薬王堂気まぐれ通信使№701  2014-1-19
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

1月19日、広島自然観察会のメンバーと山県郡北広島町八幡湿原に向かいます。
広島駅を出発したのが午前8時、山陽自動車道から太田川を見ると辺りの山は雪化粧をしていました。
戸河内を過ぎ松原から深入山のふもとを経由し北広島町に入った頃には真っ白でした。
北広島町、以前は芸北町と呼んでいました。
牧野富太郎先生が戦前に2度訪れたことがあり西日本の尾瀬と絶賛した場所です。
今は八幡高原として大切に保護された公園となっています。


八幡原にある自然館に駐車してカンジキを借り高原を歩くことにしました。
周囲は真っ白、雪は背丈ほど積もっていました。

目印の無い雪道を指導者に引率されてひたすら歩きます
こんな雪山でも動物がいるという!
テンは民家の天井裏に侵入してねずみを捕獲するといいます。
柱には無数の爪痕が残っていました。
ウサギは雪にまぎれるよう白色となり木の幹をかじるらしい。
カラコギカエデの枝をかじって冬の栄養源としています。
そのほか、モモンガや鳥類が頻繁に出没するといいます。
熊は冬眠中のようで安心して歩くことにしました。


雪中行軍をする雪道、正面には臥龍山があるが雪が降って見えない

カラコギカエデ
ナナカマド
ツルウメモドキ
コブシ
キハダ
キハダは樹形だけでは判断が難しい植物です。
樹肌が傷つけられた痕を見ると真皮が黄色(ベルベリン色素)くなっています。
昔から樹皮を煮詰めて製品化し胃薬として利用してきました。
この時期の実は真っ黒で果実をかじると山椒と呉茱萸を混ぜたような強烈な味がしました。
キハダは羽状複葉のミカン科の樹木です。
一つの果実に6つの種が入っていました。


カンボク
カンボクの実など赤い実が目立ちます。
雪の中で赤い実(カンボク)はよく目立ちますが小動物は食べていません。
カンボクの実をかじると美味しいとは思えず鳥も承知しているのでしょう。
動物と植物は色や味、熟する時期などで共存し助け合っているようです。
ヌルデの実は褐色で目立つ色をしていませんが小鳥が好んで食べるそうです。
ヌルデの実は脂肪類が含まれ栄養になるといいます。

牧野先生の碑は雪に埋もれていました。
その他には
ノリウツギ
ハンノキ
オオウラジロノキの実がなっていました。
オオウラジロノキバラ科リンゴ属に分類されてきました。
雪の中にヤマナラシの樹が立っています。
ヤママユの冬篭りでしょう!春をじっと待っています。
キミノヤドリギアカミヤドリギが実をつけています。
珍しいホザキヤドリギらしい株が樹上に見えました。


高い場所なので確認は出来ませんでしたが冬には葉を落とす落葉樹です。
珍しい植物です。
3時間ほどの雪中行軍、二日酔いを覚ますのに丁度いい山歩きでした。
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