薬王堂気まぐれ通信使bU78  2013−2−17
Yakuoudo Capricious Communications Satellite

広島から尾道までをJR各駅停車の電車で行くと1450円かかります。
所要時間は約、1時間30分。
2月17日、午前7時2分発の岡山行きに乗車してのんびりと尾道まで行きました。
友人と話しは弾みます
今日はヒコビア会共催・植物観察会に尾道市の沖に浮かぶ百島(ももしま)に行きました
現在の島人口は570人程度、年とともに島の人口は減っていると聞きます。
尾道港から高速艇で約30分、750円の船賃です。

百島=福田の港には漁船が少なく漁業をしている人は少ないようです。
早速、山を歩いてみます。
斜面を利用した畑地はミカン栽培が主のようですが人手が少ないのでしょう、手入れが行き届かず荒れています。
最近はイノシシ被害にも悩まされているようです。
竹藪も手入れされておらずモウソウチクやマダケが密集して立ち枯れが目立ちます。
歩く農道もそのうちクズが生い茂るのではないでしょうか?
正面に田島(左)とつながる横島(右)が見えます。
気がついた植物を記録してみましょう。


島のほとんどはウバメガシ林で構成されています。


ウバメガシ
テリハノイバラ
ノイバラ
クスドイゲ
トベラ
テイカカズラ
マサキ
ヒサカキ
ヤツデ
クスノキ
イヌマキ
センダン
アカメガシワ
ナナミノキ
ナワシログミ
オオバヤシャブシ
エノキ
ムクノキ
アキニレ
ビワ
サネカズラ
キズタ
ネズミサシ
オオイタビ
スギ
ヒノキ
アカマツ
ヤマモモ
イスノキ
ニセアカシア
イタドリ
クズ
ホトケノザ
ヨモギ
アマチャヅル
フラサバソウ


フラサバソウ


ホンモンジゴケ
オオアカウキクサ


島中央にある池はオオアカウキクサ(シダ植物)で覆われていました。


ウキクサ
ナズナ
コハコベ
タンキリマメ

このうち、ホンモンジゴケについては関太郎先生が実験をしてくれました。
ホンモンジゴケは重金属である銅を体内に蓄積するコケ植物(銅ゴケ)として有名で東京・池上の本門寺の銅ぶき屋根の下に生育するすることから名付けられました。
雨などにより銅から生じた緑青などは有毒のため、生物が生育するには厳しい環境のはずですがホンモンジゴケには耐性があるらしく無毒化した状態でそれらを蓄積するらしいのです。
そのため、銅鉱山の推測や、環境浄化に役立つのではないかと研究されています。
先ず、ホンモンジゴケを熱水で1分ほど浸潤し、上水を検知管に入れて測定します。
値は3から5の間を示すppmを示しました
本門寺ゴケの生育する百島の土壌には、かなりの銅が含まれているということが判ります。
この実験のため、検知器具一式を持参する関太郎先生の熱心さに感服しました。
豊原源太郎先生が植生を説明してくれます。
島の南側にはウバメガシの純林があり花崗岩土質でないことからマツ(アカマツ・クロマツ)が少なくコシダやウラジロといったシダ植物が見られないこと、
東と北側の人が住む地域ではウバメガシが伐採され二次林を形成していること、
島の周囲は約12キロだそうで標高184mの十文字山に登り急勾配の南斜面を下ります。
島の海岸線を歩いてみました。
南西側に四国連山を見ることができます。
遠くに霞むのは石槌山、その左に瓶ヶ森がありました。
西側には向島が見えます。


遠く中央は向島の高見山


帰りツメレンゲが赤い実を付けています。


ツメレンゲ


ミカンを収穫する若者も少ないようです。
離れたのは午後4時前でしたでしょう。
もう来ることはないかもしれません。
ホーム   一覧に戻る