薬王堂気まぐれ通信使№734  2015-4-19
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

小雨振る中、ウスバサイシンを見たいと車を走らせました。
途中、ミツマタの有る虫居谷に入ってみました。
ミツマタの花の全盛は終わり辺りには誰も居ませんでした。
車を降りて歩くことにします。
川筋を登ってみましょう!
この小川にはハンサギ(オオサンショウウオ)が住むというが簡単には姿を現さないようです。
ヤマルリソウが一輪、


ヤマルリソウ


マムシグサと思われる個体があちこちに見えます。
図鑑によれば新葉が展開する前に花を咲かせるものをヒガンマムシグサとしていますが区別はよくわかりませんね。
仏炎苞に虫を誘い入れて受粉を手伝わせているらしいのですが巧妙な手を使います。
アケビ
ウバユリ
キランソウ
シハイスミレ
オランダガラシがこんなところに・・
終点まで登りきりました。
この先、荒れた山道が雑木林に続きますが引き返すことにします
車に乗りウスバサイシンがあった場所を目指します。

ウマノスズクサ科 ウスバサイシン属

自生箇所は山崩れを起こしていました。
近くに葉を出したばかりのものちらほら
同じ科のカンアオイ属に属すミヤコアオイ?(雄ずいが12個)やサンヨウアオイ?(雄ずいが6個)らしいものも混生しています。
昨年からの大雨で沢が崩れ埋まったようです。
それでも丹念に笹薮をかき分けると数株、花を咲かせているもの、ゴミの横で生きながらえているものを見つけます


笹には葉が有りませんでした。
ここも鹿害が広がっているみたいです。
ギフチョウが食草とするウスバサイシンやカンアオイの仲間を鹿は食べないようです。
見てみました


花柱(めしべ)の周りに雄ずい(おしべ)が有ります。
花柱は6個、雄ずいは12個有ります。
同属のクロフネサイシンの花柱は3本です。
クロフネサイシンは県北に自生しています。
4年前に一株持ち帰った株が鉢の中で弱ってきたので当地の土砂を少し持ち帰ります。
ウスバサイシンの自生株はそっとしておきましょう!
遅咲きのコバノミツバツツジが山を彩ります。
林床にバイカイカリソウが咲いています。
ヒガンマムシグサを一株抜いてみました。
あまり深くまで根を張っていません。
サトイモ科のこの種類は塊根の上辺りに細根を伸ばしています
塊根を蒸して乾燥したものを天南星として薬用にします。
生汁は強い刺激があって粘膜を傷つけます。
小型のコンニャクと思えばいい。
この株は持ち帰り植えてみましょう!
山は春、これから良い季節になるはずです。
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