PEN-F series
Lens 広角・望遠



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60mm F1.5

今年(平成15年)の元旦に手元に届いた、私にとってのハーフな初荷、「G.Zuiko Auto-T60mm1.5」です。 いやはや、42mm1.2の入手以来、すっかり大口径レンズの虜になってしまい、とうとうやってしまいました。
このレンズも市場に出る個体は少なく、ペンF系の交換レンズ群のなかでは高価な部類に入ります。
さてさて、60mmという焦点距離は、35mm換算すると約84mmに相当します。 80mmクラスというと、伝統的?にポートレート撮影に適したサイズです。 このレンズの場合、開放値も1.5と明るいので、背景をボカした作画もOKです。ご覧の通りの大きな前玉なので、レンズ自体の見栄えもなかなかの迫力でしょ!


OLYMPUS Photographyに掲載された解説をご紹介・・・
60mmF1.5のこのレンズは、最も大口径の中望遠レンズです。 35mm判の85mmに相当し、ポートレートなどに使いよい画像のレンズといえます。 
焦点距離が標準レンズの1.5倍、それだけの望遠効果もあり、近い被写体でも自然な遠近感の描写をしてくれます。 また一眼レフ用の専用望遠レンズの中では、世界で一番明るいレンズでもあります。 舞台の撮影や、暗い室内で写しがちなポートレートなどにはその明るさが偉力を発揮してくれます。 
大口径レンズは被写界深度が浅く、ピント合わせがむずかしいものと思われがちです。 しかし、そこはハーフサイズ、同じ望遠効果のある画角を持ちながら、焦点距離が短いので、35mm判に比較して、2絞りぐらいピントの合う範囲が深くなります。 このレンズも開放絞りで35mm判のF2.8クラスの深度を持ち、使いやすく、しかもF1.5特有の美しくバックのボケ味を持っています。 
わずらわしくなりがちなバックも美しくボケて被写体を浮きたたせ、ポートレートなどには最適の大口径望遠レンズです。
◆レンズ◆
5群7枚構成のこのレンズは、望遠タイプではなく、長焦点タイプに属します。 
F用望遠レンズで長焦点タイプは、70mmF2とこのレンズの2つだけです。 
レンズの構成は
ガウスの変形ですが、ガウスタイプとはとても思えないほど、変形発展されています。 そのひとつはガウスタイプの前玉を2群2枚に分離して球面収差をより補正し、第3群にあたる部分を凹メニスカスレンズにして像面湾曲を取り最後部を2枚貼り合わせで色収差コマ収差をより補正し、高い解像力を持たせてあります。 
開放絞りで写してこそ真価の発揮できるレンズだけに、F1.5という大口径ながら絞りを全開にしても全画面ピントの良い写真が得られるように設計してあります。 画角は28度。 標準レンズの1/1.5。 写る範囲は標準レンズの1/2.5の面積が、画面一杯に写ります。
◆機 構◆
外観や各部の構成、その操作性などは、標準レンズと同じに統一してあります。
絞り目盛はTTLナンバー0から6、Fナンバー1.5から16。 自動絞りです。
フィルターは49mmねじ込み式で、F1.2標準レンズ、50〜90mmズームレンズ、150mm望遠レンズと共用です。
フードは丸型の49mmねじ込み式で、こちらは50〜90mmズームレンズとのみ共用になっています。
写せる距離は無限遠から80cm。 最近接距離での写る範囲は、被写体の大きさが、27×20cm。 子供の顔でも画面いっぱいに写しこめます。

●35ミリ版換算≒85mm
●画角:28度
●絞り形式:完全自動絞り
●TTLaF0〜6
●最短撮影距離:0.8m
●フィルター径:49mm
●重量:270g
●当時の定価:21,800円



