薬王堂気まぐれ通信使№728   2015-1-25
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

1月25日、広島植物観察会に参加してきました。
私は37~38年も前から参加する古い会員の一人となりました。
といってもあまり真面目には出席しなかったし学んだこともそれほど身についていないようです。
今回は呉市郷原町・岩山(標高520メートル)に登りました。
午前10時、郷原市民センター駐車場に集合します。
担当者からの説明を聞いた後、出発です。
岩山には特に珍しいものがあるわけではないそうですが頂上部分にカシダザサがあるとのこと、
カシダザサ・・・関西にある樫田と謂う最初に発見された地名から命名されたと聞きます・・



学名は発見と命名に関与したMAKINO  KOIDZUMI  S.SZUKI の3名の名前があること!
スズザサ属・ハコネナンブスズの亜種で小型のもの!とあります。


カシダザサ(ハコネナンブスズの亜種で背丈が低く葉裏と稈鞘に毛がある)



ただ最近のPDFⅢ遺伝子解析分類法の情報はわかりません。
原色日本植物図鑑(保育社)ではBambsaceaeをタケ亜科とし、広島県ササ類植物誌ではタケ科とする。下図参照↓


原色日本植物図鑑ではハコネナンブスズ・カシダザサはササ属に属し、広島県ササ類植物誌ではスズザサ属に属すとしています。

広島県ササ類植物誌によればタケとササの違いは稈鞘(タケノコの時に本体を覆う皮)がタケノコ(筍)からタケ(竹)になる時、落ちるものをタケ類、落ちないものをササ類と分類すると定義するが例外的に中間的な種類もあること、タケ類とササ類を分けることは植物分類学上の区分ではないということを記述しています。
稈鞘が落下するタケ類ではマダケ属のモウソウチク・ハチク・マダケ、オカメザサ・シホウチク・ホウライチクなど・・・
稈鞘が落下しないササ類ではクマザサ・チマキザサ・チュウゴクザサ・ミヤコザサ・ヤダケなどなど広島県に限っても相当の種類が自生しています。
そんな予備知識を携えて山登りをしました。
道すがら確認した植物順に記述してみましょう。

アベマキ
コナラ
アラカシ冬芽
クリ
カナメモチ
ソヨゴ
ナツハゼ
ネジキ
ネズミサシ
アカマツ
イヌツゲ
コバノミツバツツジ
ヤマツツジ
サカキ
ヒサカキ
シャシャンボ
サルトリイバラ
テイカカズラ
シリブカガシ
ウラジロガシ
ヤマモモ
ヤマコウバシ
ヤブツバキ
クロキ
アセビ
リョウブ
タカノツメ
ヒノキ
コウヤボウキ


コウヤボウキ


ウラジロノキ
タブノキ
ヤブコウジ
マンリョウ
シュンラン
アキノキリンソウ
リュウノヒゲ
キズタ
ホソバタブ
ヒツジグサ


コシダ群落

コシダ
ワラビ
ノキシノブ
ウラジロ
ベニシダ
・・
等など乾燥した冬の山でした。


山頂より西条方面を望む、黒瀬川は西条地区から呉広方面(右下)に流れます



頂上は岩の塊でした。
砂は地震や雨で洗い流され大きな岩塊だけが取り残されたのでしょう。
頂上から10メートルほどの下の大岩には「火の用心」と白いペンキで書かれています。
昭和10年代から地元の消防団が山火事や人家の火事予防の為に書いているとのこと、
岩山には戦国の歴史があるようです。
砦があったらしい、戦国時代の石積み跡と弓矢を作ったであろうヤダケが残っていました。
山頂には珍しく水が湧き出るくぼ地が有りました。
太平洋戦争時代には高射砲が設置され壕が掘られたと言います。
眼下には黒瀬地区の風景が広がります。
延々と人の営みが継承されてきたのでしょう。


山頂より物思う気まぐれ広島人、向こうは野呂山

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