薬王堂気まぐれ通信使bU61  2012・6・23
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6月23日(土曜日)、午前中、広島国際大学薬学部の依頼で90分の公開講座を担当してきました。
タイトルは「家庭でできる漢方と灸の知識」です。

灸は広島地方では「やいと」と呼び昔から行われてきました。
家庭療法です。
最近、テレビで人気の「漢方」も元をただせば家庭で行われていた民間薬の延長です。
健康保険で処方される時代になり医者や薬剤師の特権のように見受けられますがそうではない!民間医学の知識が含まれています。
さらに中国や韓国からの知識も含まれているでしょう。
日本では外国からの医療を独自に消化し、伝統療法と合わせて独特の医療をつくり上げて今に至っています。
「漢方」とは「漢」の時代に栄えた医療が遣唐使船などで導入され、日本で独自の発達をし命名された伝統医療のことを指しているのです。
漢方薬も、鍼灸医療も、按摩や指圧なども含めて漢方医療と呼んでいます。
灸とは身体にやけどを起こす医療のこと!
やけどが起こす生体反応と、ツボという有効ポイントを刺激することで治療に結びつけている免疫医療だと思っています。
「やいと」の語源は定かでは有りませんが「やけど」との発音が近いこと、私は共通性があるように思います。

現在私が灸を業としてしていますのは昔の自己経験によるものです。
昭和32年、私は急性盲腸の初期症状であろう右下腹部の痛みに襲われます。
小学2年生、母親は病院に行かず当時寺の住職をしていた爺さんのところに私を連れて行きます。
爺さんは右足の三陰交というツボに100を越える灸をすえますが次第に腹痛が遠ざかっていったことを今でもはっきりと思い出します。
灸は効くんだ!
子供心に私は東洋医学に興味をひかれるようになりました。

そんなわけで家庭でも出来る灸・漢方薬や民間薬の情報を提供する講座に出かけました。
10時半からの開講に合わせ高速道路に入ります。
黄金山を見ながら矢野に通じる立体交差を通って呉に向かいます
10時前、広の広島国際大学に到着、時計台のある1号館3階で私の講座は開かれます。


今年、第12回目の健康科学公開講座「咲楽塾」と題して案内の看板が入口に立てかけられていました。
担当教授によりますと、いつになく予約者が多いとのこと、教室に入りますとすでに100名近い受講者が席を埋めていました。
私も偉くなったものです。
還暦を過ぎたら自分のことより世の為、人の為、ボランティア精神で日々暮らせよと妻から言われております。


概略、前述したようなことをお話し、灸を中心に話を進行させました
治験例もパワーポイントを使い紹介してみました。
反応はいいようでたくさんの質問が有りました。

実際に灸を実演することにします。
灸とは線香に火を点けて、もぐさに火を移す、その一連を紹介します。
治療としての灸はしませんでした。
では講義の様子を紹介してみましょう。


灸の様子を紹介するため希望者に前へ出てもらいます。



希望者:「膝が痛くて困っているのですが何処に灸をしたらいいでしょうか?

気まぐれ講師:「一般的には膝眼というツボに灸をすることが多いのですが痛む箇所にすえるのが最善と思います。場所はここがいいでしょう。7回くらい灸をすえますが全部やったら治療費をもらわないといけないので、すえるまねをしてみましょう。」

希望者:「治療費を払いますから全部やってください!」

気まぐれ講師:「ええっ!」


パワーポイントを使って臨床例を紹介する



公開講座ということですので皆を前にして治療をするわけにもいきません。
適当にお茶を濁します。
12時過ぎまで受講者との会話は弾みました。
今日の講座はどうでしたでしょうか!
勉強になったでしょうか!
新しく出来た高速道路を通って帰路につきました。
帰り道、ため池にヒシが水面を覆っていました。


白糸の滝のある風景 (広〜東広島間・高速道路から)

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