
鉢花や草花を上手に育て、花を美しく、長く咲かせるためには、育てようと思う植物、それぞれの性質に合わせ、できるだけ生育に適した場所を選ぶ必要があります。
ただし、生育に適した場所は、植物の種類によって異なるだけでなく、同じ種類であっても、季節によっても異なることがあるので注意が必要です。
日当たり
種類によって好む光の強さが異なりますが、一般に植物は光を充分に受けることでしっかりとした株に育ち、花を咲かせ続けることができます。逆に、日当たりの悪い場所では、茎葉が柔らかく節間が伸びて草姿が乱れ、花も続かなくなるので、少なくとも午前中は光が当たるような場所に置いたほうがよいでしょう。
また、落花防止剤で処理された鉢花を購入した場合も、充分光線の当たる場所で管理するに越したことはありません。
なお、室内は窓からの距離によって明るさが違ってきます。4月下旬に戸外で10万ルクスの時、ガラス窓から1mで1万5千ルクス、3mで千5百ルクスと窓際から距離が離れるほど光量は減少し、レースのカーテン越しでは光量はさらに30〜40%減ります。
温度
温度も植物の生育に大きく影響しますが、その植物に適した発芽温度や生育温度、生育適温があります。生育温度とは生育できる温度の範囲で、生育適温が最も生育が促進され、この温度を上下するに従い生育は鈍ります。また、花は生育温度の範囲でできるだけ温度は低いほうが、長く咲き続けます。
湿度
植物が順調に生育するには、適度な空中湿度も必要です。一般に乾燥しすぎは落蕾の原因となるので、霧吹きなどで葉に霧をかけて湿度を与えます。逆に、湿度が高すぎると灰色かび病などの病気が発生しますから、通風に注意します。
通風
適度な空気の流れ(風)は生育に良い影響を及ぼします。葉の周辺で停滞している空気が動くことにより、葉からの蒸散が活発になり、これに伴い水、肥料の吸収が促進されます。また、株内部の蒸れも防ぐため病気の発生が防げます。
春
桜の花が咲き終わり、葉桜になるころから、梅雨に入るころまでの間は、1年のうちでも最も快適な季節で、この季節に花を咲かせる植物の多くは、通風のよい日のよく当たる場所であれば、とくに問題はありません。冬に室内で管理していたものも、セントポーリアなどのように強い直射日光を嫌うもの以外は、晩霜の恐れがなくなったら戸外の日当たりのよい場所に移します。
夏
日本の夏、とくに関東以西の暑さの厳しい地域では、熱帯夜が続くことも多く、強い直射日光の影響もあって、暑さを苦手とする温帯性の植物や高冷地などに生育している植物だけでなく、熱帯花木や多くの観葉植物などの熱帯・亜熱帯性の植物にとっても、あまり生育に適した季節とはいえません。
そこで、とくに暑さを好む植物を除いて、できるだけ通風のよい明るい半日陰に置いて、強い日ざしを避け、涼しく保つくふうをします。ベランダなど、コンクリートに組まれたような場所では,ヨシズやスグレなどで日ざしをさえぎるとともに、スノコなどを利用して、コンクリートの上に直接鉢を置かないように気をつけます。
また、多くの植物は雨に当たると花にしみができたり、病気の原因になりますから、雨に当てないよう管理することも大切です。
秋
9月に入り夜温が下がり始めるころから、初霜が降りるまでの間は、春〜初夏と同じように快適な季節で、同じような場所で管理できます。ただし、寒さに弱い植物や、冬咲きの鉢花で、開花に十分な温度が必要な植物は、早めに室内の日当たりのよい場所に取り込むようにします。
冬
耐寒性の強い植物は戸外で管理しますが、寒さに強いといっても寒風や霜には当てないよう、南向きの日当たりのよいベランダや軒下に置いたほうが賢明です。耐寒性の弱い植物は室内に取り込み、夜間でも5℃以上を保つようにします。日中は充分に日の当たる窓辺などに置きますが、夜間は温度が下がるので窓から離し、簡易的にダンボール箱で覆うなどすれば2℃くらいプラスになります。また、このごろはビニールやガラス製の小型温室が高機能の割に安く手に入るので、これらを利用してもよいでしょう。
冬の鉢花の多くは、寒さに比較的強く、高温にやや弱いものが多いので、10〜20℃前後に保つように心がけ、できるだけ日当たりのよい窓辺やベランダなどに置くようにします。
暖房の効きすぎた室内や暖房器具のそばなどは、高温と乾燥で株が弱り、花が傷みやすいので注意が必要です。