平成19年 2月28日

吉本先生の話し

実は先日までニュージーランドに行っておりました。
今夜はそこで見ました薬用植物を紹介してみましょう。

先ずはサイコによく似た植物がありました。
サイコは柴胡と書くんですが解熱薬としてよく使います。
ただシソ科の植物は種類が多いのでこれがサイコかどうか決められません。


次にありましたのはオレガノです。
シソ科のオレガノはやはり解熱作用や発表作用がありますのでヨーロッパでは風邪の時などに熱湯に浸して服用していました。


イチゴの種類は実を覆盆子といいまして肝臓腎臓の機能を強めるものとして使います。
強精剤のような使い方と尿などの漏れを防ぐためにも使われます。
ニュージーにあったのは何イチゴでしょうね!


ウツボグサがありました。
これもシソ科です。
これは夏枯草と言いまして漢方ではよく使われます。
利尿剤ですが昔からルイレキ(リンパ腺腫)を小さくすると言われています。


次にノコギリソウがありました。
消炎作用がありますので打ち身や捻挫に外用で貼ることがあります。
内服では止血薬として健胃薬として用います。


セイヨウトチノキの種類でしょう。
街路樹としてありました。
マロニエとも呼ばれますが薬用にはあまり用いられません。
実にデンプンが多いので餅に添加して食用にする地方があります。
花は蜜が多く少し苦い蜂蜜が取れます。


マメ科のエンジュがありました。
これも街路樹でした。
小さな花の蕾にはルチンが多く含まれて血管強化作用がありますので高血圧の治療薬として用いられます。


キョウチクトウが庭に植えられていました。
綺麗な花も木全体が毒です。


バラ科の赤い花の樹がありました。
花のあとに実がなっています。
これを山査子といいまして消化を助ける薬として用います。
胸焼けのあるときに用います。


オトギリソウの仲間がありました。
花が大きくトモエソウに近い種類です。
昔はオトギリソウを傷薬に用いたことがあります。


ゴマノハグサ科の植物でジギタリスと言います。
この根には強心配糖体が含まれ少量で心臓を力強くする効果がありますが量を越すと副作用があります。
上で紹介しましたキョウチクトウにも同じような強心配糖体が含まれます。


クライストチャーチの庭にはスイカズラがありました。
花は白と黄色、これを見立てて金銀花と呼びます。
解毒作用に優れ皮膚粘膜の炎症を鎮めてくれます。
近年、サーズという咳の出る疾患には中国で頻用されました。


トウトウ(トイトイ)というドクウツギ科の植物、
強い毒性があって内服は禁物です。
毒は実の果汁を除く樹の全体に含まれ痙攣毒があります。
その他、吐き気、失神などが起こります。
かつてゾウがこの樹を食べ死亡した例があります。


ペッパー・ツリーと言います。
葉をかじるとこしょうの味がすることから名前がつけられました。
マオリの人は歯の痛いときにこの葉をかじりしのいだと言われています。
又、葉をゆでてその汁を服用することで整腸剤にしたと言われます。


最後にラーンツウッドを紹介します。
ラーンツとは長い槍のことでしょうか!
若い時には葉が長細く槍に似てることから名前がつきました。
大きくなると葉が広くなります。
モアという大きな鳥はこの葉を好んで食べたためにラーンツウッドは自然と若い時に葉を細くして食べにくくしたのだろうと言われています。
モアは先住民=マオリの人たちによって絶滅しました。



今夜はこれくらいにしておきましょうね。
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