薬王堂気まぐれ通信使№746  2016-1-17
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

17日は呉市広町にある白岳山(358m)に登りました。
第576回・植物観察会(ヒコビア会)に同行します。
場所は旧小坪小学校跡、午前10時に集合しました。


ここには数度来たことがあります。
1996年12月15日、やはりヒコビア会で来たことがあります。
この時には広町の駅までJR(当時は国鉄広駅?)でやってきました。
そこから徒歩で小坪峠まで登り海岸の見える小坪側まで下りた記憶があります。
関太郎先生等、植物に詳しい数人の先生方とともに歩きました。
その時に小坪峠で昼食をとりました。
様子を同行した木村氏が撮影してくれました。


1996年12月15日 小坪峠にて、木村氏撮影 (手前=関太郎先生、後ろの立位は私、その後ろは万年青年、渡辺先生・・)


上の写真の下り坂あたりから見た場所です。
木村氏はライカの広角レンズ(LeicaⅢ ルサール20ミリ F11 1/125)で撮影されています。
20数年前の懐かしい記録写真です。
近くに採掘場から石灰岩を運んだトロッコの軌道跡が残ります。
この場所からは瀬戸内海安芸灘が一望されます。


上の写真の場所からの眺望 正面が小坪地区、左手は下蒲刈島


広側の白岳山の麓には白石という地名があります。
この付近では白い石が昔から取れていたのでしょう。
白岳山からは石灰岩が取れ製鉄所に運ばれていたと聞いています。
近くには呉の日新精鉱所がありますのでそこに運んでいたのかもしれません。
製鉄工程で石灰岩を触媒として精錬(不純物を取り除く)をしたのでしょう。
日本には各地で石灰岩が採掘されますが海岸に近く製鉄所まで船で運ぶのに便利な地区(小坪港)だったからと思われます。
50年前まで白石地区から小坪峠を経由して小坪まで石灰岩を運んだトロッコが動いていたと指導者から聞きました。
2億年前が起源とされる上質の結晶性石灰岩(大理石)の地層がこの近辺に存在します。
植物も石灰岩地質に生育する特殊なものがあります。
代表的な植物としてシダ植物のヒメウラジロがあります。


ヒメウラジロ


地域の段々畑は採掘跡から掘り出された石灰石を積み上げたもので隙間に生育するヒメウラジロを見ることが出来ました。
その他、キビヒトリシズカやホタルカズラ、ムラサキ、サイコといった貴重な植物も見つかるかもしれません。
山口県の石灰岩台地=秋吉台にも特殊な植物がありますがそのつながりがあるのかもしれません。
小坪峠から車道を渡り急な法面を経由して白岳山への山道に入りました。


人が通らないため道が解りずらい


この道は急なうえに人が通らないやぶ状態で登山に苦労しました。
各所にイノシシの痕跡を見ることができます。
ぬた場(泥風呂)周辺では尻をこすりつけた木や石が見つかります。
痒いのでしょう!
一つ目のピークに達するまで1時間を要しました。
そこから平旦な山道を進みますが何しろどこが道なのか?かなり荒れていました。
10年前の夏、この山に挑戦し9合目まで登ったことがあるのですが一人であったことと、オオスズメバチと遭遇し先に進むのを止めた記憶があります。
握りこぶしほどのオオスズメバチは威嚇するように私の周りをホバリングしますが羽音はヘリコプターのようでした。
今回は冬場なので見通しがきくこと、スズメバチや毒蛇も冬眠していることもあり安心して登山しました。
二等三角点の標石がある山頂域は少し開けた場所でした。
標高358mとのことですが木々に囲まれ瀬戸内海は見渡せませんでした。
昼食を済ませ他の方々とは先に急な山道を下りました
道すがらに気が付いた植物を記してみましょう。

ソシンロウバイ(小坪民家庭)・ヒメツルソバ(外来植物)・オオイタビ・イタビカズラ・スイセン・イヌビワ・コナラ・マサキ・ウツギ・トベラ・カクレミノ・ハスノハカズラ・ヒメウズ・アキノノゲシ・ナワシログミ・トウジュロ・ホトケノザ゙・シュンラン・スイカズラ・センニンソウ・ビワ・マルバウツギツワブキ・アラカシ・シマカンギク・サネカズラ・キヅタ・ナガバタチツボスミレ・カゴノキ・マンリョウ・シロダモ・ヤブニッケイ・コウヤボウキ(ナガバノコウヤボウキ?)・ヒヨドリジョウゴ・アメリカイヌホオズキ・シハイスミレ・ノコンギク・コクラン・ヤブコウジ・ナガバジャノヒゲヤブツバキフユイチゴ・キリ・オニヤブソテツ・キバナカタバミ?トキワススキなど・・

小坪まで下り、付近の海の風景を楽みながら帰ったという一日でした。


広長浜漁港

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