
土は植物の体を支えるだけでなく、根からの水分や養分の吸収、根の呼吸を助ける役目を果たしています。特に、鉢植えの場合は限られたスペースの中で植物を育てることになるので、土によってその生育が大きく左右されてきます。そこで、鉢植えに適した用土の条件を考えてみましょう。
水はけ・水もちのよい土
水を与えるとスッーと鉢底から抜けるが、すぐに乾かずある程度湿り気を保ってくれるもの。
団粒構造の土
きめの細かい土が集まった土の塊によってできている土を団粒構造を呼びます。この構造をもった土には大小の隙間があるため通気や水はけ、水保ちがよく、水を含むと弾力をもち、乾いても固まらないは特性があります。
適度な酸性度の土
植物により好む酸性度は多少異なりますが、多くの植物は弱酸性から中性の土で最もよく生育します。土の酸性度はph7を中性、7以上がアルカリ性、7以下が酸性で、数値が7から離れるほど強さが増します。用土の酸性度を調整する場合は、酸性から中性にするには有機石灰や苦土石灰を、中性から酸性にするにはビートモスや鹿沼土などを混ぜます。
このような条件から鉢花には普通、赤玉土をベースに腐葉土やバーミキュライト、ビートモスなどを混ぜた混合土が使われています。
鉢花や草花の中には、多年草や宿根草、球根植物、花木のように、何年も栽培を続けることのできるものがあります。
こうした植物は年々大きくなり、ふえていきますが、長く栽培を続けていると、株が込み合ったり、老化したりして、生育が悪くなることがあります。
とくに、鉢花の場合には、限られた大きさの鉢の中で生育しているため、生育が旺盛であれば、株が大きくなりすぎてバランスが崩れたり、根詰まりを起こしたりして、生育が悪くなってしまいます。さらに、鉢土が古くなって劣化し、植物の生育に適さなくなって、株や生育状態に悪影響を与えます。
そこで、長く栽培を続ける植物は、生育が悪くなってしまう前に植え替えをして、株の老化や根詰まりなどの被害を防ぐようにします。 多年草の植え替えの適期は、春〜初夏や秋の生育のよい時期であることが多く、宿根草の場合には、早春や晩秋など生育が始まる直前や休眠したばかりなどがその適期で、種顆によっては、開花後に行えるものもあります。球根植物では、植え付けの適期が植え替えの適期でもあります。
熱帯産の花木は、初夏から夏にかけての温度の高い時期で、温帯産の花木は春や秋、梅雨期が適期であることが多いのですが、落葉性の花木の場合には、葉を落としている時期に行います。
植え替えの際は、小さな鉢から急に大きな鉢に替えずに、一回り大きな鉢にします。また、植えられていた土と替える土の性質が極端に異なると、根が新しい土に伸び出さないことがあるので、用土は似たような性質のものを使い、植え替え前の鉢をやや乾かし気味にして、根を伸びやすくします。
植え替えの方法も植物によってさまぎまですが、小さな株で、そのまま大きくしていく場合には、水はけなどの性質がよく似た用土であれば、そのまま一回り大きめの鉢に植え替えます。
根詰まりを起こした株や大きくなっている株、古い用土と新しい用土の性質が大きく違う場合は、古土を1/3〜1/2程度落としてから植え替える必要があります。古土を落としてから植え替える場合は、用土を乾かしてから、根をできるだけ傷めないように気をつけてほぐし、古土を落とします。
古土を落とした株は、長く伸びすぎた根や傷んでいる根、腐っている根を切り取ってから植え替えます。根を切り取った場合には、それに合わせて、茎や枝も切り戻し、株全体のバランスをとるようにしないと、しおれてしまうので注意が必要です。
植え替え用の用土は、植物の種類によって異なりますが、水はけがよく、ある程度水もちがよいものを何種類か組み合わせて作ります。一般によく利用されるものには、赤玉土や山砂、川砂などにピートモスや腐葉土を混ぜ合わせたものがありますが、植物の種類に合わせたさまぎまな培養土が市販されているので、それらを利用するのも手軽で便利です。
ただし、市販の培養土の中には、水もちのよすぎるものがあるので、水やりが多すぎる傾向のある人は、ビートモスやパーライト、鹿沼土などを加え、水もちや水はけを調節するようにします。
鉢はあまり大きすぎないものを利用し、株は鉢の中央に置き、深く植え付けすぎないように気をつけます。根が多い植物や根の太い植物では、植え替え時に、根の間や株の周囲に十分に土が詰まらず、スキ間ができることがあるので、土をまんべんなく入れ、株をしっかり安定させるように気をつけます。
植え替えをすませた株は、たっぷりと水やりをして、通風のよい明るい半日陰に置いて新芽が伸び出すまで管理を続けます。水やりは、用土の表面が乾いてから行い、過湿にはとくに気をつけます。
新芽が伸び出し始めたら、早めに日当たりのよい場所に移動させ、肥料を与え始めます。