類聚方広義・第二木曜会  2008・7・10

●7月10日は十一頁後半の桂枝加附子湯から、十三頁後半の桂枝附子湯まで読みました。

桂枝加附子湯より
十一頁後半
標註                                       類聚方
寒疝は、臍を繞って痛み、上っては心胸に連なり、下っては陰嚢に控え、苦楚忍ぶべからず。手足逆冷し、冷汗流れるが如きは、此の方に非ずんば、救う能わざるなり。
○疝は、水毒なり。其の発するの多くは外感より来る。然れども或いはオ血を兼ねて作す者有り。或いは虫を挟みて動じる者有り。或いは宿食に因って発する者有り。處療の際、宜しく甄弁し手を下すべし。
○東洞先生の曰く、煎法は大烏頭煎の法に従うべし。然れども余は毎に本論の煎法に従う。唯分量服度は、意を以って裁酌するのみ。


此の方に朮を加え、桂枝加朮
○「寒疝、」腹中痛み、逆冷し、手足不仁、若しくは身疼痛し、灸刺諸薬、治す能わざるに、抵当此の方を用う。
為則按ずるに、是れ烏頭煎に、桂枝湯を合する方なり。当に烏頭煎方の下に列すべし。今之を桂枝加附子湯に列すは、其の異なりを示すなり。又按ずるに、煎法は、大烏頭煎の法に依るべし。
烏頭三銭、右一味、蜜一合二勺を以って、煎じて半に減じ、桂枝湯六勺を以って、之を和解す。六勺を服す。知らずんば更に六勺を服す。


桂枝加附子湯
桂枝湯證にして、悪寒し、或いは支

十一頁後半解説
標註                                       類聚方

十二頁前半
標註                                       類聚方
附子湯と名づく。中風偏枯、痿躄、痛風、小便不利、或いは頻数の者を治す。又黴瘡、結毒、筋骨疼痛、諸瘍疽、淤膿尽きず、新肉生ぜず、遷延癒えざる者を治す。応鐘、伯州、七宝、十幹、梅肉の類、宜しきに随って之に兼用す。黴瘡、結毒、或いは薫剤を用う。薫剤を用いる者は、其の間湯液を停む。若し心悸目眩し、身動する者は、茯苓を加えて、桂枝加茯苓朮附子湯と名づく。
小便難は、出るに快からざるなり。


本草綱目の、附子の條に、宋雷の曰く、附子一個、重さ一両は、即ち是気全と。弘景の謂うところの
節微痛の者。
桂枝湯方内に於いて、附子一枚を加う。
桂枝 芍薬 大棗 生姜 (各六分) 甘草 (四分) 附子 (二分) 右六味、煮ること桂枝湯の如し。
「太陽病、」発汗し、遂に漏れ止まず、其の人悪風し、小便難、四肢微急し、以って屈伸し難き者、



桂枝去芍薬加附子湯
桂枝去芍薬湯證にして、而して悪寒する者を治す。
二頁前半解説

標註                                       類聚方
中風とは卒中風のことで偏枯は半身不随の人。
痿躄は腰がしっかりせず立てない人=イザリ。痛風はリウマチなど。
黴瘡の意味は梅毒疾患でかびた様なおできが出来た状態。結毒も梅毒の終末期症状。
淤膿とは汚い膿。
遷延とは何時まで経ってもという意味。
薫剤とは軽粉(水銀華)やヨモギの事、燻した煙を病巣に当てる治療法。
李時珍は1596年、明の時代に本草綱目52巻を著します。
弘景とは陶弘景のこと、西暦456〜536年の人、神農本草経の再編をした人。


十二頁後半
標註                                       類聚方
皮を去り畢り、半両を以って一枚に準ずと、相近し。是亦野生の物を謂うのみ。
説は桂枝去芍薬湯標に見ゆ。




此の方、亦朮を加えて効ありて痛風及び結毒、沈して痛みをなす者は、応鐘散、或いは七宝承気丸を兼用すれば、其の効甚だ速やかなり。
桂枝去芍薬湯方内に於いて、附子一枚を加う。
桂枝 大棗 生姜 (各七分五厘) 甘草 (五分) 附子 (二分五厘)
右五味、煮ること桂枝湯の如し。
「太陽病、之を下して後、」脈促胸満の者、桂枝去芍薬之を主る。若し微悪寒する者、


桂枝附子湯
桂枝去芍薬湯證にて、而して身体煩疼し、自ずから転側能わず者、
桂枝 四両 (八分) 附子 三枚 生姜 三両 (各六分) 甘
十二頁後半解説
標註                                         類聚方
応鐘散=大黄(1)と川(2)の粉薬。
七宝承気丸の処方内容は不明。
トリカブトの主根を烏頭、来年に芽を出す側根を附子、附子を持たない主根を天雄と区別します。効能の強さは天雄>烏頭>附子とされています。


 十三頁前半
標註                                       類聚方

草 二両 (四分) 大棗 十二枚 (六分)
右五味。水六升を以って、煮て二升を取り、滓を去り、分かち温めて三服す。(水一合八勺を以って、煮て六勺を取る。)
傷寒八九日、風湿相博ち、身体疼煩、自ら転側能わず、嘔せず渇せず、脈浮虚にしてなる者、桂枝附子湯之を主る。若し其の人大便く、小便自ら利する者は、去桂枝加朮湯之を主る。
為則按ずるに、当に上衝の證有るべし。此の方は桂枝去芍


 十三頁前半解説
標註                                         類聚方
風湿相博(う)ち、とは風と湿と両方起こってという意味。外邪と湿気が重なってからだが非常に痛くなったということ。

十三頁後半
標註                                       類聚方




此の方、脈経、玉函、千金翼、皆朮附子湯と名づく。古義を失わざるを以って、金匱に白朮附子湯と名づく。外臺に附子白朮湯と名づく。而して金匱は其の量を半折す。倶に古に非ずなり。朮の蒼白を分かつは、陶弘景以後の説のみ。
按ずるに、金匱白朮附子湯、其の量を桂枝附子湯に半折す。而し
薬加附子湯と同じ、而して治は方名と異なる。彼方の下に曰く。微悪寒と。此の方の下に曰く。身体疼煩と、悪寒軽く、疼煩重し。独り附子の多少に在るのみ。

桂枝附子去桂枝加朮湯
桂枝附子湯證にして、而して大便硬く、小便自ら利し、上衝せざる者を治す。
桂枝附子湯方内に於いて、桂枝を去り、朮四両を加う。
朮 八分 附子 六分 甘草 四分 大棗 生姜 各六分
右五味、水三升を以って、煮て一升を取り、滓を去って、分かち温め三


十三頁後半解説
標註                                         類聚方




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