薬王堂気まぐれ通信使№729  2015-2-11
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

2月11日、建国記念日としての休日、私は妻とスキーに行きましたね。
早朝、広島駅からバスに乗って恐羅漢スキー場に向かいます。
なぜ恐羅漢かって?
それは前日に予約が可能だからです。
雪が前日に降ってコンディションがいいことを確かめられますからね!
2月の初めとはいえ、そんなに寒くは有りませんでした。
深入山辺りまで来ると雪が目立ちます。


三段峡峡谷付近


スキー場はまあまあかな!
今年に入って二度目ですが前回(1月3日)の方が雪質はよかったようです。
頂上付近は雪質も良いようです。


恐羅漢山頂上付近



ところでここに来ると必ず観察する植物が有ります。
ヤドリギです。
1月に来た時にも見たのですが2月にはいると実の数が少ないようです。
それと実が柔らかくなって形が崩れかけているものも目立ちます。
ここには赤いアカミヤドリギと黄色の実のヤドリギが混生しています。
宿主はミズナラ、水分や栄養素は宿主の樹木から吸収する寄生樹です。
何度かヤドリギに関しては報告しましたので今回は簡単に済ませましょう。
ヤドリギの下に何か落ちています。
白い雪の上に数センチ入り込みように落ちています。
雪は昨日降ったばかりですので落ちたのは今朝のようです。
鳥の糞でしょう!
これはアカミヤドリギを食べて糞をしたようです・・・


アカミヤドリギの糞


それにしても食べてから糞として出るまでそんなに時間はかかっていないように思えます。
ヤドリギの実は粘り気を持っていますので排出された実も消化されず糸を引きます。
これだけの実を一度に食べて排出する鳥といえばかなりの大きさが有ります。
見たことはありませんがレンジャク(キレンジャクとヒレンジャク)がヤドリギの実を好んで食べるらしい。
排出された実はほとんど地上に落下しますが枝先にひっかかるものも有ります。
上手く枝や樹肌にひっかかるとそこから宿主に根を伸ばし発芽するらしい!
巧妙な策略を持ったヤドリギです。


左の赤い実がアカミヤドリギ、右の白い実がヤドリギ



ヤドリギは桑寄生という生薬名で漢方の世界で使われてきました。
安胎の薬として、痛みを和らげる薬として、筋骨を強くするものとして使われたようです。
私は使うことは有りませんが中国・韓国では頻繁に用いられる生薬として取り上げられます。
本来、桑寄生とは桑の木に寄生するものでしょうからヤドリギの可能性はあるのですがオオバヤドリギのほうが環境にあっていると思われます。
マツグミも考えられますがマツグミは松に寄生することがほとんどです。
糞出されたヤドリギに思いを寄せてスキーを楽しみました。


恐羅漢スキー場


山は春を待っていました。
木々の芽生えがじっと暖かくなるのを待ちこがれています。


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