PEN First series 02

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OLYMPUS-PEN S2.8
さまよえるハーフ菌患者でも報告したが、久しぶりにふらっと立ち寄った中古カメラ店で、何と8000円という格安?のお値段で購入したペンSです。
外観はかなり状態良く、シャッターは全速OK、ファインダーもきれいとくれば、この価格は大満足です。
唯一、カウンターのプラスティック窓にお馴染みのひび割れがありましたが、これはまあご愛嬌 (^^ゞ

初代ペンと比較すると、50gほど重くなった重量が、手に持つと思いのほか強く感じられます。
また、焦点距離も30mmと若干長くなっているせいか、左画像にもあるようなフードを取り付けると、鏡胴が前にせり出しているのが妙に目立って、ちょっとばかりアンバランスかな・・・

ただ、ボディの剛性には向上が感じられる気がしますし、シャッター関連の変更等、確かに初代ペンとは一歩上を目指したことがうかがえます。


OLYMPUS-PEN S3.5
 久し振りに購入したペンは、ちょっと珍しい、D.Zuiko28mm3.5のついたペンSです。 生産された台数は比較的少なく、ペンW程ではないにしろ、少ないと言われるD2よりも少量のようです。 
 このS3.5の発売は昭和40年(1965年)1月であり、S2.8の発売(1960年6月)から4年半後のことです。 構成は、ペンSのボディーに、従来から好評であった
D.Zuiko28mm3.5と、ペンS&ペンWと同じシャッター(コパル#000プロンター型)を組み込んだもので、初代ペンの後継機種としての位置付けで誕生したようです。
 初代ペンとのスペックの違いは、シャッター機構の変更によるものが全てで、余り差がないのでは?という声も聞こえてきそうですが、シャッター羽は5枚(初代2枚)になり、シャッター速度も低速側は1/8(初代1/25)、高速側は1/250(初代1/200)となっており、より一層の高性能化を実現しています。
 当時の価格は7500円、S2.8の定価は8600円ですから、1100円のコスト差はまるまるレンズの価格差ということになります。


OLYMPUS-PEN S Military
上記のペンS3.5が大変身しました。
今回はこれまでに作例のなかったペンSのオリーブ色仕様(キャンディド仕様?)「PEN S Military」ヴァージョンです。

■更に今回は、リペイントに加えて、ホットシュー化が改造のポイントになっています。

■移植されたのはペンEE-3のホットシューで、作成者のTOMYさん曰く「上面が研磨してなく、梨地の感じがオリジナル・シューに近い」という理由での採用です。  ただ、その取り付け方法については、TOMYさんは相当な苦労をされたようです。

■またEE-3のホットシューは、オリジナルと比較すると奥行き寸法が1mm程度長く、少し出っ張り気味になるようです。  メガネをしてファインダーを覗くと、メガネに傷つける可能性がありということで、ゲストのINOBOOさんの発案で出っ張りの下にスペーサーが取付けられています。  ライカCLも同様にシューが飛び出ていて、その下の部分にゴムの四角いスペーサーを貼ることによってメガネ使用時の対策としているらしい?です。  
因みに、このスペーサー、さて何から作られているでしょうか?


■またまた更に・・・
今回のリペイントでは、レンズ回りのリング部分(レンズ名等の表示のある部分)にも、同色のペイントが施されています。  同じくオリーブ色にペイントされた特製フードとあいまって、非常に違和感のないすっきりと渋いペンSになっています。


OLYMPUS-PEN S black
当サイトでもおなじみの「TOMYのリペイント」で製作していただいた、ペンSのブラック仕様です。
もちろん、これはオリジナルではなく、なんちゃってペンSブラックです。

オリジナルは市販モデルではなく、主に報道関係者向けとしてメーカーから供給されたもののようで、入手は極めて困難です。 市場に出回っているものも、アフターペイントと思われるものがあるようです。

さてさて、TOMYさんにお願いしたこのペンSブラック、塗装の具合や操作系ともに、非常に良い仕上がりを見せています。
塗装については、ボディの黒塗装は言うに及ばず、何とファインダー部の枠部分のリンクル(ちりめん柄)塗装まで再現されています。(
下右画像)

さらに驚くのは、底部分のリベット(4箇所の小さな足)です。
ペンW・ペンSブラックともに、オリジナルのリベット(足)部分は黒塗装されていません。
通常のペイントではこの4つの小さなパーツは、ボディ色と同色にペイントされてしまいますが、このペンSブラックはリベット部分もオリジナル同様に再現されています。(
下左画像)

つまり、リベット(四つ)をはずして分解し、底部だけメッキを剥離して塗装し、それを組立てる際にリベットを再度取り付けるという作業工程となっている訳です
但し、このリベット、取り外すと再使用ができない(壊して外すしかない)ため、何とTOMYさんはリベットを別途製作していらっしゃるようです。
 ※現在(H13.7月)、100個(25台分)のリベットは用意されているようです。
と、ここまでこだわった一品ですので、私も大満足なのです。


■ついに登場! ペンS オリジナル・ブラック (画像提供:isaoさん)


とうとう出てきました。そうです、ペンSの本当に貴重なオリジナルのブラックモデルです。 

ペンSブラックといえば、春内順一氏の撮影による「二つのどん底」という、東京の山谷と大阪の釜ヶ崎の生活を撮影したカメラレポートの逸話が有名です。
(1960年・昭和35年:文芸春秋10月号)
桜井栄一氏著のズイコー夜話にその時のお話しが掲載されているのでご紹介しましょう。

〜春内氏は汚れた黒ズボンと色あせたポロシャツをまとい、その黒ズボンの右ポケットの中程とポロシャツの左ワキの下に直径3センチの穴をあけ、ここからカメラのレンズをのぞかせて、スナップしたそうで、ズボンのポケットの中で、片手で絞りやシャッタースピードを操作し、またピント合わせも行ったという。 もちろん練習されてのことであろう。 5日間に36枚撮りのネオパン3Sを7本、1本72枚として計504枚の撮影をされたわけだ。 レリーズボタンが軽すぎて事前に切れてしまっていたとか、あたりの静かな場合には巻き上げ音が案外大きくて気になったとか、多少の問題も指摘されているし、定めしご苦労の多かったことと思うが、とにかく大成功であったことは事実である〜

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