70mm F2

ペンFシリーズの中望遠レンズ70mmF2です。
これはオークションで落札したもので、珍しいことに地元の方との取引させていただきました。 しかし、残念なことに状態は No Good!
まず、盛大なカビとともに、比較的後ろ側のレンズにコーティングの傷みがあります。 その上、装着するボディによってはシャッターがフリーズしてしまいます。 絞り羽へのアクセスは比較的容易なのなので、ベンジンで「これでもか!」とクリーニングしましたが、さらに奥の可動部の動きが悪いのか、ほとんど改善できませんでした。 他のレンズに比べると、絞りまでの経路が複雑で長いことも災いしているのかもしれません。
結局は、レンズクリーニングと分解・超音波洗浄を専門家にお願いしてすこぶる快調になりましたけど。 ただし、コーティング部分の傷みは当然改善されていません。 余裕があればこの部分もナンとかしたいところなのですが・・・。
OLYMPUS Photographyに掲載された解説をご紹介・・
70mmF2のこのレンズは、小型軽量の大口径望遠レンズです。 35mm判の100mmに相当し、一眼レフの普及する前に、最も使われた画角のレンズです。 その中でも数少ない、F2という大口径に設計されています。 暗い被写体をはじめあらゆる場合に、標準レンズなみに使える望遠レンズです。 ポートレートなど近い被写体には、標準レンズより自然な描写をして、見た目に近い写真が撮れます。 また焦点距離は標準レンズの約2倍、それだけの望遠効果もそなえています。 35mm判でいえば、ポートレート用85mmと一般望遠用135mmの2つの性格を兼ね備え、バックをボカすポートレートから、重複効果をおりこんだ望遠写真まで幅広く使えるレンズといえます。 特にF2という大口径から舞台写真に好適なレンズでしょう。 大きさも、標準レンズを少し長くした程度にコンパクトにまとめました。 小型のボディに付けても、そのバランスをくずすことなく使える、魅力的な大口径中望遠レンズといえます。

◆レンズ◆
5群6枚構成のこのレンズは、望遠タイプではありませんが、焦点距離にくらべレンズの全長が短くなっています。
レンズの構成は、F1.8やF1.4標準レンズ同様、第2群を分離した変形
ガウスです。 明るさ、画角、バックフォーカスなどに、設計上の無理がないので、きわめて安定した性能をもっています。 したがって開放絞りで撮影してもコントラストの良い、高解像力を発揮します。 特にディストーションは完全なまでに補正され、像のゆがみがなく、測定用レンズとしても使えるくらいです。
F2という大口径レンズなのですが、対称型の特徴として、撮影倍率による収差のくずれも少なく、近接撮影でも良い結果が得られます。 画角は標準レンズの約1/2、写る範囲は標準レンズの1/3.3の面積が画面いっぱいに写ります。

◆機構◆
外観や各部の構成、その操作性などは、標準レンズや他の交換レンズと同じに統一されています。
絞り目盛はTTLナンバー0.5から7、Fナンバー2から22。 自動絞り。 TTLナンバーが7まであるのは、今のところこのレンズだけです。
フィルターは43mmねじ込み式で、F1.8、F1.4標準レンズや、20mm、25mm広角レンズ、100mm望遠レンズと共用です。 フードは専用になっています。
写せる範囲は無限遠から80cm。 最近接距離での被写体の写る範囲は、23×17cm。 どの望遠レンズも顔がほぼ画面いっぱいに写せるまで、絞り出せるように設計されています。
●35ミリ版換算≒100mm
●画角:24度
●絞り形式:完全自動絞り
●TTLaF0.5〜7
●最短撮影距離:0.8m
●フィルター径:43mm
●重量:230g
●当時の定価:18,000円


100mm F3.5

もっとも入手しやすい中望遠レンズで、ポートレイト等の使用が適しています。
価格的にもリーズナブル(15000円〜25000円)なので、とりあえず持っておきたいレンズです。

