薬王堂気まぐれ通信使№815  2020-10-18
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

第640回植物観察会(ヒコビア共催)に参加してきました。
場所は太田川下流域、可部上の柳瀬から筒瀬地区を歩きました。


午前10時に可部線亀山駅に集合します。
亀山駅から太田川上流に向って歩きました。


太田川


右側の山肌は急斜面でイワヒバが湿岩に生育しています。
旧亀山発電所は明治時代のレンガ造りですがしっかりしています。
広島県では最初に建造された水力発電所だったと聞きます。
そこを過ぎると左手に漁協管理の養魚場があります。
道路際に大きなサイカチの樹がありました。
枝先には今年の実が下がっています。
サイカチは実の莢にサポニンを多く含むので水につけて回すと泡立ちます
かつては洗濯に用いられたと聞きます。
また古い中国の医学書(傷寒論)には実を皂莢(そうきょう)として薬用にした記述が見られます。


皂莢=サイカチの実、猪牙のようになっているものを使えと類聚方広義には書いています。


指導者の先生からサポニンについて一言!と言われてあわてましたね。
サポニンとは配糖体の総称でいろいろあるけれどキキョウサポニンは有名で浅田飴や龍角散に配剤され咳止めや痰切りに用いられています!云々・・というくらいが精一杯でした。
その他、ニンジンやサイコなど多くの漢薬にも含まれていますよ!と付け加えておきました。
今日は薬剤師の友人と一緒に歩きました
太田川の流れは穏やかでしたがこの川は暴れ川として有名でこれまでに幾度となく洪水を起こしています。


筒瀬地区の太田川


見られた植物を昇順に記録してみましょう。
薬用に関係がある植物には【薬用名】としておきましょう。
アオツヅラフジ 【木防已】
アカネ 【茜草根】
アカメガシワ
アカメヤナギ
アギナシ
アケビ 【木通】
アマチャヅル 【甘茶蔓】
アメリカセンダングサ(コセンダングサ?)
アラカシ
アリタソウ 【土荊芥】
アレチヌスビトハギ
イタドリ 【虎杖
イタビカズラ
イヌマキ
イボタノキ
イワヒバ
ウツギ
ウメモドキ
エノキ
エビスグサ 【決明子】
オオイタチシダ
オトコエシ 【敗醤根】
オニグルミ
カエデドコロ 【萆薢】
ガガイモ 【蘿摩子】
カキドオシ 【連銭草】
カシワ


ムラサキカッコウアザミ


カッコウアザミ(ムラサキカッコウアザミ)
カナムグラ
カニクサ
カミヤツデ゙ 【通草】
カラムシ
カンツバキ
キシツツジ
キンモクセイ
クサギ 【臭梧桐】
クサソテツ
クスノキ
クチナシ 【梔子】
クマノミズキ
グンバイナズナ
ケヤキ
コノテガシワ
コマツヨイグサ
サイカチ 【皂莢 皂角刺
サカキ
ザクロ 【石榴皮】
サネカズラ 【南五味子】
サルトリイバラ 【菝葜 遺糧】
シソ 【紫蘇】
シャクヤク 【芍薬】
ジャケツイバラ
ジャノヒゲ 【麦門冬】
ジュウガツザクラ
シロダモ
ジンチョウゲ
スイカズラ 【忍冬藤 金銀花】
スオウ
スギ
スズメウリ
スベリヒユ 【馬歯莧】
セイタカアワダチソウ
センダングサ
センニンソウ 【威霊仙】
タカサゴユリ 【百合根】
タケニグサ
タブノキ
ダンドボロギク
チカラシバ
チャセンシダ
チャノキ 【茶】
ツルヒメソバ
テリハノイバラ 【営実】
トキワハゼ
トコロ 【萆薢】
ナツメ 【大棗】


ナワシログミの花


ナワシログミ
ナンキンハゼ
ニラ 【韮子】
ヌルデ 【五倍子】
ネズミモチ 【女貞子】
ネナシカズラ 【兎絲子】
ネムノキ 【合歓皮 合歓花】
ノグルミ
ノコンギク
ノダフジ 【藤瘤】
ノブドウ
ハスノハカズラ 【千金藤 粉防已】
ハナユ
ハリエンジュ(ニセアカシア)
ヒカゲイノコズチ 【牛膝】
ヒメムカシヨモギ
ヒヨドリジョウゴ
ピラカンサ(タチバナモドキ)
フジバカマ(セイヨウフジバカマ) 【佩蘭 蘭草】
フユイチゴ 【覆盆子】
ヘクソカズラ
ボタンヅル
ホトケノザ
マタタビ 【木天蓼】
ミツバアケビ 【木通】
ミツマタ
ムクノキ
ヤブガラシ
ヤブサンザシ
ヤマイタチシダ
ヤマグワ 【桑白皮】
ヤマノイモ 【山薬】
ヤマハゼ
ヤマボウシ
ユズ
ヨウシュヤマゴボウ 【美商陸】
ルコウソウ
ロウバイ
・・・
 {※ 友人の記録参照}


柳瀬

筒瀬地区には古くから営業されている醤油屋さんがあります。
そこを通り過ぎて筒瀬八幡神社に行ってみました。
社殿は250年前のものらしい!
賽銭箱は一刀彫のようです。
昨年、オーストラリアから知人が訪ねてきてお参りしていたのを思い出します
賽銭の出し入れはあまりしていないようでした。
古い絵馬が掲げてありましたね。
床下でアリジゴクを掘ってみます。
帰り道は往路と反対の道を通りました。
こちらの川傍にもサイカチの大木があります。


サイカチの樹下を流れる太田川


エノキムクノキの葉や実の違い、アケビの実、ネナシカズラなどを観察しながら帰りの電車に急ぎました。


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