10月25日 吉本先生の講座


はい、こんばんわ!
それでは今夜の講座を始めましょう。
では、先ず、これは↓なんという植物か分かりますか?

生徒:し〜ん!

ではヒントを一つさし上げます。
この植物は毒で有名なんです。

生徒A:先生、これはトリカブトではありませんか?

大正解!そのとおりなんです。
これはトリカブトの根なんです。
よく見てください。
枯れた茎が附いています根を烏頭(ウズ)と言います。
烏頭の横から細い根が出ましてもう一つ根のようなものがありますね。
これは来年に芽を出す準備の出来た側根です。
附いた根という事で附子(ブシ)と言います。
昔、北海道では熊を射る矢の先にトリカブトの毒をぬって使ったといわれています。
中国や韓国でも毒というとこのトリカブトの毒を指すことが多いようです。
トリカブトにはアコニチン・メサコニチン・ヒゲナミンという運動麻痺や知覚麻痺を起こす有毒成分(アルカロイド)が含まれています。
その他にも呼吸がしにくくなったり心臓の拍動が乱れて心不全を起こすことがあります。
そんな毒性の強いトリカブトですが生体反応の低下した身体が冷える傾向の患者に少量使いますと薬として使えるんです。
私も仕事柄、昔、附子を煎じて服用したことがあります。
少量でしたが心臓が踊るようでワクワクしてきましたので服薬を中止しました。
素人の使用は絶対にしないで下さい。
かなり毒性が強い植物です。
ここにありますのは広島市に最も近い場所で採集してきましたタンナトリカブトの根です。
広島県にはタンナトリカブトと中国山地に自生しますサンヨウブシがトリカブト属としてあります。
日本には各地に色々なトリカブト属がありまして約50種類あると言われています。
薬用には園芸種として出回っておりますハナトリカブトの根を使うと言われます。
10日前に採集してきました。
今はもう花の時期ではありませんでしたが時期遅れのものが2株ありました。
そのほかの株はもう枯れた葉がついているだけで簡単には探すことが出来ません。
その花を紹介しましょう!

タンナトリカブトの花

生徒:わ〜!きれい・・・
その他にもこんな植物がありました。
さてなんでしょうか?
生徒B:なんだろう?

見たことがありませんか?
畑で栽培されていましたよ!

生徒C:はぶ茶?ですか!

ほしい!正式にはなんと呼ぶでしょうね!
正解を言いましょう。
この丸い実のついた植物名↑は「ハブソウ」なんです。

生徒D:私の認識ではハブソウの実は丸くなくて少し長い四角のようでしたが・・・

そうですね。でもそれは民間ではぶそう茶とかハブ茶とか言われているもので正式にはエビスグサと呼ばれる実なんです。
民間でよく使われていますのは実が平行四辺形の四角に見えるものです。
実際にはケツメイシ=決明子と呼ばれる実です。
丸いハブソウの実はボウコウナン=望江南と呼ばれています。
どちらも軽い下剤になる成分が含まれていまして便が柔らかくなりやすい。
それに炎症を鎮めますので目の充血によく用いられます。
漢方では炎症性の肝機能を改善します。
東洋医学では肝は目と関係が深いと言われています。
ハブソウとエビスグサの薬効的な区別はそんなにしません。
どちらもお茶として常飲することで身体の炎症を取り除き利尿や排便を促します。
これらの実は少し炒ると香ばしくて飲みやすくなります。
ハブソウは枝葉も乾燥して利用しています。
ハブソウの葉は先が尖ります。
エビスグサの葉の先は丸くなっていますので分かります。
どうですか!
面白いでしょう!
今夜はこれくらいにしておきましょうね。
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