかります。
ここからの眺めはよかったですね。
しばらくして観察会のグループに追いつきます。
関太郎先生も来られていました。
峡谷の中腹部に這うように設けられた歩道を歩きます。
昔のように植物の名前を事細かく記録しないことにしています。
これ以上、メモ書きしてもすぐ忘れてしまいます。
目の前にあるものを愛でてそれでおしまい!ということにしています。
アカシデ(葉裏)
ハクウンボク
ウラジロガシ
シラカシ
オオバアサガラ
ホツツジ
タンナサワフタギ
マタタビ(実1実2)
サルナシ
キブシ
ホオノキ
ヤマボウシ(甲虫はアカスジキンカメムシの幼虫)
ハネミノイヌエンジュ
などの樹木が印象的でした。
ヤマグルマが数株、自生しています。


渓谷の流れ



広島県植物誌(中国新聞社刊・1997年)には1913年7月(大正2年)に来日したドイツの植物学者=エングラー博士(ベルリン大学教授)が宮島を訪れ、自生するヤマグルマを見て大いに喜ばれた!との記載(61頁~)があります。
ヤマグルマは原始的な構造を持つ珍しい樹木だそうです。
渓谷の中間地点には岩塊を観賞する小屋が建てられていました。
昼食を済ませ辺りを巡回してみました。


ヤマジノホトトギス


ヤマジノホトトギス
フユイチゴ
オオバギボウシ
キンミズヒキ
ミヤマウズラ(アップ) ()


ミヤマウズラ


オトコエシ
ヤブジラミ
フシグロセンノウ
ヨウシュヤマゴボウ
岩の上にセッコクが生えています。


フシグロセンノウ



小動物では
オナガアゲハ(赤い丸の紋、無いのがジャコウアゲハ)
シロコブゾウムシ
ムカシトンボ
などが目に入ります。
目を凝らせばもっと多種の生き物にあえる場所のようでした。
駐車場(P2)まで歩き、バスに乗車させていただいてP1の駐車場まで運んでいただきます。
帰り道、ナビの無い車で迷い、やっと高田町の松江~尾道間高速道路に入る事が出来て帰路となりました。

※今回、指導してくださいました吉野先生が著された「タシロラン」に関する論文(比婆科学・第257号・別刷)をいただきましたので紹介いたします。
タシロランは珍しいラン科植物で各県においては絶滅危惧種に分類されていますが最近では各所で発見(←分布図)されています。
以前、私が画像として記録した薬王堂気まぐれ通信使がありましたので合わせ参照いただければ幸いです。
論文の一部は吉野由紀夫先生の許可を得て当ホームページに記載させていただきました。
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