OLYMPUS Photographyに掲載された解説をご紹介・・・
100mmF3.5のこのレンズは、望遠レンズの中で、もっとも標準的な万能望遠レンズとして、設計されたものです。 それだけに使いやすい高性能レンズを目標として、軽くコンパクトにまとめられ、ボディにつけてもバランスをくずすことなく標準レンズと同等に使いこなせます。 大倍率の引伸しにたえる高解像力レンズの開発とあいまって、交換レンズ中の代表的なレンズのひとつに数えられます。

◆レンズ◆
4群5枚構成の本格的な望遠レンズです。このクラスのレンズとしては、ややぜいたくな設計といえるでしょう。 
エルノスタータイプから発展した望遠タイプですが、もうエルノスタータイプとは呼べないほど改良されております。 このレンズは焦点距離よりもレンズの全長が短くコンパクトで、球面収差非点収差が良く補正され、その上像面の湾曲が少ないため、画面の中心から周辺まで均一な切れこみの深い優れた解像力をもっています。 またディストーションが非常に小さく、パノラマ写真とか、ビルの撮影などで像のゆがみが出ないのも大きな特徴でしょう。 焦点距離が標準レンズの2.5倍、標準レンズで写る範囲の1/6の面積を画面いっぱいに拡大して写すので、かなりの望遠効果が得られます。
◆機 構◆
焦点距離100mmといっても画角17度、35mm判の140mm望遠レンズに相当します。 35mm判の140mmクラスに比較して、体積、長さともその半分と非常に小型になっています。 この使いやすさは、ハーフサイズならではの大きな利点でしょう。
レンズ交換は、独特のワンタッチ。 距離環、絞り環の配置、回転方向とも標準レンズにそろえてあり、レンズ交換しても、とまどってシャッターチャンスをのがすことはありません。 また絞り環を前方に引き出して、180度回転させれば、Fナンバー、TTLナンバーのいずれか必要な目盛を上に持ってこられるのも各レンズに共通した特徴です。(初期のタイプを除く)
フィルターは43mmねじ込み式、38mm標準や広角レンズなどと共用です。 絞り目盛はTTLナンバー1から6、Fナンバー3.5から22。(旧タイプでは16までしかありません※管理人) 自動絞りです。
写せる距離は無限遠から1.5メートルまでです。 最近接距離1.5メートルでは、わりに接写ができないと思われるかも知れませんが、そこは望遠レンズの偉力で、1.5メートル離れていても写る範囲は31×23cm。 顔が画面いっぱいには入りきらないぐらいです。
とんがり帽子のないスマートなカメラも、このくらいのレンズを付けるとはじめて一眼レフらしい姿になってきます。

●35ミリ版換算≒143mm
●画角:17度
●絞り形式:完全自動絞り
●TTLaF1〜6
●最短撮影距離:1.5m
●フィルター径:43mm
●重量:250g
●当時の定価:13,000円



150mm F4

ペンFシリーズの中望遠レンズ、E.Zuiko Auto-T 150mmF4です。
このレンズは、望遠系交換レンズのなかでは、自動絞り機能のついた最も長いものです。
これより長いレンズでは、プリセット絞りとなるため、使い勝手はかなり違ったものになります。
望遠系のレンズは、入手したけれどなかなか出番がないという方も多いかと思いますが、私もこのレンズを入手するまでは同様で、ここ最近はほとんど広角もしくは標準系レンズしか使用していませんでした。 しかし、実際に使用してみると、発色もなかなか良く、思いのほか使い易いレンズなのです。 構えた時のバランスも悪くなく、望遠レンズで起こりやすい手ぶれも余り神経質にならなくてもよいようです。 それと、フードが内蔵されているのもポイント高いですね。 しかし、なんといっても、35mm換算200mm超の望遠効果は、これはこれで十分楽しいですよ。
カメラに興味を持った頃、望遠レンズを装着して、飽きることもなくファインダーを覗いていた、私にとってはそんな懐かしさを感じさせるレンズとなっています。

