薬王堂気まぐれ通信使bQ66  2004・8・30
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

ただ今、猛烈な勢いの台風16号は九州を縦断し山口に再上陸しようとしています。
外は雨風が強くさすがの薬王堂も開店休業状態です。
昨日は友人が四国松山からやってきました。
海の玄関口、宇品港に出迎えました。
台風の先日ではありましたが海上は比較的穏やかだったと言います。
お昼過ぎまで友人を案内した後、気まぐれ広島人は一人植物観察に出かけたんです。
どこへ?って、
呉を経由して瀬戸内海の小島の向こうに四国山脈が一望できる野呂山に車を飛ばしました。
眼前の小さな島は柏島、その左手前は川尻の町並み、柏島の向こうが芸代諸島の蒲刈島、そして橋が出来で本州と陸続きになった下蒲刈島と続きます。
かつては朝鮮通信使の一行がこの瀬戸を行き来し、長旅の骨休みに船宿をとった場所でもありますね。
今日見たかったのはホンゴウソウという植物です。
国有林が多い山とはいえ、道は荒れ放題です。
車を降りてからも林道を一時間ほど歩かなければいけません。
ホンゴウソウについては何度も皆様にお伝えしましたね。
でもこの植物のいい写真がないんです。
平凡社の日本の野生植物、朝日百科の世界の植物、朝日新聞社の植物の世界、画像のきれいな西日本新聞社の九州の野の花、どの図鑑を見ても雄花が写されている写真がないんです。
日本の野生植物ではホンゴウソウ科・ホンゴウソウ属・ホンゴウソウで記載され『腐生植物。高さ3〜13センチ。花は7〜10月。雄花は花序の上部につき径約2mm。雌花は下部につき径約1.5mm。本〜琉、暗い林の下、やや稀』とあります。
この本は日本を代表する図鑑です。
雌花がイチゴ状でやや大きく雄花は本当に小さく1mmくらいの花です。
これをデジカメで写そうというのですから工夫が必要になってきます。
ニコンのD70は昔集めた器具が装着できるので大変に重宝しています。
デジカメ本体に30年前の100ミリマクロレンズ、その前にはクローズアップレンズ2枚、カメラとレンズの間にテレコンバータPK2を入れ込みましてやはり30年前のガドナンバー20ミノルタフラッシュを強制発光させ撮影します。
絞りは16か22、シャッター速度は500分の一まで同調するので私は125分の一で撮影しています。
雌花のホンゴウソウ超アップ画像を半分に縮小してトリミングした画像も載せてみます。
私も目が悪くなりまして後で分かったんですが雄花が写っていたんですね〜
その画像を何枚も見比べて自分でスケッチしたのがこのGIF画像!
これでも概略ですからこの次はもっと詳しい雄花のスケッチをしてみたいと思ってい
ます。
花びらのように見える花披は6枚、3枚が大きく残り3枚が小さくて細長く、双方とも反り返り、針のように細長い雄しべはくるくると回って白い花台から3本ほど伸び上がります。
そこらの構造がまだわかりませんので次回に譲りましょう。
発見場所は三重県三重郡楠町本郷だそうで、そこから名前がつけられました。
それにしても不思議な植物ですね〜
今回の画像はどの図鑑にも見られない部分が写っていますので少しアップ気味に紹介しています。


そのほかに見られた植物・ママコナトコロイヌコウジュなど・・・
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