類聚方広義・第二木曜会  2015・10・8

拾遺方
当帰建中湯 続命湯 烏梅圓 大黄シヤ虫丸
百五十六頁 表
標注                                       類聚方
結痂せず、増寒身熱、一所疼痛、脈数の者は、余毒癰を成さんと欲するなり。此の方に宜し。若し膿巳に成る者は、早に鈹針にて割開すべし。伯州散を兼用す。
尫は、オウに作る。又たオウに作る。按ずるに、檀弓の注に、尫は、脊病の人と。
右九味、水七升を以って、煮て二升を取り、七合を温服す。日に三服す。水二合を以って、煮て六勺を取る。
諸肢節疼痛し、身體尫羸、脚腫れ脱するが如く、頭眩短気、温温として吐せんと欲す、



当帰建中湯

当帰 四両 六分 桂枝 生姜 各三両 大棗 十二枚 各四分五厘
芍薬 六両 九分 甘草 ニ両 三分
右六味、水一斗を以って、煮て三升を取り、分温三服す。
 

百五十六頁 表 解説
標注                                            類聚方
結痂(ケッカ)=かさぶた状
早(ツト)に=早く
伯州散(ハクシュウサン)=反鼻・津蟹・鹿角を黒焼きにしたもの
檀弓(ダングウ)=戦国時代・魯の人・礼記の編名となる

百五十六頁 
標注                                       類聚方
一日に盡せすむ。水二合を以って、煮て六勺を取る。若し大虚、飴糖六両を加う。湯成し之を内れる。火上にて煖め、飴を消せしむ。若し去血過多、崩傷内衄止まざれば、地黄六両、阿膠ニ両を加う。八味を合せ、湯成し阿膠を内れる。若し当帰無ければ、芎藭を以って之に代える。若し生姜無ければ、乾姜を以って之に代える。
婦人産後、虚羸不足し、腹中刺痛し止まず、吸吸少気、或いは少腹拘急に苦しみ、痛み腰背に引き、食飲能わず、産後一月、日に四五剤を服し得るを、善しと為す。人を強壮せしむ。

百五十六頁 裏 解説
標注                                            類聚方



百五十七頁 
標注                                       類聚方
婦人、草蓐に在り風を得て、頭痛発熱悪寒、身體痺痛、腹拘急、心下痞硬、乾嘔微利、咽乾口燥、喘咳甚だしき者は、速やかに治せず。必ず蓐労は、此の方に宜しきと為す。 続命湯
麻黄 桂枝 当帰 人参 石膏 乾姜 甘草 各三両 杏仁 四十枚 各三分五厘 芎藭 一両五銭 二分五厘
右九味水一斗を以って、煮て四升を取り、一升を温服す。水一合五勺を以って、煮て六勺を取る。当に小汗すべし。薄く背を覆い?薄覆背?、机に慿りて坐し、汗出れば即ち愈ゆ。汗せずば、更に服す。禁ず所無し。風に当たる勿れ。併せ但伏せて臥を得ずば、欬逆上気、面目浮腫を治す。
中風痱、身體自ずから収む能わず、口言す能わず、冒昧

百五十七頁 表 解説
標注                                            類聚方
慿(ヒョウ)・憑(ヒョウ・ヨる・タノむ)
痱(ヒ)=

百五十七頁 裏
標注                                       類聚方
胃反、噤口痢、間ま此の方に宜しき者有り。噤口痢は、生姜汁を湯とし送下するを佳しと為す。
凡そ丸散を製造するに、久きを経れば、効力自ずから薄く、用うと成し難し。此の方の如し。宜しく薬量を十分の一に取り、蜜丸にて貯蔵すべし。
通処を知らず、或いは拘急し転側能わざるに、

烏梅圓
烏梅 三百個 細辛 附子 桂枝 人参 黄蘗 各六両 十二銭 乾姜 十両 二十銭 黄連 一觔 三十二銭 当帰 蜀椒 各四両 八銭
右十味、異に擣き篩い、之を合治し、苦酒を以って烏梅を漬けること一宿、核を去り、之を五升米の下に蒸し、飯熟し擣きて泥と成し、薬を和し相得せしめ、臼中に内れ、蜜と杵くこと二千下、圓するに梧桐子大、食に先し十圓、日に三服す。稍加うるに二十

百五十七頁 裏 解説
標注                                            類聚方
噤(キン)=つつしむ
噤口痢(キンコウリ)=水も受け付けない重症の下利・歯を食いしばるような下利
觔(キン)

百五十八頁 表
標注                                       類聚方
婦人、径行不利、漸く心腹脹満と為り、煩熱咳嗽、面色煤黄、皮膚乾き皮は細起し、状は麩片の如く、目中曇暗、或いは赤渋羞明し、日を怕れる 圓、生冷滑物臭食等を禁ず。

百五十八頁 表 解説
標注                                            類聚方
怕(オソレ)る





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