容器栽培では毎日の作業

 日常の管理の中で、最も大切な作業が水やりです。しかし、「水やり3年」という言葉もあるように、簡単そうでなかなか難しいのが水やりです。鉢花の場合、植物は水やりによってしか水を得ることはできませんが、頻繁に与えて常に鉢土が湿っているような状態では、根腐れを起こしてしまいます。
 水やりは何日に1回というのは一つの目安で、そう画一的にできるものではありません。植物の種類によって違うのはもちろんのこと、同じ植物でも用土や天候、置き場所、季節などによっても、乾き方が違ってくるからです。
 そのため、水やりのタイミングは鉢土の状態で判断することになります。一般的には、鉢土の表面が乾いて白っぼくなった時が目安になります。葉が茂って鉢土が見えない場合は、指で鉢土を触ったり、鉢の重さで乾き具合を判断することになります。
 土の中で1日以上も停滞した水は老化していますし、そうした状態の上はガスが発作、停滞しているので、根にとって望ましくありません。根は水を吸うだけでなく、絶えず呼吸しているのです。
したがって、毎日新鮮な水を与えることは、水だけでなく空気も与ええ、同時に老化した水やガスを排せつすることにもなっているのです。 そのため、鉢土が乾いたらたっぷり与えるのが、水やりの基本になります。その際、水を少しずつ与えるのではなく、一度にたっぷりと鉢底から水が流れ出すまで与えるのがポイントです。使用する水は、できれば汲み置いて1日ほどたった水のほうが、カルキ分がとぶのでよいでしょう。(なかなかそこまではできませんが・・・・)また、病気の予防のためには、なるべく花や葉に水がかからないょうにし、受け皿にも水を溜めないようにすることも大切です。
 なお、底面吸水方式の鉢で紐が鉢皿に出ているものは、常に下の受け皿の半分ほどまで水が溜まっているように管理します。なお、この方式で育成された鉢花は、普通の鉢花より根の量が少なく、また鉢土の組成も異なっているため、鉢土の表面が湿っていてもしおれる場合があります。これは、下から水を吸い上げるため、肥料分が下に下がらないことが原因となっている場合も多いので、時々鉢土の上から水を与えることも必要です。




 午前の水やりと夕方の水やり


 水やりをする時間も、大切な問題です。豆の場合には、朝の水やりは根腐れを起こしやすいので禁物とされており、午前10時までか午後3時以降に行うのがよいとされています。また、盆栽などのように徒立を嫌うものは、夕方にあまり水が残っていないようにするのがコツです。どうやら植物が大きくなるのは夜らしいのです。特に植物は、夜間に太ることが知られています。だから、実物は午後の水やりが大切、ということになります。




 上手な水やり

 植物の生育にとって、水は必要不可欠なもので、花を長く楽しむためには、上手な水やりをすることがまず第一です。
 生育に必要な水の量は、植物の種類によって、それぞれ異なり、サボテンの仲間のように乾燥を好むものや、ブリムラの仲間のように乾燥させるとすぐしおれるものなどさまぎまです。
 また、用土の種類や鉢の種類によっても乾き方が異なり、水やりは、そうした状況を考えて適切に行わなければいけません。さらに、季節によって植物の生育状態が大きく異なることが多く、それに合わせて、与える水の量を調節する必要もあります。
 このように、水やりは植物の種類や季節、用土、生育状態に合わせて調節しますが、基本は鉢土や用土の表面が乾いてからたっぶり与えることです。特殊な植物を除いて、絶えず湿らせていたり、乾燥させすぎたりザるのは避けなければいけません。
 植物の種類によって、水やりの仕方を変える必要もあります。とくにカソムラやアザレアなどは、花に水がかかると病気の被害を受けやすく、しおれたり、スポットが入ったりするほか、腐ってしまうものなどがあるので、葉や花に水をかけないようにくふうをする必要があります。
旅行などで留守にする場合でも、鉢花には水やりは欠かすことができません。2〜3日程度なら風の当たらない明るい日陰に移し、鉢皿に水を溜めておいたり、プランターや大鉢の場合は董に小さな穴をあけたペットボトルに水を入れ、逆さまにして鉢土に押しておくとよいでしょう。




 季節別 HOW TO



 春から初夏にかけては、気温が上がるにつれて植物も生育が盛んになってきますから、水切れを起こさせないよう注意します。また、生育期に入ったからといって、冬の間水を控えめに管理していた植物に、いきなり水やりを増やすのは根を傷めるだけですから、徐々に水やりの量を増やしてください。




 朝の涼しい時間か夕方に行い、昼間は原則的に行いません。また、夏は日当たりにある蛇口やホースの中に溜まった水は高温になっていることがあるので、必ず水の温度を確かめてから使うようにします。
 なお、梅雨時は乾燥より過湿に注意が必要で、多湿に弱い植物はもちろんのこと、強い植物でも雨ざらしの状態を長く続けるのはよくありません。




 春と同様生育の盛んな時期ですから、充分に水を与えます。ただし、10月下旬ころからは気温が下がるにつれ生育も鈍ってきますので、徐々に水やりを控えめにしていくようにします。
 また、梅雨時と同じく秋の長雨にも当てないようにします。



 
 1年のうちで最も水やりの難しい季節です。注意を要するのは、生育適温の下限に近づくほど水やりを控えることです。生育が鈍っているのに水分が多すぎると根を傷め、遂には腐って枯れてしまいます。
 水やりは暖かい日の午前中に行い、夕方には鉢土の表面が乾くようにします。これは、戸外で管理するものは鉢土の凍結予防、室内で管理するものは病気の発生予防のためです。与える水の温度にも注意し、水道の水を直接与えるのではなく、湯を足すなどして15℃くらいに温めた水を使うようにします。逆に,暖房の効きすぎた室内では、乾燥によって水切れに似た症状を起こすことがあるので、こうした株はシリンジによって湿度を保つくふうをします。