薬王堂気まぐれ通信使№704  2014-2-11
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

2月11日火曜日、今日は祝日により妻と宮島に行くことにしました。
昨夜は雪が舞い、北風が強くてJR連絡船は結構揺れました。


左が駒が林、右の山が今回登った前峠山


本殿に日々の御加護に感謝して挨拶を済ませ夫婦は別れます。
私は大元公園から水晶山トンネルを越えることにしました。
トンネルを抜けたところから左の山に入ってみました。
道は無し・・常緑の急な斜面をよじ登ると尾根らしきところに着きます。
木が倒れてはいますが何とか人が通れるくらいの尾根筋が続いていました。
行ってみましょう!
アセビの見事な花が咲いています。


中にはピンク色をしたウスベニアセビの株も有りました。
アセビは馬酔木と記され牛が食すと中毒を起こす有毒植物で宮島の鹿もさすがに食べないようです。
開けた山道にミミズバイが実をつけています。
宮島では特に多くミミズバイを見ることができます。


ミミズバイ


ヒノキバヤドリギがヤブツバキに寄生しています。
更に登ってみましょう!
道は次第に厳しくなって人が通る山道では無くなってきました。
獣道といった方がいいかもしれません。
どこに通ずる尾根筋やら?・・
そのうち辺りは雪で覆われてきます。
一人、登ったような足跡を見出します。
誰かが登ったのなら大丈夫だろう!と気丈になって後を追うことにします。
やはり有毒のシキミの花が咲いていました。
赤い実のサルトリイバラが目に付きます。
かなり登ってきたようです。
広島湾が一望できます。
正面に垂直に切り立った崖が有ります。


この崖は一枚岩で駒が林(509m)、1555年に毛利元就と陶晴賢(すえはるかた)の軍勢が戦った厳島合戦では追い詰めらた陶軍の武将たちがこの岩上から身を投じたと伝記にあります。
山道は更に厳しく人の足跡もあるようなないような??
松枯林を通り過ぎ、息を弾ませ山頂らしき場所に到着します。
前峠山、423メートルと掛札にありました。
西の方角は遠く周防大島が見渡せます。
さてこれからどうするか
来た道を帰るのは単純すぎる!見知らぬ雪道を先に進むには勇気が必要!
先ほどの足跡は先に進んでいました。
道らしきものは確認できないのでところどころに貼られた赤いテープが頼りです。
先に進んで尾根を下がり峠にでました。
かすかな足跡は右折していました。
すでに3時前、若し道に迷ってうろつくにも今日は灯りを持ち合わせません。
この時期、日暮れは早い、それなら私は左に下りよう・・・鹿の足跡だけが頼りです。
20分急な雪道を下りると何とか道らしき所に出てきました。
助かった!
辺りの樹木に目をやる余裕も出てきます。
サカキ
シロダモ
ウラジロガシ
イヌガシ
イズセンリョウ
タイミンタチバナ
タイミンタチバナの実があります。
カンザブロウノキ
かなり低地に近づきます。
ヤマトクサカゲロウが水辺にいました。
すでに3時過ぎ、やっと空腹を満たします。
ホウロクイチゴ
カナメモチ
ヒメイタビ
クモラン
ウバメガシ
モミ
カヤ
クロバイ
ネジキ
サンゴジュ
サカキカズラ
落ち葉を拾ってモミとカヤ葉を比較します。


帰り際、オオイタビの実を確認します。

宮島には何度か訪れました。
今から30年と少し前、大学で生薬教室の実習生だった関係で担当教授の田中靖子先生が二度ばかり広島を訪れ(1984年四国瓶ヶ森登山写真)宮島を案内をしたことがあります。
その時、宮島の町役場に立ち寄って出版されたばかりの「厳島の自然」という分厚い書籍を買ってくれました
今では愛読書となっており寄贈してくださいました故・田中靖子先生に深く感謝をしております。
というわけで見知らぬ宮島の山道は人が遭難することが多いので注意しましょうね!
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