OLYMPUS Photographyに掲載された解説をご紹介・・・
150ミリF4のこのレンズは、画角12度、35ミリ判の210ミリに相当する望遠レンズです。 この程度のレンズになると、望遠というよりは、むしろ超望遠に属するレンズといえますが、最も望遠らしい望遠レンズとして、今一番使われているレンズのひとつです。
標準レンズの1/16という小さい面積を画面いっぱいに拡大し、ファインダーをのぞくだけで、眼の視覚を超えた超望遠の世界に誘い込んでくれます。 一眼レフのなき時代では、とても考えられなかったレンズです。 しかも35ミリ判の210ミリレンズでは、ややもてあます大きさになってしまいますが、このレンズは、同じ望遠効果を持ちながら、小型軽量。 Fのボディにつけてもバランス良く、カメラホールディングも抜群。 35ミリ判ではまねのできない機動力を発揮します。
遠い被写体を、ファインダーで追いかけながら手持ち撮影が存分に楽しめ、風景はもちろんのこと、スポーツやカーレースなどにも最適で、ハーフサイズのだいご味を十分に楽しませてくれる、機動力ある超望遠レンズの代表的なものです。
◆レンズ◆
4群5枚構成のこのレンズは、画角12度のこのクラスのレンズとして、ややぜいたくな設計の本格的望遠レンズです。 それだけに明るさや画角に、余裕のある設計となっていて、きわめて安定した高度な性能をもっています。
レンズのタイプとしては、100ミリレンズに似た構成となっており、
球面収差非点収差像面収差などの各収差がバランスよく補正され、開放絞りでも画面周辺部まで均一な良い解像力をもっています。 またディストーションが少ないのも特徴です。 望遠タイプのレンズ構成のため、焦点距離のわりにはレンズの全長が短く、コンパクトに使いよくなっています。
画角は標準レンズの1/4と小さく、写る範囲は標準レンズの1/16の面積が、画面いっぱいに拡大されて写ります。
◆構成◆
外観や各部の構成、その操作性などは標準レンズや他の交換レンズと同じに統一されています。 絞り目盛は、TTLナンバー1から5、Fナンバー4から22。 自動絞りで絞り羽根は8枚、超望遠特有の前後のボケも美しい形に整えてあります。
フィルターは49ミリねじ込み式。 50〜90ミリズームレンズ、60ミリ、標準レンズF1.2と共用です。 フードはスライド式で組み込んであり気楽に使えます。(管理人注:旧タイプでは外付け)
写せる範囲は無限遠から1.7メートルまで。 最近接距離での写せる被写体の大きさは22×16センチです。



100--200mm F5

50〜90mmズームと比較すると、ちょっと流通量は少なめ?のズームです。フードは内蔵で、レンズ先端部に5cmほどのものがあります。また三脚等の取付穴も装備されており、なかなか本格的長玉の雰囲気を出しています。このレンズの欠点はプリセット絞りであることかもしれません。通常のペンFシリーズ用レンズは自動絞り(シャッターを切った時に瞬間的に絞りが閉じる)ので、ピント合わせは比較的容易です。しかしプリセット絞りでは予め絞りを設定しておく必要があることから、まず絞り開放でピント合せを行いその後に絞りを適正値に絞っていく、そんな操作が必要となります。この100〜200の場合は、開放と絞った状態をワンタッチで切替できるようになってるので、プリセット絞りとしては簡単に扱えるほうだと思います。
さて、このレンズは購入時点で絞り羽が全く動いてくれないような状態でした。いくら動かしても絞り羽が見えないので、「素人修理で絞り羽を取っ払っちゃったのか!」と非常にあせりましたが、実は絞り開放状態であまりにもきれいにレンズ内部に収まっていたので見えなかっただけ、なんてこともありました。友人D君もほぼ同じ状態を経験していますので、このレンズではよくあることなのかもしれません。

  

●35ミリ版換算≒143〜286mm
●画角:17度〜9度
●絞り形式:プリセット手動
●TTLaF1〜6
●最短撮影距離:1.7m
●フィルター径:49mm
●重量:700g(フード組込み)
●当時の定価:39,200円


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