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類聚方広義・第二木曜会 2013・12・14
乾姜人参半夏丸 乾姜黄連黄ゴン人参湯 黄連湯 半夏瀉心湯
霍乱、吐瀉の後、腹猶満痛し、嘔気有る者を治す。腹満は、謂うところの実満に非ず。 | 嘔する者を治す。 厚朴 生姜 各半斤 一銭 半夏 半升 七分五厘 人参 一両 一分三厘 甘草 ニ両 二分五厘 右五味、水一斗を以って、煮て三升を取り、滓を去り一升を温服す。水二合を以って、煮て六勺を取る。日に三服す。 発汗の後、腹脹満する者、 為則按ずるに、当に吐逆の證有るべし。 乾姜人参半夏丸 嘔吐止まず、心下痞硬 |
妊娠、悪阻殊に甚だしく、湯薬を服す能わざる者は、此の方を用うれば、徐徐に効を収め宜しと為す。大便通ぜざる者は、大簇丸、応鐘丸等を間服す。若しユウ虫を兼ぬる者は、鷓鴣菜丸に宜し。 | の者を治す。 乾姜 人参 各一両 二銭 半夏 ニ両 四銭 右三味、之を末とし、生姜汁糊を以って丸と為し、梧子大の如くす。十丸を飲服す。白湯にて一銭を送下す。日に三服す。 「妊娠、」嘔吐止まず、 為則按ずるに、当に心下痞硬の證有るべし。 乾姜黄連黄ゴン人参湯 心煩、心下痞硬、而して吐下の者を治す。 |
大簇丸(タイソウガン)=大黄2・黄ゴン1・人参1糊丸、人参大黄丸に同じ 応鐘丸(オウショウガン)=大黄5・川キュウ3 糊丸 鷓鴣菜丸(シャコサイガン)=鷓鴣菜6・大黄5・甘草3 糊丸 鷓鴣菜は中国の名称で正確にはコノハノリ科アヤギヌだが海人草としてフジマツモ科マクリが虫下し薬として流通していたので代用していたと考えられます。 |
胃反、心胸鬱熱、心下痞硬、或いは嘈囃の者は、消塊丸を兼用す。 骨蒸労熱、心胸煩悶、咳嗽乾嘔、或いは下利する者は、此の方宜し。 此の状、症候の意義明らかならず。疑うらくに脱簡有り。 |
乾姜 黄連 黄ゴン 人参 各三両 七分五厘 右四味、水六升を以って、煮て二升を取り、滓を去り、分温再服す。水一合八勺を以って、煮て六勺を取る。 「傷寒、本自寒下、医復之を吐下し、寒更に逆吐下、」若し食口に入れば即吐す、 為則按ずるに、此の方は心中煩悸、及び心下痞硬、而して吐下する者を主どるなり。 黄連湯 心煩、心下痞硬、腹痛嘔吐、上衝の |
嘈囃(ソウザツ)=むねやけ、胃がひりひりしたり痛みを感じ酸水がこみ上げる 消塊丸(ショウカイガン)=大黄2・消石(芒消)3 糊丸 =承気丸=大黄消石丸 |
霍乱、疝カ、攻心腹痛、発熱上逆、心悸嘔吐せんと欲し、及び婦人血気痛、嘔して心煩、発熱頭痛の者を治す。 胃中に邪気有り。邪気は寒飲を謂うなり。 |
者を治す。 黄連 甘草 乾姜 桂枝 各三両 大棗 十二枚 各四分五厘 人参 ニ両 三分 半夏 半升 九分 右七味、水一斗を以って、煮て六升を取り、滓を去り、一升を温服す。水一合を以って、煮て六勺を取る。日に三服、夜二服。 「傷寒、」胸中熱有り、「胃中、」邪気有り、腹中痛み、嘔吐線と欲す者、 為則按ずるに、当に心中悸し、心煩上衝の證有るべし。 |
疝カ(センカ)=ガンのような塊ではなくガスなどによる移動性の腹塊 |
痢疾、腹痛、嘔して心下痞硬、或いは便膿血する者、及び飲食湯薬腹に下る毎に、直ちにロクロクと声有りて轉泄する者は、以下三方を撰用すべし。 疝カ、積聚、痛み心胸を侵し、心下痞硬、悪心嘔吐腸鳴、或いは下利する者を治す。若し大便秘する者は、消塊丸、或いは陥胸丸を兼用す。 |
半夏瀉心湯 嘔して心下痞硬、腹中雷鳴の者を治す。 半夏 半升 九分 黄ゴン 乾姜 人参 甘草 各三両 大棗 十二枚 四分五厘 黄連 一両 一分五厘 右七味、水一斗を以って、煮て六升を取り、滓を去り、再煎し三升を取り、一升を温服す。水二合を以って、煮て一合二勺を取り、滓を去り、再煎し六勺を取る。日に三服す。 「傷寒、五六日、」嘔して発熱する者、柴胡證具わる。而して |
消塊丸(ショウカイガン)=大黄2・消石(芒消)3 糊丸 =承気丸=大黄消石丸 |
心下満し硬痛云云、説は小柴胡湯に見ゆ。 | 他薬を以って之を下し、柴胡の證仍を在る者は、復柴胡湯を与う。此れ巳に之を下すと雖も、逆と為さず。必ず蒸蒸として振るい、即ち発熱し汗出で而して解す。若し心下満にして硬痛の者は、此れ「結胸と為すなり。」大陥胸湯之を主どる。但満して痛まざる者は、「此れを痞と為す。」柴胡之に与うに中らず。半夏瀉心湯に宜し。 ○嘔して腸鳴り、心下痞の者、 為則按ずるに、心下痞、当に心下痞硬に作るべし。 甘草瀉心湯 半夏瀉心湯證にして、而して心煩し |