薬王堂気まぐれ通信使bU75  2012−12−16
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

太陽系に散らばった小惑星同士が衝突を繰り返し大きな星の塊になって太陽の周りを廻るようになったのが約50億年前だと言います。
地球が今の大きさになったて安定した軌道を回転し始めたのが46億年前、それでも当時の球体はマグマの露出する熱地獄だったそうな・・・
22億年前頃から微生物が生じ、後に多種の大型生物も出現し絶滅もしたと聞きます。
2億年前に火山活動で地下のマグマが地表に湧き出て冷えて固まり花崗岩となった地盤が今の関西地方、特に広島近辺の瀬戸内海地域を形成すると言う!
主に石英、長石、雲母で構成され、ややピンク色をした鉱物を広島花崗岩と名づけるそうです。
そういえば私が掘り起こす水晶も花崗岩の中に出来たペグマタイトから出るものが多いようです。
その後、恐竜のような大型生物が出現しますが恐竜は6500万年前、惑星の衝突?により突如に絶滅、
2万年前は氷河期の真っ最中で地表の水は凍りつき海水面が150mも低くなって大陸と日本は陸続き、瀬戸内海は陸地化してナウマンゾウやオオツノシカが闊歩していたとか!
今でもこれら大型哺乳類の化石が瀬戸内海から引き上げられています。
氷河期は終わりに近づき海水面が徐々に上昇してきますが6千年前には海水面が今より7〜8m上昇したらしく宇品海岸には波で侵食された崖(海食崖)が残っていました。
さらに寄せる波でえぐれて空洞化した海食洞、今ではの住処となっていました。
その他、大きくずれた断層面や、地下マグマが隙間に入り込んだ岩脈、マグマが規則的に冷えて固まった節理などの構造物がはっきりと残っているのが今の元宇品!
以上、元宇品で開催された広島自然観察会・12月の定例観察会で見聞きした知識です。
その後の元宇品の歴史を概略お話しましょう。

広島湾に浮かぶ宇品島は牛が寝る姿に似ていたために16世紀には牛奈島と呼ばれていたと言われます。
その周囲に仁保島(現黄金山)、金輪島、江波島があり比治山も島状態、毛利一族が山中の吉田町辺りから出でて太田川流域の砂州の上に広島城を築いた時代です。
西暦1560年頃、武人を中心とする一族が四国と関西から流れ着いて宇品島に住みついたと説明にありました。
毛利さんは1600年の関ヶ原の戦いで責任を問われ、一族は山口方面に追いやられますが、その後に徳川筋の福島正則が広島城主となります。
福島城主の後、1619年に徳川家康の三女と結婚した浅野長晟が和歌山から広島城入りしたという話は風土記編さん部会の野田雄司さんから聞きました。
何でも家康の三女は紀州の浅野長晟と再婚したけれど38歳の高齢出産(私の妻は40で出産!)で産後に息き絶えたとの事、亡き妻が大切にしていた広島椿の苗木を夫の長晟が広島に持参したとのこと、すべて耳学問です。
その広島椿の末裔が現在、元宇品の観音寺(旧観音院)に植えられていました。
フー!


元宇品の住居エリア 右側の建物がプリンスホテル


江戸時代、宇品島は藩の管轄下に置かれ水源の森は管理され、住民は山中に墓石を立てることも許されず寄港する船に水や食料などを供給する仕事に従事していたとのこと、墓所の痕跡としてプリンスホテル裏手に六地蔵が現存しているという話を聞きました。
明治になって藩が消滅、広島県が宇品島を管理します。
広島市では埋め立てが盛んになります。
元宇品が県の所有の時、一部の土地を民間に払い下げ民家や宇品小学校用地となっています。
明治中期に宇品は県有林から国有林に変更、戦時色濃くなる時代、元宇品は重要な軍管理の要塞となり宇品港も賑わいます。
大正15年、昭和天皇が皇太子時代に元宇品に来広、おそらく林床の貴重な動植物を見られたと思いますが軍に「市民の多くに元宇品の自然を見せたらどうか!」と提言して昭和天皇の山道が整備されたとのこと、
太平洋戦争でも天皇の示唆した道だけは手付かずのまま軍政から難を逃れ現存します。
私たちは今回、この道を歩いて観察をしてみました。
途中、見慣れない虫がいます。
これは何じゃろう?


オオキンカメムシ


オオキンカメムシ、生育期にアブラギリの樹液を食料とするという、そういえばシナアブラギリの木がが有りました。

昭和天皇の歩いた山道

国有林の山道鬱蒼として大きなカゴノキクスノキヌマスギ(落羽松)、白い樹肌のモチノキ)、島の先端部にはクスノキを切った痕から出るひこばえの林が広がっています。
カクレミノイズセンリョウアリドオシイヌビワ雌実)、クロキタブノキ、ムクノキ、アオダモ(キミノアオダモ)などの樹木の下にはコクランオカメザサ、ヒメヤブラン?、フユイチゴなどが見られます。
海岸に下りてみましょう。


樹木では、マサキ)、ネズミモチトベラ)、クスドイゲナワシログミが目に付きます。
草本では、カワラヨモギ(冬葉)、コセンダングサ)、イヌホオズキヒヨドリジョウゴシマカンギクセトノジギクが綺麗な花を咲かせていました。


セトノジギク


絶滅の恐れの有る貴重な植物ですのでネットに正式名の出せないカラオケマイク
今日の参加者は約40人、猫の糞場に座り込んで弁当を広げていましたね〜〜
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