薬王堂気まぐれ通信使№712  2014-6-1
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

6月1日(日曜日)、昔の記憶を頼りに植物を見に行くことにする。
確か、山陽自動車道の三原久井インターで下りて右方向に行ったのだが・・・
記憶というのは曖昧なもので行った先の場所もうろ覚えである。
それが世羅町であったのに御調町に行ってしまう。
町の名を読むのも難しい。
世羅町=せら町、御調町=みつぎ町、、、、
世羅町はかつて甲山町とも言われ瀬戸内の良港=尾道に上げられた物資は御調~甲山(世羅町)を経由して三次に入り山陰地方の鉄の街へと運ばれます。
逆路、鉄や銀は同じ道を辿って関西・京都・江戸へと運搬されました。
2001年5月27日、当時80歳の万年青年(現在も健在)と一緒にイワウメヅルという植物を求めて車を走らせる。
三原久井で下りて世羅町に行けばいいものを御調町に行ってしまった。


14年前に行った世羅町、今回はうろ覚えで御調町に行ってしまう・・


御調町で随分探した。
御調町のメイン道路は閑散として周囲の山にも入り込むが14年前を思い出す場所は無かった。
場所が違うんだから当然のことです!
帰宅して地図を睨み込んでやっと判るんだから・・・

イワウメヅル ニシキギ科 ツルウメモドキ属 

イワウメヅル(2001年5月27日撮影)
つる性木本の広島県では希にしか見られない貴重な植物である。
ツルウメモドキに似るが葉が小さく柔らかいこと、葉のつけ根に付く托葉が刺状になる(2001年5月27日撮影)ことで区別される。
今年の春、「このきなんのき」の掲示板でイワウメヅルの刺の画像が無いか?との管理者からの要望掲載があった。
管理者は「樹木の葉」という図鑑を発刊するにあたりその一枚が撮影できなかったようである。
早速、14年前に撮影してパソコンに入れ込んでいたイワウメヅルの画像をお送りしたところ自著のイワウメヅルの頁にこの画像を使ってくれた
たったそれだけのことではあるが山と渓谷社から発刊された「樹木の葉」の文末に写真提供者として私の名前(赤丸)を入れて下さり、APGⅢ分類法で著された図鑑を送ってくださったのである。
お礼のメールで知る限りでは著者の林将之氏も、さんざん自生地とされる場所を探索し撮影に挑戦されたとのこと・・
何気なく撮影した過去の画像も捨てたものではないと実感した次第です。

もう一件、全国農村教育協会から発刊された本田郁夫氏著の「植物生態 観察図鑑 おどろき編」に私の提供した画像が掲載されその本が送られてきました。
これにもびっくりしましたね。
植物学では高名な本田氏はホームページに、「石川の植物」を立ち上げておられます。
数年前に発刊された「知るほどに楽しい植物観察図鑑」とともに「植物生態 観察図鑑 おどろき編」の購買方法が紹介されております。
掲示板で知り合いとなり交流をさせてもらっておりましたがヤドリギの根の画像を使わさせてもらえないか?との要望に画像をお送りしました。
13頁にもわたり本田氏が観察したくわしい記録とともに147頁に私の画像が掲載されたことは大きな喜びです。
2012年の冬に恐羅漢山でミズナラに着生するヤドリギを見つけノコギリを持参して採取した画像です。
ヤドリギは2年前ですから思い出すものの14年前のイワウメヅルの自生場所は今回判りませんでした。
いずれにしても今年の春はいいことばかり・・これからも画像を貯め込んで自己満足の世界に浸ろうかと思っております。


ノアザミの咲く御調町の稲田


※迷った御調町の植物を紹介してみましょう。

シライトソウ
タツナミソウ(なんというものか不明)
ヘビイチゴ(ヤブヘビイチゴとは種子の形態が違う)
クサイチゴ
ウワバミソウ
ムシトリナデシコ
ヤマアジサイ
コアジサイ
ヤマツツジ
ヤノネシダ
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