314()勝谷先生の講義
 
3月14日(水)講義 

 前回、クチナシ(山梔子)の時に黄疸の薬として話をしましたが、代表的な処方が茵陳蒿湯(いんちんこうとうとう)です。
これは、茵陳蒿(いんちんこう)、山梔子、大黄の3種類でできています。
今日はその茵陳蒿を持ってきました。植物の名前はカワラヨモギと言います。カワラヨモギとはよく言ったもので、生えていたところはこんな感じです。


日本では花穂を使いますが、中国では春先の新芽を綿茵陳と称して、同じく使います。


肝臓の悪い人で黄疸が出たときは覚えておいてください。
ちなみに咽喉が渇き、おしっこの色が濃くて出が悪い時には五苓散(ごれいさん)と茵陳蒿湯を合わせるとか、五苓散に茵陳蒿と山梔子を加えて処方したりします。
 ふつうのヨモギの代表的な処方は?帰膠艾湯(きゅうききょうがいとう)です。当帰、芍薬、川?、地黄、甘草、阿膠(あきょう)、艾葉(がいよう)。これは止血剤です。特に下半身の止血に使います。
流産の予防、痔の出血、腎臓の出血などです。阿膠とはゼラチンです。
艾葉がヨモギです。

 土手の茵陳蒿のそばに、こんなものがありました。


これは何でしょうか?
「クコですか?」
あっさり分かってしまいましたがそのとおりです。今の時期は花も実もありませんが、こんな環境でも立派に大きくなっています。
やはり生命力が強いものは薬になるんでしょう。クコは実を枸杞子(くこし)、根っこを地骨皮(じこっぴ)といいます。


これは韓国産の枸杞子ですが、中国産はもう少し色が朱色です。薬膳に使うのは中国産で私たちが薬として使うのは韓国産か北朝鮮産です。
韓国産か北朝鮮産のほうが薬効に優れているといわれています。実際に値段も高いです。
 働きとしては滋養強壮作用があり、おもに肝、腎を補います。漢方の処方にはあまり入りませんが、代表的なのは白内障に使う杞菊地黄丸(こ
ぎくじおうがん)です。
 地骨皮はおもに肺、腎経につかますが、虚熱を取る働きがあります。
八味丸の地黄が胃に障る人には地黄の入らない、八味丸の裏の処方として清心蓮子飲(せいしんれんしいん)というのがあります。このなかに
八味丸の牡丹皮的な働きとして地骨皮が入っています。
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